読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

訓練で臨死体験が出来るようになる?

2009-03-19 09:41:05 | 読書

山口県宇部市の七十歳になる小森浩さんは自分で自分の体をコントロールして臨死状態になり臨死体験と同じ体験をする事が出来るようになったそうだ。初めに一週間ほど断食をし、天井を向いてあお向けに寝る、そして自分の意志で息を吸っても吐かないようにして次第に呼吸を止めていくのだと言う。これが出来るようになるまでに十年ほど掛かったと言っている。これにより胃の動きが止まり、腸の蠕動も止まり、心臓だけが動いていると言う状態になる。すると「太陽の何倍もの白光」が見え、体外離脱が起こり、自分の体が二つに分かれて一方は上昇していくのだと言う。「天に登って行く。天井も屋根も何の抵抗も無く抜けて上がって行きます。春夏秋冬が一時に現れた下界が見えます。天女も居ます。」と話している。立花隆著「臨死体験」上巻から

臨死体験は今昔物語にも

2009-03-18 09:43:41 | 読書

立花隆がNHKで臨死体験をテーマにした番組を作ったときにその番組に出演した仏教思想史の専門家で臨死体験の研究者でもある当時京都大学の教授カール・ベッカー氏によれば臨死体験の事例が日本の歴史的文献に多く登場するそうである。臨死体験はやはり古くからあったのだ。「日本霊異記」は上中下の三巻の仏教説話集で日本各地の珍しい話を集めたものである。七話ほどの臨死体験が記されている。平安初期の今昔物語、鎌倉時代の「宇治拾遺物語」にもこの体験が多く出て来るとベッカー氏は立花氏に教えたそうである。

最近多いスパムメール

2009-03-17 14:33:30 | Weblog

最近、スパムメールが多くて困っている。メールが50通有るとすると、30通以上がスパムなのだ。色々な事をやって見たが結局は駄目のようで、いまは一通、一通削除している。荷物を送るとき、その中に緩衝材として入れる細かい空包の沢山付いたプラスチックのシートが有るが、その空包を一つ一つ潰してストレスを解消すると言う事が有るが丁度、そんな気持ちでスパムメールを一つ一つ潰している。却ってこれはストレス解消になっているかも、と思う。

人類最初の埋葬神話

2009-03-14 09:20:12 | 宗教

デイビッド・ゴールドシュタイン「ユダヤの神話伝説」(青土社)から
アダムとイブの長男カインは次男のアベルを殺してしまった。人類最初の殺人である。アベルの死は人類最初の死で有った訳でカインもその両親のアダムもイブもアベルの遺体をどう処理してよいか解らなかった。そのとき飛んでいたカラスの群れの中でカラス同士で喧嘩が有り、一羽が死んだ。死んだカラスを仲間のカラスが嘴で穴を掘り埋めた。それを見たアダムはアベルの遺体を同じように穴を掘り埋めたと言う伝説が有る。従って、これもまた人類初の埋葬が行われた事になると言う。

臨死体験と浄土

2009-03-12 10:59:49 | 読書

立花隆の「臨死体験」を読んでいる。立花氏はNHKとの協力で臨死体験についての取材を全国的にし、外国についても調べた事が有った。その取材内容はとてもNHKのスペシャル番組の時間内に収まるものではなく、出来た番組については不満が残ったそうだ。何れにせよ臨死体験についての膨大な取材メモを見るとそこに共通するのは明るい光を見たこと、綺麗なお花畑を見たこと、綺麗な水の流れる川が有ってその中に綺麗な小石などが見られた事、自分の体が頭から抜け出し、頭と体から抜け出た自分とが糸で繋がっていたなどで体験した人に依って多少の違いは有るが、それらの事が共通してあったと言う事だ。
綺麗な光が差し、気持ち良く、綺麗な花が咲いていたなどは浄土真宗で読まれる阿弥陀経の内容そっくりではないかと思った。釈迦も臨死体験をしたのか、或いはそうでなくとも悟りの結果その世界を知ったのか、判らないが多くの人達の臨死体験の話が浄土の景色に良く似ている事が判った。

ふくみ資産

2009-03-11 10:00:22 | 新聞

アメリカ発の急激な不況が世界を襲っている。派遣切りはもちろん、正社員もその地位が危ぶまれている。これらの社員たちを企業は持っている含み資産を取り崩してでも救うべきであろう。
日本の大手企業は信じられないほど巨額の含み資産を持っているのだ。丸の内の三菱銀行本店は時価一兆円と言われる土地の上に建っているが、その土地の帳簿価格は何と僅か四百万円だと言う。田町のNEC本社ビルの土地の帳簿価格は二十万円と言うから驚く。日本の企業会計は資産の帳簿価格は購入時の価格に拠っており地価の高騰により膨大な含み資産となっていてもバランスシートにはそれが反映されていない。これを労働者救済に利用すべきであろう。

原田実著「黄金伝説と仏陀伝」から

2009-03-10 14:24:38 | 読書

「黄金伝説」はキリスト教の聖者伝説を集めた書物で、ここには多くの聖者が登場し、それぞれの聖者が信仰の対象になったり記念の祭りが行われたりする。その書の一章ごとにそれぞれの聖者の伝説が書かれているがその中に仏陀の伝説も有ると言う事だ。その中のインドの聖者ヨサバトの伝説がシッダルタのものとほぼ同一だそうである。文献の研究により仏陀伝説がその「黄金伝説」へ混入した事が照明されローマ法王庁はヨサバトを聖人の地位から除去した。ついでながらヨサバトとはボーディサットバァの訛りだと言う。日本語で菩提薩埵、略して菩薩である。

派遣社員雑感

2009-03-08 11:14:34 | 新聞

派遣社員切りが問題になっている。派遣社員とは私は専門の知識が有り、技術が有る人が各企業に派遣される人達の事だと思っていた。1985年の中曽根首相の頃、労働者派遣法と言う法律が有った。賃金が高く、再就職も容易な新しい働き方を日本に導入する事を理想としたもので通訳など専門の知識や経験を必要とする十三の業務に限定されていた。そのままなら今日のような社会門題は起こらなかった。1999年この法律が規制緩和の名のもとに改正されたのである。これにより派遣は原則自由となり単純労働にも適用されるようになった。結果、賃金も低く抑えられ、何時職を失うか判らない現実になってしまったのである。

ハトがピカソとモネを見分ける?

2009-03-06 15:08:11 | 読書

立花隆著「ぼくはこんな本を読んできた」文藝春秋社から
慶応大学の渡辺茂教授がこんな実験をしたそうだ。
ハトの脳に関する実験で、ハトにピカソとモネの絵を見分けさせると言う。
ハトにピカソとモネの絵を夫々10枚ずつ見せる。ハトをピカソを見るグループとモネを見るグループに分け、ピカソグループのハトにはピカソの絵を、モネグループのハトにはモネの絵を見せ、見たときにケージの窓をつつき、つついたときに餌を貰えるように訓練しておく。二週間ほどの訓練で90%のハトがこれらの見分けがつくようになったと言う事である。更に驚くべき事はモネグループのハトはセザンヌやルノアールと言う印象派の画家に反応し、マチスのグループはブラック、マチスの前衛派の絵に反応したと言う事である。こちらは絵を逆さまにして見せても反応し、前者は逆さにすると反応は激減したと言う事だ。

「人」と言う漢字

2009-03-04 10:15:40 | 漢字

「活字中毒のモモちゃん」と言う人が書いているメルマガでの話。
高校のとき、部活が辛く、女子部員全員で退部したいと顧問の教師に申し出たとき、先生は言った。
「お前たち、『ひと』という字はどう書くか知っているか?」
先生はチョークで黒板に字を書きながら
「こうやって、支えあうカタチが人なんだ。だから、みんなで
励ましあってがんばろう」と言われ丸め込まれたのだそうだ。ところがそこに書かれた文字が「入」になっていて集まっていた女子部員全員の目が点になったそうだが、何れにせよ、人と言う漢字は支えあっている事を表す文字ではない。人そのものの象形なのである。この事を知っていれば先生に丸め込まれなかったかも。象形文字のフォントがないので書けないが「活字中毒のモモ」さんには岩波新書「漢字」白川静著をお勧めする。ついでに顧問の先生にも。