語は語論としてあり、それはいまでいう、文法論を意味していた。語論があれば、詞と辞と、語にかかわる用語があって、それもまた文法にかかわる。詞の論、辞の論があってよいけれど、それはまた詞辞論ともなり得るし、詩があり、文章があり、それは文学として著わされた、表現について言葉の単位をわけることになる。語論と言うのはいつごろからか、文論が意識されてのことであれば、文法となる概念が捉えられてからのようでもある。それは、語論が文法研究の一分野として、単語の構成、活用、品詞性など種々の文法的な働きについて研究するものというふうに、辞書で解説する。あるいはまた、言語の一つを語として、日本語論と言ったりする、語それ自体の起源や構造、変遷について論じるものというふうなことになる。文字における語の字義のよるところであるが、語論を文法論の位置づけたのは、やはり、次の議論に拠ることになる。 . . . 本文を読む
語について記すと入力して、誌す、と表記したかったが、変換ができなかった。読みにはないのだろうか。goo辞書にはこれを見出し項目で揚げる中に表記する。コトバンクには形容詞の、しるし、と同源と記載し、また徴すを挙げている。ロゴスには同音異義に、印す、標す、記す、誌す、印す、標す、記す、誌す、などとある。さてその語について記すとなる、語誌について、語誌、語志、語史と表記して、まとめてしまっているのは、ある言葉の起源や意味、用法などについての変遷を書いたもの、と語釈する。そこで、語誌については辞書の凡例によるとよい。デジタル大辞泉を挙げる。それによれば、語源と語誌を、見出し語のあとに必要に応じて説明するとある。この項目説明では、語源に拠るところがあって、語の成り立ち、その由来を示している。目次には、語の記述の方針を詳しくするところがあって、語誌を広くとれば一つ一つの、この内容になる。 . . . 本文を読む
用語を術語として専門用語に表現語彙、理解語彙がある。
いずれもわたしたちが日常に使う語のことである。
これは計測が困難である。知る単語の数を挙げよと言われて、日本語ではと数えはじめて、あなたが知っている語彙のうち、その単語の数はいくらですかと聞かれるようなもので、記憶と記録を語彙調査するわけにいかない、それを成し遂げられるものではないからである。
しかし、おおよそのことであるなら、その凡そがまた、おおよそに過ぎないので、いい加減なことであるが、中には辞書を片手に調べ始めたようなこともある。
収載語彙数に対して自らが知る語をカウントして、どれくらいの単語量があるかというのチェックしていけばよい。
英単語ならそういうことを経験することもあるだろう。
そこに、日本語を確かにする方法として、国語の辞書は漢字記載があればほとんど理解をしてしまうことのできる日本語はどうすればチェックできるか、と言うので、和英辞典を項目にして、ローマ字表記の単語を、日本語としての単語数、その理解を計測するということをした人がいるようだ。 . . . 本文を読む
語彙の全数調査となると、そこには、単語の総量を計ることになるので、言語資料を対象に全てを調べるということである。統計処理でその語彙調査の項目が多ければ多い程結果がわかりよいということではないけれど、全数であれば、それは資料をつぶさに見るということである。古典作品の基礎語彙はそうして出来上がった経緯がある。作品ごとの総索引はその全数にあたる自立語付属語の索引を持っていた。それはまた、作品を対象として範囲を限ることであるので、物語の54帖という長編で大部の源氏物語のようになると、大変なようで、古典文学の文献にほどこされた研究はそれなりの成果が上がっている。収められた索引は一方で、校異源氏のような諸本の対校を持っていたし、その語彙項目の切り方には、源氏作者の語りにある造語、歌言葉の文章と創作という難しさもあった。その索引をよりよく使うためには、源氏物語新釈用語索引を用いて、それは対校本であったので、2大本文の系統を見ることができ、それをまた全集本
大系本などとページをたどって、本文をとらえようとしたのであった。 . . . 本文を読む
日本語語彙論として、リマインダーの記事をここに、再録してみよう。ちょうど1年前の日付である。 日本語語彙論 基本、基礎、基幹
2013-10-15 22:10:23 | 語と語彙 日本語語彙論 語彙調査2
2013-10-16 13:07:05 | 語と語彙 . . . 本文を読む
ひとくちに語彙調査と言うが、それは全数調査を示すか、標本調査をさすか、また自立語調査か、付属語調査を含めてか、記録媒体はなにによるのか、というふうに、それに加えての、調査方法と調査範囲の設定が、調査項目自体にある重要なポイントになる。語彙の定義によって、調査対象が、範囲を持ってとらえられると、それは言語資料にそれぞれよることになるし、その言語の収集にもよることになって、コーパス利用としての根本にある収集方法と分析による抽出の問題を見ることにもなる。語彙調査はさまざま試みがあって、そこに統一して、語彙としての項目の基準が設定されるかどうかは、その結果を左右することになる信頼性のことがらとなる。統計処理は誤差の範囲をとらえてのことになるので、項目自体の単位のとらえ方によっては大まかではあるが共通する現象を見ていることになるだろう。さて、わかりやすく実験的な語彙調査をしてみることで、大掛かりな計算をしての調査を見通すことができるようになる。その調査における内容が、延べ語であるか、異なり語であるか、示された数量を全体量として、言語の資料の総量とするのは何であるか、ときに資料総体と言う場合があって、語彙調査を使用頻度によって一覧をしたりする。 . . . 本文を読む
語彙論につき、基本語彙、基礎語彙にふれて、さらに基幹語彙があるので述べる。基礎と、基本を語義として同じように見るか、基礎語彙、基礎語、基本語彙として術語と見るか、それはその用語の定義で変わってくる。そうして、基礎があり基本があるなら基幹があってもよいと、いくつかの用語とともに示されたものである。この用語は、その語定義を受けて実際に議論があるが、そのはじめには、いくつかの用語として林四郎氏から提案された。幅が広く深さが深いものという解説であったが、基本語彙を分野ごとに抽出し、それを共通させるというようなことだった。すなわち、経済分野での基幹語彙、社会分野でのもの、政治分野でのものなど、それぞれの語彙を抽出し、分野にわたっていれば広く、頻度が高ければ深いということである。 . . . 本文を読む
語彙を選定し教育語彙、学習語彙とすることがさきに行われた。それを語学用の、言語習得の基礎語彙として選定したものである。それは学習に必要な、日常の生活に必要という基準がつくられたのであるが、その内実は、基礎と称するものを集めたということであった。本来、基礎にはその重要性から見てそれぞれの選択基準があってもよい。ちなみに、日本語を選ぼうとするなら、わたしたちは現代日本語の語彙はカタカナ語を多く含むこととなるだろうことをよく知るから、漢字を熟語として単語にする語彙に加えて、カタカナとその翻訳、言いかえによる平仮名の語彙のことなど、数量を限定するとその語の出入りによって、漢字、カタカナ、平仮名とそれぞれの単語を登録してしまうことになる。つまり通常の3倍になるというような仕儀である。それを研究、学者の経験と知識など、その主観に任せるのではなくて言語資料を基に決めようとして算出されたのが基本語彙のとらえ方である。 . . . 本文を読む
基礎はある物事を成り立たせる、大もとの部分、という。もとい、ともある。基礎を固める、基礎知識、とする辞書義である。それに対して、基本は判断・行動・方法などのよりどころとなる大もと、と、基礎を類語にしている。基本と基礎の違いは何か。用法の説明では、よりどころとなるものとして基本の語義を掲げる。どうも、基本にはなんらかの、判断、方法があることになる。ただ、基礎はより具体、実践の物事にあるものを指して言う。建築などで基礎構造と基本構造で意味するところがことなろう。さてその基礎語彙についてであるが、すでに、学習の基礎となる、あるいは、日常の使用に不便のない、必要な単語として規定されてきた。その基礎の選定には学者また研究者の作業があったようである。すると、この基礎語彙の選定が行われて、そのうえで、基本語彙にかかわる説明が加わってきたような経緯がありそうである。基礎語彙に、基本語彙のとらえ方があれば、それは学習語彙としては明確なものになる。 . . . 本文を読む
語彙論は言語資料の語を統計し処理をして、いくつもの成果を上げている。その語彙のとらえ方のもとにあるのは、語彙項目、それは単語を数えるということなので、ふつうに数えられないと思ってしまう語の数を統計によって確定する。語彙論で用いられる語彙の定義が辞書義にも現れて説明がわかりやすくなった。その中で基本語彙という用語を明らかにしている。辞書によって、日常の言語生活に必要で、使用頻度の高い単語の総というふうに、その説明に、使用頻度、単語の総体という解説がなされている。さらには、通常の社会生活を維持するために必要な単語の総体とするのは、言語資料によることなので、いずれの場合も基本語彙のことを日常生活に必要とするのはよく考えなければならない。 . . . 本文を読む