ある旅人の〇〇な日々

折々関心のあることや読書備忘を記録する

大晦日に徒然に

2009年12月31日 | Weblog
今日は超寒い。三寒四温かな。すでに散髪も済ませているし、年越しそばも正月用のパンツも買った。もうコタツに入ってゆっくりすればいい。読書は中断している「月桃夜」を読めばいい。
昨夜、ギャオで市川雷蔵主演の「陸軍中野学校」をみた。雷蔵が演じる椎名は第一期生だったのか。彼の婚約者を小川真由美が演じるのだが、けっこうセクシーでよかった。でもニヒルな雷蔵に毒殺されてしまうんだ。続編があと4本あるので、ツタヤで借りて全部みてやろう。
今年の記憶に残るできごとは、やはり政権交代だな。そのほかは、マイケルの死、のり塩事件ぐらいか。ヒット曲もなく、紅白歌合戦もみないだろう。
来年に関心があるのは、普天間基地の移設先はどこになるか、西武の菊池雄星は何勝できるか、エンゼルスに移った松井は活躍できるかということ。

「平井理央アナがエッチ過ぎる服装でインタビュー! 視聴者から抗議」なるほど。菊池雄星も織田信成もみたな。


雑誌「改造」の「琉球記」

2009年12月30日 | Weblog
阿部金剛の「琉球記」全文が掲載された雑誌「改造」の昭和11年8月号を手に入れることができた。ネットでいろいろ工夫して検索して1件のみ見つけた。「日本の古本屋」に出品されていたのである。注文して届いたものの外見は予想通り、ゴミのようなものだった。表紙は73年の歳月を感じさせるほど、破損してシミがついていた。小口・天部・地部もシミだらけ。だが、昭和11年はまだ紙の質はよかったのだろう、ページはあまり変質していなかった。
阿部金剛の「琉球記」は、彼が昭和11年に3週間あまり沖縄に滞在したことに基づく紀行文であり、7ページに渡って彼の挿絵入りで書かれている。彼は洋画家なので色や美しさについて表現豊かである。
尚男爵と一緒に飛行機に乗って、空から首里城を俯瞰している。これにより、南島のリゾート開発の構想をもち、そのなかにカジノ事業も入れたのだろう。
辻の15歳の芸妓かなしとロマンチックな会話を楽しんだようでもある。糸満にも訪れ、個人主義的経済組織の知識を得ている。糸満では雑貨屋で漁夫用の枕兼用の煙草入れをみつけ、細工が面白かったので20個も買っている。







P72とP73


P74とP75


P76とP77


P78

「画集わたしの沖縄」から

2009年12月29日 | Weblog
古本屋で「別冊一枚の絵」の1986VOL.17「画集わたしの沖縄」をみつけて購入した。今から20数年以上前の沖縄を描いた絵である。沖縄の写真は数限りなくみているが、絵画となると数える程度しかみてないだろう。
2枚だけ、スキャンさせてもらった。「首里の金城の石畳」と「沖縄の海」。古い沖縄の風景は首里の金城の石畳がいい。翡翠色のグラデーションの海は絵ではどう描くか関心があった。

佐間田敏夫作 石畳の道(首里)


大嶺政敏作 沖縄の海


ついでに裏表紙から南西航空(今のトランスオーシャン航空)の美人スッチー。むかしの南西航空のスッチーは見とれてしまうほどきれいだった。女優の山本陽子似のスッチーがいたことを思い出す。

琉神マブヤー

2009年12月28日 | Weblog
昨日、沖縄から「琉神マブヤー」が送られてきた。といっても今月発刊されたばかりの絵本である。
琉神マブヤーは「ニライカナイからやってきた魂の戦士でマブイストーンの守り神」で、屋根上の守り神シーサーの仮面を被っている。普段の姿はヤチムン見習いの叶(カナイ)である。
昨年、沖縄のTVシリーズとして放送され、「琉神マブヤー」ブームが起こっているようだ。日経トレンディネット(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/hit/20090925/1029091/)によると、琉神マブヤー誕生の経緯は「沖縄で観光土産物卸業を営む南西産業が、男の子向けのお土産が少ない現状から沖縄完結型キャラクター開発を目指したのがきっかけ」ということだ。そこには沖縄の企業が、ビジネス目的でキャラクターづくりを行い、テレビ放送で広めて、キャラクターグッズを開発して販売するという逞しい商魂があったのだ。
マブイストーンは勾玉の形ふうであり、九つある。それらは、ウチナーグチ、石敢當、テーゲー、エイサー、チャーガンジュー、イチャリバチョ―デー、トートーメー、命どぅ宝、カチャーシーの九つのマブイストーンである。沖縄のマブイのパワーの源といってよかろう。
このマブイストーンを狙うのがマジムン軍団である。そのキャラクターが面白い。ハブデービル、オニヒトデービル、マングーチュ、クーバーである。どれも滑稽なキャラクターだが、なぜかマングーチュは雌でバストを誇張したセクシーなコスプレ。このほかにも、下半身を岩に閉じ込められた「マジムンキング」がいる。絵本をみて驚いたことは、オニヒトデービルが琉神マブヤーの兄のニライであったことだ。
ビジネス目的といいながら、テレビや絵本を通じて、子どもたちが沖縄の心を自然と学べていいことだと思う。
キャラクターグッズとして、Tシャツ、フィギュア、キーホルダー、シールなどがあり、琉神マブヤーは沖縄のヒット商品だろう。まだまだ関連グッズは出てくるだろう。

ロンバケとホライゾン

2009年12月27日 | Weblog

この三日程、寒くない。木枯らし、びゅーびゅーなんてない。やはり暖冬か。
先週からフジテレビが連続ドラマ「ロングバケーション」を再放送している。あの当時(1996年)、ほとんどみていないのでどんなストーリーか知らなかったが、今回みていると面白い。キムタクが主人公だが山口智子が目立っている。やはり佳い女優なんだな。竹野内豊が山口智子の弟役で出ている。崩れた役柄が似合う。最近は、「不毛地帯」で唐沢寿明(壹岐正)の部下の商社マン(兵頭信一良)を演じているが下手くそだ。彼に合った役柄ではないのだろう。唐沢寿明と山口智子はけっこううまく行っているのかな。今日が最終回か。

つい先日、「Horizon(ホライゾン)」という奄美の情報誌を取り寄せた。年2回の発刊で創刊15周年記念の30号が奄美の歴史の特別企画をしているのを知り注文したのである。ついでに22号が喜界島を特集していたので併せて買った。30号は月桃紙模様のページがなかなかシャレていてよい。
喜界島はゴマの産地であることを知った。ほかにも珊瑚の石灰岩の石垣、アゲハのオオゴマダラ、絶滅した喜界馬、城久遺跡群、山羊料理など興味深いものが多い。ながめていると、やはり琉球文化圏だな。
http://www.airport-tv-network.jp/shop/

松本清張ドラマ

2009年12月24日 | Weblog
一昨日は、寒波が去ったようだったので久しぶりに散髪に行く。いつもの1000円のカット専門店である。各地で洗髪ができない理髪店は不潔であるというクレームが出ているらしく条例で規制するという話も聞いているが、まったくカット専門店に問題はないと思っている。
その夜は、久しぶりにすき焼をつくって食べた。牛肉が100g88円の肩肉だが美味しかった。具は、白ネギ、結び白滝、春菊、白菜、シイタケ、ほうれん草、焼き豆腐で日本酒を水の代りに使った。まだ牛肉が残っているので今夜食べてもいいな。
昨日の天皇誕生日は、寒くはなかったが天気が悪く雨が降っていた。それで午後、郵便局と図書館に行っただけであった。今日は遠出しようと思っている。

今年が作家の松本清張生誕100周年なので清張原作のテレビドラマ放映が多いなと思っていたが、実はそうでもなかった。調べてみれば1957年からテレビで370本以上放映されていた。1年当たり平均7本である。今年は次のような作品が放映されている。
「疑惑」:田村正和、沢口靖子 1月24日
「黒の奔流」:船越英一郎 3月4日
「駅路」:役所広司、石坂浩二、深津絵里 4月1日
「夜光の階段」:藤木直人、木村佳乃 4月
「点と線」:北野たけし、高橋克典 11月4日 2007年放映作品の特別バージョン
「中央流沙」:和央ようか、高嶋政宏 12月14日
「火と汐」:寺尾聰、渡部篤郎 12月21日
「顔」:谷原章介、原田夏希 12月29日

このなかでは、「疑惑」「駅路」「点と線」が面白かった。佳い作品で俳優も佳いからであろう。トリはNHKの「顔」であるが、あまり俳優が良さそうでないから期待できないかな。
むかし、NHKで「ザ・商社」というのが放映された。俳優は、山崎努や夏目雅子であったがとても面白かった記憶がある。これは原作が「空の城」という小説だが、倒産した安宅産業がモデル企業になっていた。これをもう一度、ドラマ化して欲しいな。

国仲涼子写真集

2009年12月23日 | Weblog
一昨日、街の古本屋さんでゲットしたのが国仲涼子写真集「素顔のままで。」。1999年発行の初版。ちょうどデビューしたばかりの20歳ころの写真。何と250円で買ってしまった。桁がひとつ少なすぎる。
あまり露出の多い写真はないが、そのなかでセクシーな黒ビキニ姿のモノクロ写真をスキャンしてみた。

最近はあまり役柄に恵まれていないようだが、NHK連続ドラマの『ROMES(ロメス)/空港防御システム』で警備チームのひとりとして出演している。アクションがきまっていて彼女の新しい一面をみたようだ。最初、このドラマでみたときは、いい女が出ているなと思ったが、国仲涼子だと分からなかった。
仲間由紀恵に少し差をつけられたが、息の長い女優でいてほしい。

検索してみれば、ウイキペディアに「那覇市泊のぜんざい屋でアルバイト中にスカウトされ上京」とある。スカウトに発掘されていなければ、平凡な主婦として生活していたことだろう。シンデレラだったのか。

しかし、彼女には男との噂がないな。たいてい共演した男優とは噂が出てくるものだが、フォーカスされたことがないのではなかろうか。

阿部金剛という人物は

2009年12月22日 | Weblog
昭和11年、雑誌「改造」に掲載した「琉球記」のなかで沖縄のカジノについて述べた阿部金剛とは如何なる人物なのだろうか。検索してみたら洋画家であった。
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阿部金剛(あべ こんごう 1900年6月26日-1968年11月20日)は、洋画家。
岩手県盛岡市出身。父は内務省官僚であった阿部浩東京府知事。
東京府立第一中学校を経て、慶應義塾大学文学部予科に入学するも中退。在学中から岡田三郎助に師事し、1926年に渡仏した。
その後、1929年、東郷青児と共に油絵展覧会を開催。同年二科会展に初入選した。以後もメキシコやアメリカにて創作活動に励む。二科会会員。
作品に、「阿部金剛画集」、「シュールレアリスムの絵画論」など超現実主義的な作品で脚光を浴び、また萩原朔太郎の「詩人の運命」の装丁もした。
女流作家の三宅やす子の娘・つや子との情事も当時の新聞紙上を賑わした。
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やはり、1926年に渡仏したときにモナコまで行ってカジノをやったのだろうか。
「コレクション・日本シュールレアリスム 10 復刻 阿部金剛・イリュージョンの歩行者」という書籍が発行されていることがわかったので県立図書館で借りてこようと思っている。エッセイや評論のようだ。そのなかに、「琉球記」の全文があるかもしれないし、もっと関心のあることが書かれているかもしれない。

下記の画像は、阿部金剛の絵画作品4点。


(左:「旅愁」 右:「春と子供と」)


(左:「風景」 右「Rien」)

沖縄カジノ事業構想について

2009年12月19日 | Weblog
「首里城の一角に先づ大ホテルを建てる。城塞は全部ホテルの庭として手を入れる。諸所に散在する尚侯爵家初め各王族の城跡別荘等を開放してドライヴ・ウエイを造り滞留客の散歩観光の目標にすること。既設の海水浴場を増大して設備を完全にし、適宜な場所に競馬場、競犬場、ゴルフ・リンクス等を造り辻近くにカジノを建設する。序に海洋博物館をこしらえるのも、まんざらモナコの真似とばかりは云えない。この太平洋に浮ぶ珊瑚礁には無数の珍魚奇貝も棲息してゐるのだから。飛行場は既に立派なのが出来てゐるし、航空路は既に開始されてゐるのだから、那覇港を開鑿してノルマンデイ級の豪華船を自由に停泊させるようにしたら、沖縄は忽ちにして、ワイキキやパーム・ビーチの繁栄を奪ってしまうこと必定である。」

これは昭和11年8月号雑誌『改造』に掲載された阿部金剛の「琉球記」の一部である。阿部金剛は70数年前にすでにリゾート開発の一環にカジノ事業を組み込んだアイデアを持っていたというのは先見的である。

つい先日、亀井静香金融相が「沖縄にはカジノ事業がいい。沖縄が総合レジャーの中心地になれば雇用の面、所得の面で大幅なアップが期待できる」と発言した。同じ国民新党の下地幹郎議員の入れ知恵かもしれない。

沖縄の仲井真知事はすでに県カジノ・エンターテイメント検討委員会をつくってカジノを含む沖縄統合リゾートを導入した場合の経済波及効果を発表している。下記は琉球新報の記事である。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-141648-storytopic-4.html
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カジノ効果9000億円 県検討委、施設3案も提示
2009年3月13日

 県カジノ・エンターテイメント検討委員会(委員長・小濱哲横浜商科大教授)は12日の最終会合で、カジノを含む沖縄統合リゾートを導入した場合の経済波及効果(試算)を発表した。建設費などの直接効果は5302億円、周辺産業などへの波及を含めた効果は8974億円に上るとしている。施設での直接雇用は1万3000人、建設工事などを含めた雇用効果は7万7000人余と想定した。ビーチや会議施設などを併設した施設概要(3案)も提示した。
 施設は敷地面積60ヘクタール、延べ床面積77ヘクタール。総事業費は3200億円で、民設民営を想定。カジノ以外にホテル(客室数5000)や会議施設(1万―1万7000人収容)、飲食を含む商業施設、ビーチやマリーナなどを併設する。伝統文化、海の魅力を打ち出す施設、タワー型の3案を示した。
 経済効果は施設内のカジノに県民の入場を禁じる前提で試算。海外の事例や国内需要調査などを考慮した。
 施設を導入した場合、導入時(2015年を想定)に県内入域観光客数が1010万人に達すると仮定。県民を含め670万人が施設を利用するとした。うち観光客は入域客観光客の45%に当たる460万人、県民が210万人。カジノ利用客は入域観光客の23%に当たる230万人。
 年間売上高はカジノ機能だけで995億円。飲食や宿泊、商業施設などを含むと計2102億円。税収効果は764億円。
 売上高の5%を国に収めると想定し、人件費などの経費を除いたカジノの営業利益は年539億円。利益は県と地元市町村に4分の1ずつ、施設を運営する民間事業者に2分の1を分配。事業者の施設全体の税引き後収益は188億円となる。
 施設を導入しなかった場合、2015年の観光客数は導入した場合に比べ74万人少ない936万人になるとしている。現在の伸び率を保つと仮定して試算した。
 会合で08年度の検討結果をまとめた報告書案も承認。県は09年度、検討結果を踏まえて県民対象の説明会を県内各地で開く。

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あとは賭博事業に関する法律の整備と沖縄県民のコンセンサス次第ではなかろうか。

ホリエモンも12月17日のブログ記事で珍しく亀井静香金融相の発言に賛同している。
http://ameblo.jp/takapon-jp/day-20091217.html
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たとえ、それが彼の新たな利権構造への関与だとしても、合法カジノは日本に作るべきである。

いまでも多くの日本人が韓国やマカオ、そしてラスベガスへと出かけている。どこのカジノもある程度の時間カジノで遊んでくれれば航空券やホテル代まで無料という特典をつけてでも観光客を誘致している。だから相当額のお金が海外流出しているはずである。

そして今の世界のカジノを盛り上げているのは間違いなく中国人である。私は去年モナコのカジノを訪れてその閑散としている現場に愕然とした。少しだけロシア人とかアラブ系の金持ち風が遊んでいたが、ほとんどガラガラの様相である。マカオやラスベガスが中国人で満ち溢れて活気があるのと比べると対照的である。彼らはそれほどギャンブルが好きな文化なのだろう。

台湾から程近い、もちろん中国南部からも近い沖縄は多くの中国人富裕層をひきつけることは間違いない。沖縄にはゴルフ場やマリンスポーツも充実している。雇用面でも良い影響があるに違いない。総合レジャー施設として大ヒットする可能性は高いだろう。

そして現在の米軍基地移設問題にも良い影響があると考える。基地の県外移転については防衛ラインの問題を懸念する向きもあるが、それ以外で反対勢力になっているのはやはり経済的な悪影響である。米軍人の引き起こす犯罪や騒音を理由に基地移転を唱えるものもいれば、基地経済で成り立っている町も産業もあるのだ。だから移転となれば反対する人も相当数いる。しかし、基地経済の代替手段としてカジノ特区は非常に筋が良い。つまり基地の県外移転に反対する勢力を相当数押さえ込め、問題の解決をはやめる可能性がある。

カジノ合法化で反対勢力が必ず唱えるのは、カジノ中毒者の発生と治安の悪化である。
しかし、ギャンブル中毒者は既に日本に多数存在する。パチンコを筆頭に、競馬・競輪・競艇・オートと合法ギャンブルから、闇スロや闇カジノなど非合法ギャンブルまで、消費者金融の多重債務者の多くはギャンブル狂である。カジノを合法化したところで大して数は変わらない。増えも減りもしないだろう。もう一つは治安の悪化懸念だろうが、パチンコ屋の周辺で治安が悪化下なんて話は聞かない。それこそ全国津々浦々にパチンコ屋は存在するだろう。

むしろ、現在実質的な非合法状態にあるパチンコが合法カジノに客を奪われ自然淘汰することにより、国全体では税収アップに寄与するはずだ。今の亀井氏ならこのカジノ立法という荒業に成功する可能性はゼロではあるまい。さすが、政治屋の面目躍如だ。抜け目ない。
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読書録「『危機の時代』の沖縄」

2009年12月17日 | Weblog
「危機の時代」の沖縄 ―現代を写す鑑、十七世紀の琉球― (伊藤陽寿、新典社新書、2009年10月)を読む。
他所様のブログでこの著作を知って注文したが、昨夜ポストに入っていた。数時間だが充分に楽しめた。まだ20代の若き歴史研究者の著作である。アマゾンの通販サイトでは内容が次のように書かれている。

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(一六〇九年、沖縄(琉球王国)は薩摩の侵攻にあい、占領下となる。新たに発生した経済的負担や対外関係の変化など、先行きの全く見えない状況下で、沖縄はこの「危機の時代」をどのようにして乗り越えてきたのか。その過程を追うことで、同じく「危機」と「変化」の時代を生きる現代の日本が進むべき道をさぐる。
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琉球王国は薩摩島津氏の侵攻後、幕藩体制に取り込まれ、国力は衰退気味になっていたが、いかような再起の方向性を選択したかを教えてくれる。
「中山世鑑」という正史の編纂、緊縮財政、そして中国風化である。中国風化というのは孔子廟や儒学の学校を建てたり、留学生を派遣したり、風水やシーサーや亀甲墓を取り入れたりしたことである。土着的なセヂ(霊力)というものを徳というものに変えた。
これらのことにより、清朝を喜ばせ、優遇された冊封関係を維持できることになった。それに薩摩島津氏との従属関係がバレないようにマニュアルまでつくって学習していたという。冊封使たちにヤマト風の人たちを見られても、「あれは七島人である」と言って誤魔化していたそうだ。
むかし、外交は嘘も方便の時代だったんだね。現代には通用しません。

読書録「琉日戦争一六〇九」

2009年12月16日 | Weblog
今年が薩摩島津氏の琉球侵略400周年なので沖縄・鹿児島の地をメインにそれに関するイベントやシンポジウムが数多く開催されている。書籍も何冊か発刊されているが、つい最近読了した「琉日戦争一六〇九 島津氏の琉球侵攻」(上里隆史、ボーダーインク社、2009年12月)は内容もすばらしく読みやすかったのでとても楽しめ、充実感すらあった。時間をかけてじっくり読んだ。
章立ては次のようになっている。
第一章 独立国家、琉球王国 ~プロローグ・琉球の章~ 
第二章 九州の覇者・島津氏と琉球 ~プロローグ・島津の章~ 
第三章 豊臣秀吉のアジア征服戦争 
第四章 徳川政権の成立と対明交渉    
第五章 島津軍、琉球へ侵攻 
第六章 国敗れて
第七章 「黄金の箍(たが)」を次代へ ~エピローグ~ 
第一章で琉球王国を海域アジアの視点でとらえているのは興味深かった。琉球王国は明との朝貢貿易のおかげで大交易時代を迎えるが、王国を取り巻く環境や内部の環境の変化により、その大交易時代も16世紀になると衰退していく。現代の日本の経済に似ているともいえるが。倭寇についても分かりやすく解説してくれている。
第二章では島津氏の出自から勢力を拡げていく過程も詳しく述べられている。一時は九州を制覇し、中央へ出て行かんばかりの勢いになったが、豊臣秀吉によって挫折させられ、元の領地に押し込められてしまうのだ。でも、琉球にいちばん近かった地理的メリットにより琉球王国を侵略するチャンスを得て、従属させることができたのであろう。
秀吉も家康も琉球王国の仲介で日明貿易をやりたかったのだが、結局は失敗してしまう。薩摩島津氏の琉球侵略の経緯については詳しく述べられており、そこには様々な出来事があり、いろんな要因が重なっていたんだな。琉球王国の航海技術の衰えさえ、その要因のひとつだなんて目からウロコもんである。秀吉の朝鮮侵略戦争についても詳述されており、わかりやすかった。秀吉の死によって戦争は終結したんだな。
海商・禅僧・華人についてのネットワークの考えも興味深い。あの当時は、その活用によって情報の収集やコミュニケーションを図っていたんだ。
琉球は幕藩体制に取り込まれ、古琉球から新琉球になり、一時的な衰退もあったが、改革者が出現して新たな伝統文化が築かれていった。琉球王国にはそういうシタタカさがあったんだ。それに比べて、薩摩に直接支配された奄美諸島は暗黒時代となった。サトウキビの単一栽培を強制され、債務奴隷のヤンチュを数多く輩出した。
今後、薩摩島津氏の琉球侵略について確かめたいときは、この著作を読み返すことになるだろう。

民主党政権は朝貢したのかな

2009年12月13日 | Weblog
先日、小沢幹事長が民主党国会議員143人を含む600人もの団体を引きつれ、中華を訪れた。あの目的は、いったい何なのかよくわからない。民主党が連立ながら政権をとったので、中華に承認してもらうために朝貢に行ったのかもしれない。琉球王国が冊封体制の下で明や清に対してやっていたように。小沢のみがVIP扱いで北京では豪華なリムジンで移動していた。中華は実力者の小沢を王と思っているのかもしれない。民主党の議員たちが胡錦濤主席とツーショット写真を順番に撮っていたが顔が引きつっていた。あれをみて日本の議員たちのレベルの低さがわかった。胡錦濤はチベット弾圧の功績で出世街道を走った輩であることを知っていたのだろうか。
その後、小沢は韓国に飛んだが、議員たちは残って万里の長城などへ観光を楽しみ、マッサージパーラーへ行った連中もいるそうだ。議員たちは、今、そんなに遊んでいる余裕はないだろう。日本の景気回復のために計画作りをして早く実行しなければいけないだろう。長期的な計画だけでなく、すぐ効果のある短期的な景気回復も考えて欲しい。
民主党政権は、普天間基地の移設問題を筆頭にいろいろ迷走している。この政権、長続きしないのではないかと思う。自民党政権に戻ることはないが、おそらく政界再編がありそうだ。
それから小沢は韓国で、来年が日韓併合100周年ということで天皇の訪韓を前向きに進めることを発言した。くわえて中華の副主席と天皇の会見をルールを破って決めさせたというではないか。やはり民主政権のトップは小沢だったようだ。中華も承認したようだからね。
(画像は、「仕分け人レン」 蓮舫写真集『RenHo』より)

不毛地帯第九話

2009年12月11日 | Weblog
壹岐は妻の佳子(和久井映見)を交通事故で亡くしてから2年半たち、ニューヨークのアメリカ近畿商事の社長に就任していた。陸軍士官学校の同期であった韓国の光星物産会長の李錫源(榎木孝明)のコネを利用して、フォーク社から千代田自動車との提携に関する委任状をとることに成功した。
娘直子(多部未華子)は壹岐の宿敵である東京商事の鮫島の息子と結婚し、幸せな家庭を築いていた。インドネシア華僑黄の第二夫人の紅子(天海祐希)が突然、壹岐の部屋に訪れ、酔った勢いで「好きだ」と告白するが壹岐は相手にしない。そして壱岐は、秋津千里(小雪)が能楽師との婚約を破棄していたことを知る。
いよいよ次週は、秋津千里がニューヨークの壹岐を訪れ、「ずっと、そばに置いて欲しい」と告白し、結ばれるらしい。副社長の里井(岸部一徳)との確執も面白くなるぞ。
天海祐希も小雪もデカイが色っぽい。壹岐は佳い女にもてて羨ましい。たまんないよ。
しかし、こんなに面白いドラマなのに視聴率が11%台とはどういうことだ。世代によって関心の度合いが違うのかな。

歴女または歴ギャル

2009年12月10日 | Weblog
昨日の昼下がり、自転車を走らせていて、路上の真ん中に黒っぽい布のようなものが見えた。少し立体的だったから、帽子か手袋かと思ったが、近づくとそれは子猫だった。車に轢かれて血を流し、立てなくなり息も絶え絶えで泣き声すら出していない。救急車を呼ぶわけにも行かないので、可哀相だがそのままにして置いた。今日、その現場を通ったが何の跡形もなかった。飼い主が連れて帰ったのだろうか。

昨夕、岡山のテレビ局のローカルニュースで歴女ブームを特集していた。今年の流行語大賞のベストテンに入っていた歴女(レキジョ)。
観光バスによる城跡巡りを紹介していたが、ギャル(死語か?)がかなり参加していた。少し前なら中高年ばかりだったはず。宇喜多家ゆかりの城跡、秀吉水攻めの高松城跡などみてギャルたちは感動していた。なぜこのようなブームになったのかわからない。強い武将に憧れをもつ乙女心によるものか。一時の流行り病のようなものだろうか。大河ドラマ「天地人」の影響か。
それにデパートも便乗して、武将をイメージしたデザインのネクタイや甲冑パンツまで販売しているらしい。これは歴ギャルたちが恋人にプレゼントするのだろうか。どんどん売れて景気回復の一助となってほしいね。

アラビア料理の店

2009年12月08日 | Weblog
今年は、近所で小中学生らしい女子がブーツを履いているのをよくみかける。流行かな。なかなかオシャレでいい感じ。ブーツのフェチが増えそうだな。
今日の昼下がり、自転車で走っていて面白い店をみつけた。オープンしたばかりのアラビア料理の店。「ナジ屋」というテイクアウトふうの店。アラブ系と思われる店員の男が暇そうにしていた。むかし、パリでよく食べたケバブーのサンドイッチを思い出す。羊の丸焼きを薄く削って、フランスパンに野菜とともに挟んでくれた。なつかしい。今度、食いに行ってみようと思うが、早く行かないと廃業してしまいそうだ。こんなローカルな街角に突然オープンしたのだから長続きすればいいのだが。
その少し前に、救急車がユータンしてきて止まった。歩道に男が仰向けになって倒れていた。自転車に乗っていて転倒したようだ。血は流れていなかったが、目は開いていて意識が無さそうだった。かなり年配の男だったので、突然、梗塞でも起こしたのであろうか。

タイガー・ウッズの11人目の愛人が出てきたそうだ。すごいね。いったい何人いるんだろうか。タイガーは当分立ち直れないだろう。タイガーは年収が100億円で、そのうち賞金が10億円程度だという。来年は落ちそうだ。米国ツアーはスポンサーが減らないようにタイガーの替わりに石川遼プロを狙っているらしい。