よろしく は、よろしい という語を、副詞に用いる。
宜しい を宛てるので、この漢文訓読の用法から意味内容がかかわると、そうすることが当然であったり、必要であったりするさまを表わす語を用いていることになり、ぜひとも、必ず、と同じになる。
ただし、宜字を、よろしく…べし と読む場合であるので、そうした使い方は文体によるところとなった。
それをまた、その場の成り行きや雰囲気に適合するようにするさまを表わす語として使われる。
よいほどに、ほどよく、適当に、となるので、よろしく と聞いただけで、その挨拶の意味はどうであろうかと考えてしまう。
挨拶にはさらに、人に好意を示したり、何かを頼んだりする、という解説があるので、難しい使い方になる。。
デジタル大辞泉
よろしく 【▽宜しく】
[副]《形容詞「よろしい」の連用形から》
1 ちょうどよいぐあいに。程よく。適当に。「―取り計らってくれ」「今ごろあの二人は―やってるよ」
2 人に好意を示したり、何かを頼んだりするときに添える語。「―御指導下さい」「―お願いいたします」
3 「よろしくお伝えください」の意で、別の人への好意を伝えてもらうときに用いる語。「お父さんに―」
4 《「宜」の漢文訓読語から》(「よろしく…べし」の形で)当然。ぜひとも。「―一層の勉学に励むべし」
5 上の内容を受けて、いかにもそれらしく、の意を表す。「喜劇俳優―おどけてみせる」
日本国語大辞典
よろしく 【宜】〔副〕
(形容詞「よろしい」の連用形から。「宜敷」はあて字)
(1)(漢文訓読で「宜」の字を「よろしく…べし」と読むところから)そうすることが当然であったり、必要であったりするさまを表わす語。すべからく。まさに。ぜひとも。必ず。
*法華義疏長保四年点〔1002〕四「宜しく、之に順同すべしといふぞ」
*太平記〔14C後〕一一・書写山行幸事「恩賞は宜(ヨロシク)請ふに依るべし」
*露国に対する宣戦の詔勅‐明治三七年〔1904〕二月一〇日「朕が陸海軍は、宜く全力を極めて露国と交戦の事に従ふべく」
(2)その場の成り行きや雰囲気に適合するようにするさまを表わす語。よいほどに。ほどよく。適当に。
*自画像〔1920〕〈寺田寅彦〉「絵具の方ですっかり合点してよろしくやってくれるのを」
(3)特に、歌舞伎脚本のト書に用いて、その場にふさわしい適当な演技での意にいう。
*歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)〔1789〕二「二重舞台千嶋正が後ろに、伴蔵、丈助始近習の侍大勢並び、いづれも宜敷」
*歌舞伎・五大力恋緘〔1793〕序幕「両人よろしく有って、思はず源五兵衛と顔見合せて」
(4)好意や案ずる心を他に伝言してもらう時にいう挨拶の語。また、人に何かを頼んだりする時に添える語。
*吾輩は猫である〔1905~06〕〈夏目漱石〉二「乍恐縮かの猫へも宜しく御伝声奉願上候」
*家〔1910~11〕〈島崎藤村〉上・六「何卒、御逢ひでしたら宜敷(ヨロシク)」
*春の城〔1952〕〈阿川弘之〉二・一八「まあ、シスをよろしく願います」
(5)上に記述された内容を受け、いかにもそれに似て、いかにもそれらしくの意を表わす語。
*当世書生気質〔1885~86〕〈坪内逍遙〉九「高麗人(こまびと)よろしくてふ麦藁帽子で、ジット頭を制へつけて」
*浮雲〔1887~89〕〈二葉亭四迷〉二・七「どうした、土左的宜敷(ヨロシク)といふ顔色だぜ」
*雲は天才である〔1906〕〈石川啄木〉一「馬鈴薯に目鼻よろしくといふマダム田島の」
*苦の世界〔1918~21〕〈宇野浩二〉三・二「彼の来るのを籠城ちゅうの援軍よろしくの思ひで待ちこがれたものだが」
宜しい を宛てるので、この漢文訓読の用法から意味内容がかかわると、そうすることが当然であったり、必要であったりするさまを表わす語を用いていることになり、ぜひとも、必ず、と同じになる。
ただし、宜字を、よろしく…べし と読む場合であるので、そうした使い方は文体によるところとなった。
それをまた、その場の成り行きや雰囲気に適合するようにするさまを表わす語として使われる。
よいほどに、ほどよく、適当に、となるので、よろしく と聞いただけで、その挨拶の意味はどうであろうかと考えてしまう。
挨拶にはさらに、人に好意を示したり、何かを頼んだりする、という解説があるので、難しい使い方になる。。
デジタル大辞泉
よろしく 【▽宜しく】
[副]《形容詞「よろしい」の連用形から》
1 ちょうどよいぐあいに。程よく。適当に。「―取り計らってくれ」「今ごろあの二人は―やってるよ」
2 人に好意を示したり、何かを頼んだりするときに添える語。「―御指導下さい」「―お願いいたします」
3 「よろしくお伝えください」の意で、別の人への好意を伝えてもらうときに用いる語。「お父さんに―」
4 《「宜」の漢文訓読語から》(「よろしく…べし」の形で)当然。ぜひとも。「―一層の勉学に励むべし」
5 上の内容を受けて、いかにもそれらしく、の意を表す。「喜劇俳優―おどけてみせる」
日本国語大辞典
よろしく 【宜】〔副〕
(形容詞「よろしい」の連用形から。「宜敷」はあて字)
(1)(漢文訓読で「宜」の字を「よろしく…べし」と読むところから)そうすることが当然であったり、必要であったりするさまを表わす語。すべからく。まさに。ぜひとも。必ず。
*法華義疏長保四年点〔1002〕四「宜しく、之に順同すべしといふぞ」
*太平記〔14C後〕一一・書写山行幸事「恩賞は宜(ヨロシク)請ふに依るべし」
*露国に対する宣戦の詔勅‐明治三七年〔1904〕二月一〇日「朕が陸海軍は、宜く全力を極めて露国と交戦の事に従ふべく」
(2)その場の成り行きや雰囲気に適合するようにするさまを表わす語。よいほどに。ほどよく。適当に。
*自画像〔1920〕〈寺田寅彦〉「絵具の方ですっかり合点してよろしくやってくれるのを」
(3)特に、歌舞伎脚本のト書に用いて、その場にふさわしい適当な演技での意にいう。
*歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)〔1789〕二「二重舞台千嶋正が後ろに、伴蔵、丈助始近習の侍大勢並び、いづれも宜敷」
*歌舞伎・五大力恋緘〔1793〕序幕「両人よろしく有って、思はず源五兵衛と顔見合せて」
(4)好意や案ずる心を他に伝言してもらう時にいう挨拶の語。また、人に何かを頼んだりする時に添える語。
*吾輩は猫である〔1905~06〕〈夏目漱石〉二「乍恐縮かの猫へも宜しく御伝声奉願上候」
*家〔1910~11〕〈島崎藤村〉上・六「何卒、御逢ひでしたら宜敷(ヨロシク)」
*春の城〔1952〕〈阿川弘之〉二・一八「まあ、シスをよろしく願います」
(5)上に記述された内容を受け、いかにもそれに似て、いかにもそれらしくの意を表わす語。
*当世書生気質〔1885~86〕〈坪内逍遙〉九「高麗人(こまびと)よろしくてふ麦藁帽子で、ジット頭を制へつけて」
*浮雲〔1887~89〕〈二葉亭四迷〉二・七「どうした、土左的宜敷(ヨロシク)といふ顔色だぜ」
*雲は天才である〔1906〕〈石川啄木〉一「馬鈴薯に目鼻よろしくといふマダム田島の」
*苦の世界〔1918~21〕〈宇野浩二〉三・二「彼の来るのを籠城ちゅうの援軍よろしくの思ひで待ちこがれたものだが」