読書など徒然に

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インドの携帯電話周波数帯不正割り当て問題、タタ・グループに注目が

2010-12-16 10:14:08 | 新聞
【ニューデリー】インドでは、政府が2008年に行った複数企業への携帯電話向け周波数帯の割り当てをめぐって、激しい議論が展開されている。そうした中、インド最大の財閥、タタ・グループのラタン・タタ会長に世間の注目が集まっているという。

 インド議会のメンバーは今週、公開書簡で、不当に安い価格で周波数帯を割り当てられた企業に、タタ・グループ傘下の携帯電話会社が含まれていたことを明らかにした。インドの会計監査局は、割り当て手続きが一部の企業に有利に働いていたとし、その結果、国庫に数十億ドルの損失が生じた可能性があるとして政府を非難している。

インド上院の無所属議員、ラジーブ・チャンドラセカール氏は、タタ・グループをはじめとする一部の企業は、入札手続きの範囲がそれら企業が使用する無線技術にまで拡大された際、優先的に周波数帯の割り当てを受けたのだと述べた。

 タタ・グループの競合携帯電話会社の元幹部でもあるチャンドラセカール氏は、タタは入札方針の変更で利益を得たとしながらも、タタ会長やタタが不法行為を犯したり、方針変更に不正にかかわったとまでは言っていない。

 タタ会長は9日、世間からの厳しい批判に応じて、優遇を受けたとの疑惑を否定し、自らに対する非難について「いわれのない誹謗(ひぼう)中傷」だと反論した。また、タタは、一部の大都市で必要な周波数帯を取得するのに苦労していると述べた。

 さらに、タタは「適用方針を厳格に順守している上、大きな影響力を持つ一部の通信事業者が政治的つながりを利用して故意に方針を変えさせたことで、極めて不利な立場に追いやられている」と述べた。が彼は、それら通信事業者の具体的な名前については明かしていない。

インドの最高捜査機関、インド中央捜査局(CBI)は、周波数帯の割り当て入札において、官僚や政治家とのコネを利用して不当な優遇措置を受けていた企業があったかどうかについて捜査を行っているとは言うが、この捜査で起訴された企業はまだない。

 汚職が日常茶飯事のインドにおいても、周波数帯割り当てをめぐる疑惑については、一般市民もエリート政治家も一様に怒りをあらわにしている。ミニブログのツイッターやテレビでは、政治家や企業に対して人々の怒りが爆発している。