読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

「異才の改革者 渡辺崋山」 童門 冬二著 PHP出版

2010-12-29 09:11:48 | 読書
現在の愛知県東部にある田原藩に、
渡辺崋山という人物がいた。

崋山が田原藩の家老となった天保の頃は(1830年頃)、
田原藩の財政は破綻寸前で、崋山は藩の財政再建を指導した。

家老でありながら、日本画を描いて
小銭を稼いでいる変わった人でもあった。

崋山の財政再建の手法はオーソドックスに、
ムダな費用を削減し、そこで浮いたお金を競争力のある商品開発に
投資するというものであった。

大蔵永常の農業指導の特性は、「主要食糧である
米の生産だけに限っていてはだめだ」というものだった。
だからかれの指導の主力は、「商品になる作物の栽培」
にウエイトを置いた。

しかし、崋山は、改革の途中で、
幕府を批判した罪で有罪とされ、
さらに謹慎中に日本画を売ったということで
批判され、結局、自害した。