読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

血判から朱肉へ

2011-07-16 08:16:37 | 読書
現在、商取引で使われている「約束手形」なる名前は文書や証文に
指や手のひら判を押し、経済活動を行ってきた名残ではないかと
言われている。また、昔、男同士が連盟で重大な決意をし約定を
取り交わす場合に、血判状を作り、互いの決意を固めあってきた。
忠臣蔵でも、赤穂浪士四十七名が血判状を残している。
指紋の鑑定法が確立していなかった時代、血判の指紋を照合する事
はできなかったかも知れないが指や掌で証を残すことは、信頼や
信用を得るための不可欠な儀式であったであろう。
今の朱肉の赤い色は血液の赤い色に由来しているのかも知れない。
拇印と印鑑の関係は、重要な決め事は指先を傷つけ、出た血で判
を押すのが始まりだったのではないかと思える。
「指紋は語る」塚本宇兵著PHP出版から