日本語文法議論23897
成句の説明に、2語以上の結びつきが習慣的に固定し、ある決まった意味を表す句、と広辞苑に見える。また、 古人の作った詩文の句で、よく知られているもの、とある。
人間到る所青山あり
腹を割る 目が高い
この例のように、言葉を使う上では、おおかたの共有するところである。
成句(和英)
an idiomatic phrase;a set phrase.
成句 の類語
簡略されているが記憶すべき言いならわしで、多くの人々が真実と考える経験上の重要な事実を表している の意
名言 俚諺 諺 里諺 金言 格言 箴 俗諺 諺語 箴言
成句の用い方を見ると、
一方で、慣用句として、イディオムというカタカナ語に並べられるが、フレーズとしてとらえるよりも意味的な結びつきを持つ。
慣用句 の類語
構成している語だけでは意味が推論できないような表現 の意
慣用語句 イデオム イディオム フレーズ
以上は、日本語ワードネット goo辞書 による。
1.1 (c) 2009-2011 NICT, 2012-2015 Francis Bond and
2016-2020 Francis Bond, Takayuki Kuribayashi
成句の表現をさらに区別する、成語 という言い方がある。故事成語という。
これはまた、成句とはどう違うか。
さきの広辞苑では、次のように見える。
古人がつくり、後人によく引用される語句。成句。「故事―」
(→)熟語に同じ。
ここで、熟語との言葉が示されて、成句、成語、熟語と、その意味内容の違いに、日本語では区別しがたくなる。
故事成語に至って4字熟語と言う向きもあり、本来的に、句 と言うときの、成句などとなる捉え方が日本語には明らかではない。
そのように人々が使って思ってきていることがあるので、そのようにと、そう思ってきているとは何か。
まず、成句というのは、ことわざ、金言などによるもの、慣用句というのは、さらに俚諺に見るような表現から語の連接で連後になっている言い回しまでを含む。さらに、古典漢文で取り入れた漢字によるひとまとまりの意味内容を持つ、あるいは語の熟語となってその背景にある故事を踏まえた意味のまとまりを理解するもの、それをまた熟語のとらえ方をしてしまったので、熟語についての用法にも影響している。翻って、そのおおもとにある表現法による、これらにあるのが句なのである。
成句と成語、熟語と連語、慣用表現とイディオム、そして句に対する文、文法機能、表現法にわたってとらえなおすべきである。