読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

第四列目の男、管氏

2011-07-27 09:02:25 | 読書
『国家の実力 危機管理能力のない国は滅びる』[1]という本がベストセラーになっていると言う。佐々淳行氏が、渡部昇一氏を聞き役に「日本をこのままにしておいてはいけない」と、思いのたけを語った本だ。発売一週間で1万部を突破し、amazonのノンフィクション分野で1位となっている。

 早速読んでみたが、政治とは国民を護るためのものなのに、それが全くできない菅政権の本質が明らかにされており、佐々氏の公憤と憂国の思いが迫ってくる。

 それに拠ると、菅首相は、かつて学生運動の中心人物であり、大変なアジテーターだったという。演説を始めると500人ほどの学生が集まってきて、皆興奮し、闘争的な雰囲気になる。

 その菅氏を当時、警視庁に奉職していた佐々氏は3回も捕まえ損なったという。菅氏は学生を扇動するが、実際のデモ闘争では4列目にいて、前の3列までは警察に捕まるが、乱闘になった途端に菅氏はどこかにいなくなってしまう。ここから、佐々氏は菅氏を「第4列の男」と呼ぶ。
 逃げ足の速いアジテーターが、かつての価値観のまま、首相になってしまったらどうなるのか、その混乱と悲劇の様を我々は今、目にしている。