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教育論4

2018-02-03 | 思い遥かに
格物、格物学、格物致知、格致、ここに見える格字には、動詞読みをする。格致は略語である。ものに至り、知に至る、あるいは物をただし、知に至る、という、それぞれの解釈があり、議論となる。



字通より

字形
声符は各(かく)。〔説文〕六上に「木長ずる皃なり」とあり、枝が伸びてからむことをいう。各に「いたる」意があり、神の降格する意。神意によってただす、それより格式・規格の意となる。

訓義
[1] からむ、あたる、たたかう、いりくむ。
[2] いたる、きたる、ただす。
[3] はかる、のり、規格、地位、身分。
[4] 架と通じ、衣かけ。

語系
各は神の降格する意。神の降下を迎えることを恪という。

【格物】かくぶつ  物を来す、物に至る、物を正すなどの諸説がある。〔大学〕其の心を正しくせんと欲する者は、先づ其の意を誠にす。其の意を誠にせんと欲する者は、先づ其の知を致す。知を致すは格物に在り。



日本国語大辞典より

かく 【格】
解説・用例

〔名〕

(1)きまり。法則。法式。規則。

*米沢本沙石集〔1283〕一〇末・一二「凡(およそ)世間出世の格(カク)をこえて格にあたるにあたらずと云事なし」

*わらんべ草〔1660〕二「世間出世ともに、格をこえて、格にあたるは、あたらずと云事なし」

*和英語林集成(初版)〔1867〕「Kaku (カク)ヲ ハズレル」

*礼記‐緇衣「言有物而行有格也」

(2)くらい。地位。身分。程度。等級。

*日葡辞書〔1603〜04〕「ソノ ヒトノ cacuga (カクガ) ヨイ、または、ワルイ」

*俳諧・去来抄〔1702〜04〕先師評「病鴈は、格高く趣かすかにして、いかでか爰を案じつけん」

*難波土産〔1738〕発端「或は大名、或は家老、その外祿の高下に付て、その程々の格をもって差別をなす」

*家〔1910〜11〕〈島崎藤村〉上・一「家の格が違ひます」

(3)同じような仕方。流儀。手段。

*咄本・露休置土産〔1707〕一・一〇「主人聞、さてさてよいあいさつ、出来た出来た。此後も其格(カク)にあいしらへよと誉ければ」

*浮世草子・傾城禁短気〔1711〕五・一「かふした格な物馴た大臣に逢ふては、手を取事多く、我心から心恥づかしうなって」

*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕五・追加「ゑどのかくにて、さかづきをさしたるおやまを、わが相方とおもひゐたりしゆへ」

*安愚楽鍋〔1871〜72〕〈仮名垣魯文〉三・上「去年の仕初(しぞめ)に勧進帳を見せた格(カク)でござへますがいいおもひつきじゃアござへませんか」

(4)品格。風格。

*中華若木詩抄〔1520頃〕上「此詩は、常の格ではないぞ、異相な詩と云こと也」

*玉塵抄〔1563〕二三「老人の文章ぞ。あたらしうわかわかとかくがあるぞ」

(5)奈良・平安時代、律令を執行するため、時に応じて発せられた修正、補足の命令。律・令・格・式の一つ。→格(きゃく)。

(6)方形の囲い。区画。また、骨組み。

*米欧回覧実記〔1877〕〈久米邦武〉一・五「車中の両側を六格に別ち、毎格に二人を容(いる)る」

(7)文法で、文中のある語句(特に名詞・代名詞)が他の語句に対してもつ文法上の関係。主格、述格、連体格など。

*小学日本文典〔1874〕〈田中義廉〉二・一三「名詞の互に相関係し、或は他の詞に関係するとき、其作動の、及達する矩合を、示すものあり、これを格といふ」

(8)論理学で、三段論法の形式。大小両前提に共通な媒概念(中概念)の位置によって、各種の形式に分類できる。

(9)商品取引所の語。商品の各銘柄の内から一定の標準品を選び、これに比較して定めた各銘柄それぞれの品質、値段の差。→格付け。


かくぶつ‐がく 【格物学】
解説・用例

〔名〕

(物象についての道理をきわめる学問の意)

物理学。

*百学連環〔1870〜71頃〕〈西周〉二・上「英国に於てはヒロソヒーと称するを種々に広く使ひなして、格物学をNatural Philosophy 或はPhilosophy of Mechanical など言へり」

*明六雑誌‐一六号〔1874〕西学一斑・五〈中村正直訳〉「格物学、百工諸術の学、分離学、医学、農学等は形而下に属す」

*斯氏教育論〔1880〕〈尺振八訳〉一「又音・熱・光・電気等の如き格物学上の実事は」


かくぶつ‐ちち 【格物致知】
解説・用例

〔名〕

(「大学」の「致知在格物」から)

理想的な政治をするための第一と第二の段階。知を完成するには、物の理をきわめつくさねばならないこと。「致知」とは、朱子によれば、自分の知識を極限にまで推し広めること。王陽明によれば、自然な心情、本来的な心のはたらきを徹底的に発現させること。格致。

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