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日本語文法文章論 子豚の銀行

2014-05-11 | 日本語文法文章論
日本語文章の解析である。
話題にピギー・バンクを紹介する。

その姿をイメージすれば貯金箱だと、それと知る。
その受難の日を迎えたというわけだ。

〈きのう/おにいちゃんと/お金を出し合って/ひよこまんじゅうを買って/「いつもありがとう」っていいました/おかあさんは/よろこんでいました/お金がもうありません/また/ためていきます〉

詩の引用が話材となる、朝日新聞コラム、天声人語、20140511から。
母と子の関係を俳人の語を加えて引くが、その思いをとらえるのは、母なのか、母を慕う大人なのか、その母の気持ちをコラム子はわかり得ないと書いているようだ。
少なくもその思いになるには母の見る目を感じる、その日まで。






実は
きょうは
 子豚ちゃんが

詩が

カーネーションが
きょうは
児童は
今年は
今年は

中村汀女(ていじょ)さんが
頃は
汀女さんは

愛が過保護な干渉になることは、昔から多い
母の愛というのは
 平凡が
母亡き人は
人は
 言葉が



大人が思う母の日
2014年5月11日05時00分

 英語のピギー・バンクを直訳すれば「子豚の銀行」になるけれど、実は貯金箱のことをそうやって呼ぶ。豚の形をしたものが多かったのだろう、なかなかかわいい呼び名だと思う。そして、きょうはおそらく、各地で子豚ちゃんがガチャンと割られる受難の日である

〈きのう/おにいちゃんと/お金を出し合って/ひよこまんじゅうを買って/「いつもありがとう」っていいました/おかあさんは/よろこんでいました/お金がもうありません/また/ためていきます〉。福岡県の小2の詩が、去年の本紙地域面に載っていた

花屋さんの軒先にカーネーションがあふれ出て、きょうは母の日。詩を書いた児童は、今年は何をプレゼントするのだろう。いや、ものでなくても、ありがとうの今年は何でもいい

大人になって思い至る母の苦労もある。俳人の中村汀女(ていじょ)さんが書いていた。「親として威張っているというのは表面であって、なんと親は、子供の顔色をうかがって暮らしている……」。そんな胸の内を、子どもの頃は想像もしない

汀女さんは、「子の愛におぼれることのたやすさ、たのしさ。きびしくあろうとすることのむずかしさ」とも書いていた。愛が過保護な干渉になることは、昔から多い

思うに母の愛というのは平凡がよく、平凡の内にこそ深みを湛(たた)えている。母亡き人は天上からのまなざしを感じる日かもしれない。人は幾つになっても親の子ども。日本語に追慕という美しい言葉があるのを、幸いに思う。

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