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動詞の自他

2013-06-11 | 日本語百科
自動詞はなぜ自動詞というか、他動詞はなぜ他動詞というか、この基本的な問いを出すとこれに答えられない。なにが難しいかというと、これについての説明は目的語を取ることとか、主格とだけ結びつくこととかから、自動詞ではが格名詞でほかに格を取らないこととか、そういうようなことはわかっているようである。それでよいと言えばよいのであるが、それではその区別は日本語では、が格と、を格の結びつきで区別するというようなことで、基本にかえって自他はどうしてそういうか、問うわけである。フリー百科事典ウイキペディアでは、自動詞(英: intransitive verb)は、目的語を取らない動詞をいう、言語学的には、動詞のうち、項が一つであるものをいう、例外的な動詞を除き、動詞の項としては主語が必須である、と述べる。言語学的な説明とは何か不明であるが、この定義に続く、明示されない言語も多いが実際には存在すると考えられるから、とあるのは日本語にあてはめて考えていい。

この説明を、他動詞の項でみてみると次のようで、むずかしくなる。

>他動詞(英: transitive verb)とは、典型的には、その節の中で目的語をとり、主語から目的語に向かう(あるいは及ぶ)動作を表す動詞。自動詞との関係も含めて、他動詞に関する言語現象一般を他動性 (transitivity) という(角田/Tsunoda 1991, 1999)。Hopper & Thompson (1980) は他動詞文と自動詞文は峻別できず、連続体をなすことを指摘した。

ここで注目するのは多動性ということである。その多動性がなにかを詳しくすると、次のようである。それには10の意味特徴があって段階をなす。

>Hopper & Thompson (1980) によれば、他動性は表で示した10の意味特徴を持ち、それぞれの特徴から他動性の高低が分かる。他動性の高い特徴が見られる動詞ほど他動詞らしく、逆ならば自動詞に近づく。


Hopper & Thompson (1980) の他動性の10の意味特徴
              高い               低い
Participants(参加者) 2人以上:動作主と対象         1人
Kinesis(動作様態、動き)  動作           非動作
Aspect(アスペクト)   動作限界あり       動作限界なし
Punctuality(瞬間性)   瞬間         非瞬間
Volitionality(意図性、意志性) 意図的      非意図的
Affirmation(肯定)   肯定         否定
Mode(現実性)       現実         非現実
Agency(動作能力、動作主性) 高い      低い
Affectedness of O
(被動作性、受影性)   全体的に影響     部分的に影響
Individuation of O
(対象の個体性)   高い         低い
 

この多動性の検討は進められて、

>角田/Tsunoda (1991, 1999) の考えでは、動作が対象に及ぶかどうかのみならず対象が変化するかが重要である

とも言われている。


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