読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

内部告発サイト

2010-12-02 10:38:00 | 新聞
内部告発サイト「WikiLeaks(ウィキリークス)」が公開した米国務省の数十万に及ぶ資料は、国際外交の舞台裏を露にし、世界各国首脳の率直な発言や、アフガニスタンやイラン、北朝鮮などの紛争地域に対して米国が時として用いる圧力外交の詳細を白日の下に晒している。

 ウィキリークスで公開され、欧米の複数のニュース媒体によって報じられた25万を超える機密外交公電には、ドイツやイタリアなどの米同盟国をはじめとする外国首脳による時としてあからさまな発言も含まれている。
 また、長年くすぶり続けている核問題に関する新たな真実も含まれており、イランの核開発計画拡大に対する警戒感や、北朝鮮からの挑発攻撃への長期的解決策として朝鮮半島統一に関する協議が米国内で行われていたことなども詳細に書かれている。

 このほか、サウジアラビアのアブドラ国王がイランの核開発計画を非難するよう米国に繰り返し要求していたことや、中国が米国にサイバー攻撃を仕掛けていたことなども公開された文書から明らかになった。

 国務省は、世界中の人権活動家や米国のテロ対策活動、イランおよびアフガニスタンでの戦いを危険においやる恐れがあるとして、土壇場までウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジュ氏に機密文書を公開しないよう圧力をかけていたも解った。

 また、アサンジュ氏の弁護士は、米政府に対して、文書の公開によって危険にさらされると政府が考えている人物に関する情報提供を要請していたが、国務省の法律顧問、ハロルド・コー氏は27日に送付された書簡で、その要請を拒否したと言う。

 書簡には「当該人物の人命保護を望むとしながら、相反する行為を行い、無数の個人の人命を危険にさらしている。不法に入手した米政府の機密文書のさらなる公開や流布に関する交渉には応じない」と記載されていた。

 米当局によると、ヒラリー・クリントン国務長官は、ドイツ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、フランス、アフガニスタン、中国、英国の各首脳に直接連絡を取って機密公電の公開について警告していた。

 アサンジュ氏は既に、米ニューヨークタイムズ紙、英ガーディアン紙、独デア・シュピーゲル誌に最新の公開文書を提供もしている。

 コー氏はアサンジュ氏宛ての書簡で、ウィキリークスの行為は米国家機密法に違反するものであるとし、「ウィキリークスがそれら資料を保持する限り、法律違反に当たる」としているが。