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人倫

2020-02-10 | 哲学日本語
日本哲学23   
人倫を説く。人の道と言った。儒学から、君臣,父子,夫婦,長幼,朋友の5つを道徳的秩序とした。5倫である。孟子に由来して、基本的実践徳目、君臣の義,父子の親,夫婦の別,長幼の序,朋友の信をいう、人間の倫理を意味する。そこから一般に,人の踏み行うべき道という意味でも使われる。

「倫」は,人として守るべき秩序、道理を意味する。


三省堂 大辞林 第三版 索引トップ用語の索引ランキング凡例
三省堂三省堂
じん りん [0] 【人倫】
① 〔孟子 滕文公上〕 人と人との間の道徳的秩序。親子・君臣・夫婦・長幼・朋友の間で道徳的にとるべき道。
② 〘哲〙 〔ドイツ Sittlichkeit〕 ヘーゲルの用語。理性的意志が客観化された形態で、家族・市民社会・国家として現れる。偶有的諸個人の実体性・普遍的本質であり、主観的な道徳性に対立する。
③ 人。人々。人間。 「慈悲の心なからんは、-にあらず/徒然 128」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
人倫
じんりん
儒教では,君臣,父子,夫婦,長幼,朋友の間の道徳的秩序としての人間の倫理を意味する。そこから一般に,人の踏み行うべき道という意味でも使われる。「倫」は,人として守るべき秩序,道理を意味する。また,ヘーゲルの Sittlichkeitの訳語としても用いられる。そこでは,良心の命令に従う主観的な道徳である Moralität (個人的道徳性) と対比されるところの,家族,市民社会,国家において実現される客観的な倫理を意味する。

精選版 日本国語大辞典の解説
古辞書や作品集などで、語彙・題材などを分類する語。
(イ) 古辞書で、人間や人間関係を表わす語彙。
※十巻本和名抄(934頃)「人倫部第二」
(ロ) 漢詩集などで、人間に関する題材。また、その詩。
※江吏部集(1010‐11頃)中「人倫部」
(ハ) 連歌の式目で語彙を分類する術語。「人」「我」「誰」など人間を表わす概念。
※僻連抄(1345)「人倫 人・我・身・友・父・母・誰・関守〈如レ此類〉 非二人倫一物 月の主・独・老・命・形・姿・髪・鬚・手・足・目・鼻・口・そほづ〈以上〉」


日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
五常
ごじょう
五行(ごこう)ともいい、儒教において恒常不変の道とされる、仁義礼智(ち)信の五つの徳。別に五倫・五教などをさすことがあるが、前漢の董仲舒(とうちゅうじょ)が王者の修めるべき「五常の道」としてこの五徳を唱えてから、五倫とともに儒教倫理説を代表するものとなった。これより先、孔子(こうし)(孔丘)は、諸徳を包摂する最高の徳として仁を説き、孟子(もうし)(孟軻(もうか))は仁義を強調し、さらに礼智をあわせた四徳四端を唱えて性善説を展開したが、董仲舒は五行(ごぎょう)思想に基づいてこれに信を加えたのである。なお、中国仏教では、五戒をこれに配して五常ともよび、不殺生戒は仁、不偸盗(ふちゅうとう)戒は義、不邪婬(ふじゃいん)戒は礼、不飲酒戒は智、不妄語(ふもうご)戒は信とし、これを実行することが大孝であると説いている。[廣常人世]
『赤塚忠他編『中国文化叢書2 思想概論』(1968・大修館書店) ▽宇野精一著『儒教思想』(1984・講談社学術文庫)』

世界大百科事典内の五常の言及
【徳】より
…ルネサンス期には徳(ラテン語virtus,英語virtue)は男らしい精神的・身体的有能性を特に意味した(ギリシア語のアレテも軍神を意味するアレスArēsと同根語である)。中国では,智仁勇の三徳,仁義礼智信の五常の徳,父子の親,君臣の義,夫婦の別,長幼の序,朋友の信の五倫の徳,日本では,神道の正直,儒教の誠,仏教の慈悲という三元徳が挙げられよう。道徳的生活の道しるべを設定する徳論は,倫理学の最初にではなくて最後に位置すべきものであるが,ニヒリズムが顕在化した現代では,倫理学も徳論までは到達しがたく,元徳も定まりがたい。…
※「五常」について言及している用語解説の一部を掲載


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