ある旅人の〇〇な日々

折々関心のあることや読書備忘を記録する

男系天皇

2005年12月06日 | Weblog
武部幹事長が「日本は天皇を中心とした国」と発言したことをマスコミが槍玉にあげている。天皇は憲法で日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であると定義されているので、別に批判する発言でもないだろう。天皇は神武天皇を始祖として万世一系なので憲法を超越した存在であるとも言えるかな。そういえば、森キロウが「日本は天皇を中心とした神の国」と発言して物議を醸したことがあった。天皇を神と言いたかったのだろうか、真意は何だったのだろうか。天皇は、王よりも偉いエンペラーだが、今は神ではない。

(平成天皇は125代天皇)
昭和の裕仁天皇は、戦前の帝王学をたたき込まれただけあって、現世離れして、なんとなく天皇といえる雰囲気があった。昭和天皇は戦争犯罪人のリストのトップに上げられていたのだが、特別の存在とみなしてマッカサーも責任を追及しなかった。支那もA級戦犯に対しては厳しいが天皇に対しては何も言わないではないか。
今上天皇は、サイパンのバンザイ岬で腰を折った姿や園遊会で将棋連盟会長を諫めたりしているのを見るとかなりの人格者だと分かる。

さて、皇位継承が制度化されたのは大化改新のころのようだ。それでも皇族間で内ゲバもあった。南北朝時代では天皇が二人もいた。
なにゆえ、男系と決められたのか分からない。女帝は8人いたが、彼女たちの子供は天皇になっていない。女性天皇はいたが、女系天皇ではなかった。今、皇室典範改正で女系天皇が容認される方向にあるので、皇族や元宮家の人から伝統を守る立場から反対もあるわけだ。保守系国会議員の間でされている皇室典範改正勉強会でも「Y染色体」の重要性を指摘して女系天皇に反対していく意向のようだ。Y染色体は男性しかもたない性染色体である。このY染色体は変化しないで伝わっていくが、女性のX染色体は相手の遺伝子と交流して次第に変わっていくものだという。薄まっていくのである。だから万世一系のためには男系でなければならないという論理。でも、何か変だな。昔の人は染色体なんて知識がなかったのだから、染色体理論を今持ってくるのはおかしいではないか。ムネオ流では「いかがなものか」かな。
そもそも万世一系であることは証明不可能である。