読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

指紋学事始

2011-07-12 08:38:43 | 読書
1955年、当時西ドイツで行政・刑事参事官をしていたシュタインベンデル
「西ドイツ連邦刑事局叢書 指紋鑑定法の意義と応用」と言う本を著した。
彼はその中で指紋による個人識別の歴史について述べている。引用すると
「アッシリア及びバビロニアには紀元前2200年ころから粘土板に筆者の名の他にSUPUR
と言う刻印のある記録が残っている。楔形文字研究者はこのSUPURと言う語を
第一関節指紋と解している。この謎の様な鎌状の線の持つ意味について解釈が
分かれた。
(中略)
指紋の線で個人の異同識別の評価をすることについて最も古い記録は東アジアに
ある。現代、世界中で印鑑を押したり、指で捺印しているのは中国と日本ぐらい
である。」

塚本宇兵著「指紋は語る」PHP出版から