読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「子どもの天国」と「最も教育の進んだ国民」

2011-07-07 08:49:54 | Weblog
 「世界中で日本ほど、子供が親切に取り扱われ、そして子供のために深い
 注意が払われる国はない」と 明治10(1877)年に来日し、大森貝塚を発見した
 学者エドワード・モースは言ったと言う。

 その一例としてモースは目撃した祭りの様子を次のように言っている。

   祭りには、大人はいつも子どもと一緒に遊ぶ。

   提灯や紙人形で飾った山車(だし)を、子どもたちが太鼓を叩きなが
   ら引っ張って歩くと、大人もその列につき従う。

   それを真似て、小さな子も小さな車を引いてまわる。

   日本は確かに子どもの天国である。

 遊びだけではない。

 子供の教育についても、欧米人は目を見張った。

 ロシアの海軍少佐ゴロブニンは千島列島測量中に捕らえられ、文化8(1
811)年から10 (1813)年まで、松前藩で捕虜生活を送ったが、そ
の手記の中でこう記している。

   日本人は自分の子弟を立派に薫育する能力を持ってゐる。

   ごく幼い頃から読み書き、法制、国史、地理などを教へ、大きくなる
   と武術を教へる。

   しかし一等大切な点は、日本人が幼年時代から子弟に忍耐、質素、礼
   儀を極めて巧に教え込むこと・・・

 として、「日本人は天下を通じて最も教育の進んだ国民である」とまで述
べている。

 子供たちを楽しく遊ばせながらも、きちんとした学力や礼儀、忍耐などを
教え込む。

 教育問題に悩む現代日本人から見れば、魔法のような子育てを、我々の
先人は実現していたのである。