基礎はある物事を成り立たせる、大もとの部分、という。もとい、ともある。基礎を固める、基礎知識、とする辞書義である。それに対して、基本は判断・行動・方法などのよりどころとなる大もと、と、基礎を類語にしている。基本と基礎の違いは何か。用法の説明では、よりどころとなるものとして基本の語義を掲げる。どうも、基本にはなんらかの、判断、方法があることになる。ただ、基礎はより具体、実践の物事にあるものを指して言う。建築などで基礎構造と基本構造で意味するところがことなろう。さてその基礎語彙についてであるが、すでに、学習の基礎となる、あるいは、日常の使用に不便のない、必要な単語として規定されてきた。その基礎の選定には学者また研究者の作業があったようである。すると、この基礎語彙の選定が行われて、そのうえで、基本語彙にかかわる説明が加わってきたような経緯がありそうである。基礎語彙に、基本語彙のとらえ方があれば、それは学習語彙としては明確なものになる。
すでにこのブログで触れてきたところがある。
http://blog.goo.ne.jp/gooksky/e/dce4f1098fbcb96cc93f825193fa17cf
日本語語彙論 基本、基礎、基幹
2013-10-15 22:10:23 | 語と語彙
この基礎語彙は、基礎語、といように用いることがある。それは、ベーシック英語、ベーシック・イングリッシュ、Basic Englishと呼ばれる、イギリスの心理学者、言語学者のチャールズ・ケイ・オグデンによって考案された基礎語850語とその使用ルールのことである。文法は英語の文法を簡略化したもので、少ない単語で全ての事象を表現するという説明がある。
あるいは言語年代学で、基礎語彙を述語としている。
リタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説にある、言語年代学 glottochronology では、
>言語における基礎語彙が,一定の意味の枠からとらえた場合、どの言語でも一般にほぼ一定の速度で入替るということが、経験的に明らかになりつつあるので、逆に基礎語彙を統計学的かつ言語学的に研究することにより、同系語が祖語から分裂した年代を探ったり、親族関係の解明の一つの手掛りにしたりしようとする学問。
とある。
学校教育では、古典基礎語という用語が使われる。また、日本語教育には、外国人用地震災害基礎語彙100 という選定がある。
「やさしい日本語」版基礎語彙100
human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ100go-top.html
外国人用地震災害基礎語彙100」の概要はこちらから見ることができます。 ○ リストでは、左側の枠に語彙を載せ、右側の枠に「やさしい日本語」に言い換えた表現を載せています。 「やさしい日本語」のラジオ案文、掲示物などを作成する際は、「やさしい日本語」 ...
デジタル大辞泉の解説
きそ‐ごい 〔‐ゴヰ〕 【基礎語彙】
ある言語の学習に基本となる語彙。また、人間の言語に共通して不可欠と思われる語彙。土居光知の選び出した1100語の「基礎日本語」、オグデンらの選び出した850語の英語のBasic Englishが有名。
大辞林 第三版の解説
きそごい【基礎語彙】
一つの言語において,最低限これだけを知っていれば日常の用を便ずることができるとして選び出された単語の総体。オグデンが選定した Basic English 八五〇語が有名。土居光知は日本語で一一〇〇語を選び「基礎日本語」と名付けている。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
基礎語彙
きそごい
basic vocabulary
語彙のうちで,日常使用される頻度の高いものをいう。基本語彙ともいう。人体の各部の名,親族名称,日常の衣食住に関する単語,ありふれた自然界の事物に関する単語,数詞,代名詞,副詞,接続詞などがこれに入る。
ジタル大辞泉の解説
き‐そ 【基礎】
1 ある物事を成り立たせる、大もとの部分。もとい。「―がしっかりしているから、上達が早い」「―を固める」「―知識」
2 建造物の荷重を支持し、地盤に伝える最下部の構造物。地形(じぎょう)・土台など。
[用法]基礎・基本――「中国語を基礎(基本)から勉強する」「生活習慣の基礎(基本)を身につける」などの場合は相通じて用いられる。「社会繁栄の基礎」「会社の基礎を固める」などは「基本」では言い換えられない。◇「基本」は物事の根本、よりどころとなるものをいう。「基本法」は他の法律のよりどころとなる憲法などをさす。「法律の基礎」というと、法を支える考え方・思想の意味が強い。
デジタル大辞泉の解説
き‐ほん 【基本】
判断・行動・方法などのよりどころとなる大もと。基礎。「―の型」「―を身につける」「―に忠実な演技」
→基礎[用法]
英語:foundation、basis
基礎 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/基礎
>基礎 (きそ、Foundation) は構造物からの力を地盤に伝達し、構造物を安全に支える機能をもつ構造である。下部構造(かぶこうぞう)とも呼ばれ、それに対して建築物本体を上部構造と呼ぶ。また、構造物の基礎を作る工事を基礎工事と呼ぶ。
>基盤、根底、基底、基幹、基部、大根
基礎語彙と基本語彙 - 日本語教師のページ 用語検索マンボウ
www.nihongokyoshi.co.jp/manbow/manbow.php?id=873&TAB=1
基礎語彙と基本語彙
言語一般<日本語の構造>
日常ふつうのことがらをすべて表現するために、あらかじめ総数の枠を設定して、人為的に選びだしたものを基礎語彙という。主観的、演繹的な語彙のリストになる。
一方、基本語彙は既存の特定の語彙資料を対象に、主観をできるだけ排除して語彙調査を行い、これに基づいて選んだ一定数の高頻度語のことである。客観的かつ帰納的なものといえる。
世界大百科事典内の言語年代学の言及
【基礎語彙】より
…これにならい日本では英文学者の土居光知が1933年,《基礎日本語》(1000語,のち100語追加)を発表した。 これとは別に,アメリカの言語学者スワデシュMorris Swadesh(1909‐67)は1950年に〈基礎語彙〉の名を用いて,彼のいわゆる〈言語年代学glottochronology〉における核心的語彙,すなわち,社会的激変によってもあまり変動しない部分をさし,これは言語の差異にもかかわらず変化の速度が一定であるとの仮説を立てた。これは日本語などについても応用・検証されたが,なにを基礎語彙とみなすか,また比較言語学で同系性が証明されない言語間に,この方法を応用してよいかどうか疑問がもたれている。
すでにこのブログで触れてきたところがある。
http://blog.goo.ne.jp/gooksky/e/dce4f1098fbcb96cc93f825193fa17cf
日本語語彙論 基本、基礎、基幹
2013-10-15 22:10:23 | 語と語彙
この基礎語彙は、基礎語、といように用いることがある。それは、ベーシック英語、ベーシック・イングリッシュ、Basic Englishと呼ばれる、イギリスの心理学者、言語学者のチャールズ・ケイ・オグデンによって考案された基礎語850語とその使用ルールのことである。文法は英語の文法を簡略化したもので、少ない単語で全ての事象を表現するという説明がある。
あるいは言語年代学で、基礎語彙を述語としている。
リタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説にある、言語年代学 glottochronology では、
>言語における基礎語彙が,一定の意味の枠からとらえた場合、どの言語でも一般にほぼ一定の速度で入替るということが、経験的に明らかになりつつあるので、逆に基礎語彙を統計学的かつ言語学的に研究することにより、同系語が祖語から分裂した年代を探ったり、親族関係の解明の一つの手掛りにしたりしようとする学問。
とある。
学校教育では、古典基礎語という用語が使われる。また、日本語教育には、外国人用地震災害基礎語彙100 という選定がある。
「やさしい日本語」版基礎語彙100
human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ100go-top.html
外国人用地震災害基礎語彙100」の概要はこちらから見ることができます。 ○ リストでは、左側の枠に語彙を載せ、右側の枠に「やさしい日本語」に言い換えた表現を載せています。 「やさしい日本語」のラジオ案文、掲示物などを作成する際は、「やさしい日本語」 ...
デジタル大辞泉の解説
きそ‐ごい 〔‐ゴヰ〕 【基礎語彙】
ある言語の学習に基本となる語彙。また、人間の言語に共通して不可欠と思われる語彙。土居光知の選び出した1100語の「基礎日本語」、オグデンらの選び出した850語の英語のBasic Englishが有名。
大辞林 第三版の解説
きそごい【基礎語彙】
一つの言語において,最低限これだけを知っていれば日常の用を便ずることができるとして選び出された単語の総体。オグデンが選定した Basic English 八五〇語が有名。土居光知は日本語で一一〇〇語を選び「基礎日本語」と名付けている。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
基礎語彙
きそごい
basic vocabulary
語彙のうちで,日常使用される頻度の高いものをいう。基本語彙ともいう。人体の各部の名,親族名称,日常の衣食住に関する単語,ありふれた自然界の事物に関する単語,数詞,代名詞,副詞,接続詞などがこれに入る。
ジタル大辞泉の解説
き‐そ 【基礎】
1 ある物事を成り立たせる、大もとの部分。もとい。「―がしっかりしているから、上達が早い」「―を固める」「―知識」
2 建造物の荷重を支持し、地盤に伝える最下部の構造物。地形(じぎょう)・土台など。
[用法]基礎・基本――「中国語を基礎(基本)から勉強する」「生活習慣の基礎(基本)を身につける」などの場合は相通じて用いられる。「社会繁栄の基礎」「会社の基礎を固める」などは「基本」では言い換えられない。◇「基本」は物事の根本、よりどころとなるものをいう。「基本法」は他の法律のよりどころとなる憲法などをさす。「法律の基礎」というと、法を支える考え方・思想の意味が強い。
デジタル大辞泉の解説
き‐ほん 【基本】
判断・行動・方法などのよりどころとなる大もと。基礎。「―の型」「―を身につける」「―に忠実な演技」
→基礎[用法]
英語:foundation、basis
基礎 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/基礎
>基礎 (きそ、Foundation) は構造物からの力を地盤に伝達し、構造物を安全に支える機能をもつ構造である。下部構造(かぶこうぞう)とも呼ばれ、それに対して建築物本体を上部構造と呼ぶ。また、構造物の基礎を作る工事を基礎工事と呼ぶ。
>基盤、根底、基底、基幹、基部、大根
基礎語彙と基本語彙 - 日本語教師のページ 用語検索マンボウ
www.nihongokyoshi.co.jp/manbow/manbow.php?id=873&TAB=1
基礎語彙と基本語彙
言語一般<日本語の構造>
日常ふつうのことがらをすべて表現するために、あらかじめ総数の枠を設定して、人為的に選びだしたものを基礎語彙という。主観的、演繹的な語彙のリストになる。
一方、基本語彙は既存の特定の語彙資料を対象に、主観をできるだけ排除して語彙調査を行い、これに基づいて選んだ一定数の高頻度語のことである。客観的かつ帰納的なものといえる。
世界大百科事典内の言語年代学の言及
【基礎語彙】より
…これにならい日本では英文学者の土居光知が1933年,《基礎日本語》(1000語,のち100語追加)を発表した。 これとは別に,アメリカの言語学者スワデシュMorris Swadesh(1909‐67)は1950年に〈基礎語彙〉の名を用いて,彼のいわゆる〈言語年代学glottochronology〉における核心的語彙,すなわち,社会的激変によってもあまり変動しない部分をさし,これは言語の差異にもかかわらず変化の速度が一定であるとの仮説を立てた。これは日本語などについても応用・検証されたが,なにを基礎語彙とみなすか,また比較言語学で同系性が証明されない言語間に,この方法を応用してよいかどうか疑問がもたれている。