読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

栄西の「喫茶養生記」で

2009-03-01 10:21:30 | 読書

先日、NHKの番組で鬱病に関する内容が放送されていた。処方された薬で効果が出なければ、患者はますます薬を増やされ、結果、副作用で益々症状が悪化していると言う事である。良識の有る医師によりそれらの薬を減らし、又は服用の中止を指導された患者は、病状が軽快したと言う内容であった。鎌倉時代の禅僧、栄西の「喫茶養生記」の中に以下のような文章が有った。
「病相を詢(と)うに人無く、徒らに患ひ徒に危きなり。治方を請ふにも悞(あやまり)有り。」
「偸(ひそか)に聞く、今世の医術は則ち、薬を含みて、心地を損ず、病と薬と乖(そむ)くが故なり。」
つまり、医者の診断が間違っていて、薬の処方も病気に対応しておらず却って患者の命を危険にさらしていると言っているのである。
こんな事が鎌倉の時代からも有ったと言う事だ。
医者も古典を読んだ方が良いのでは?