ある旅人の〇〇な日々

折々関心のあることや読書備忘を記録する

社会学者の書いた沖縄

2008年08月22日 | Weblog
今月に発刊されたばかりの「沖縄イメージを旅する---柳田國男から移住ブームまで」(多田治著作 中公新書ラクレ)を読む。久しぶりに読み応えのした沖縄本であった。沖縄に関してサブカルチャーから政治まで幅広く、しかも具体的コンテンツ。著者の深い研究の蓄積がうかがえる。
著者が2000年に琉球大学へ赴任したとき、ベテラン教授から次のように言われたと序章に書かれている。「あんたはヤマトの人間だから、あんたには沖縄のことはわからんさ。私は沖縄に生まれ育って、沖縄のことずっと知ってわかってるよ。だからあんたは、沖縄のこと研究せん方がいいよ」と。ヤマトの人間に対する敵意か、はたまた思い込みか。ある種のコンプレックスかもしれない。著者は、その3年後、「沖縄イメージの誕生」という論文で博士号を取得している。そのベテラン教授、苦々しい思いをしたのではなかろうか。
小生の経験だが10年ほど前、那覇の居酒屋でひとりカウンター席に座り、泡盛を飲んでいた。隣に初老の男が座っていた。法務省の管理職にある人だった。当たり障りのない雑談をしていたのだが、突然、「沖縄の人は心と心の付き合いができるが、内地の人はモノとモノの付き合いしかできない」と言い出した。これも敵意か思い込みか。小生は聞き流していたが今もはっきり覚えている。

この著書を読書録としてまとめるのは難しい。印象に残ったところを書き留めておきたい。
戦前の沖縄観光として昭和12年の沖縄パックツアーの資料の発掘はすばらしい。異国情緒のある沖縄のどこを観光したか具体的に書かれている。
戦前の南島ブームの火付け役は柳田國男だが、昭和15年に柳宗悦が率いた民藝協会一行が来沖したときの方言論争の経緯が詳しく興味深い。それは観光をテーマにした座談会の席で起こっている。
それから沖縄を訪れた知識人・文化人の旅の案内役を務めた島袋源一郎という教育者に焦点をあてているのも面白い。島袋に対する歴史学者高良倉吉の批判もあげられている。
戦後初の沖縄訪問団は、昭和34年に日本政府が沖縄渡航制限を緩和した翌年だった。沖縄戦没者の慰霊という名目で86名が空路で来沖した。これが以後の沖縄観光に大きな影響を与え、沖縄病患者が増えていく。
1975年の沖縄海洋博がその後の沖縄イメージ創生の原点になった。「戦争」「基地」と「青い海」「観光リゾート」の二重のリアリティ創出。復帰後の沖縄観光には、やはり電通が関わっている。観光の基本テーマを歴史に求めた。戦争イメージはその中に吸収された。加えて演出したいイメージにあわせて新たに沖縄を構築していく。さすがに電通は巧みである。後の県政不況で知事を替えたのも電通だった。電通のノウハウを改めて知りたくなった。
沖縄料理が本土に受け入れられた理由もわかりやすく教えてくれる。
八重山のフィールド調査では、ヒアリング調査に協力した人の名前をあげ、調査の結果を還元している。フィールド調査を行った研究者の鑑である。
このあたりで止めておこう。

けっこう沖縄について知っているつもりでいたが知らない面を気づかせてくれる本でもある。

「青いパパイヤの香り」

2008年08月18日 | Weblog
ベトナム映画「青いパパイヤの香り」(トラン・アン・ユン監督、1993年制作)のDVDを観た。これがなかなか佳い作品だった。ジャケットの文章を拝借しよう。
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まるでその情景から
香りが漂ってくるかのような
穏やかで細かい映像の美しさ
ニューマスター版でついに登場!

1951年ベトナム、サイゴン、
田舎から奉公にやってきたムイは10歳の少女、
年老いた先輩奉公人のそばで働きながら、
料理と掃除を習い、一家の雑事を懸命にこなしていく
ある日、ムイは長男が連れてきた友人クェンと出会い、
淡い恋心を抱くようになるが・・・。
強い日差し、通りの喧騒、露に濡れた緑と風、
料理の湯気やスープから漂う香草の香り、
そして、少女のちょっとした仕草や視線のいとおしさ・・・
美しい映像と幻想的な音楽で、
観る者の心を掴んで離さないアジア映画の傑作!!
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ムイは夜更けにサイゴンの奉公先にやっと到着した。奉公先は布地を商う店である。店の前の路上では蚊帳を吊って寝ている。そんな街の情景は懐かしく感じる。先輩の奉公人を初め、一家は皆親切である。ただ三男の少年はイタズラ盛りだが。
先輩奉公人から料理のつくりかたを教わる。野菜は鍋の油が熱くなってから入れて炒め、肉はつやのあるほうが美味しく見えるとか。庭に青いパパイヤが実っている。先輩奉公人がハサミでひとつ収穫すると、その切り口から白い樹液が葉の上に滴る。それをムイは幸せそうに見つめる。パパイヤは野菜サラダにして食べるのである。トカゲが這い、アリが群がる。部屋には蚊帳と渦巻き型の蚊取り線香。そんな光景にモンスーン気候の有機的な営みを感じる。夜更けに主人と長男が弦楽器と横笛でセッションするシーンも好ましい。
この店はあまり経営がうまく行っていない。主人が働かないようだ。主人は店の金を持って家出してしまう。
やがて10年経ち、ムイはきれいな女性になった。店は代替わりして長男夫婦が切り盛りしているが金回りは相変わらず良くない。長男の友人クェンは新進作曲家として活躍している。ムイは解雇され、クェンの元へお手伝いとして行くことになる。クェンにはセレブの許婚がいるが、いつの日か、ムイを女性として意識し始める。セレブの許婚はそれに気づき、婚約解消となった。ハッピーエンドになるストーリーだ。
トラン・アン・ユン監督の別の作品も観たくなった。

電車に乗って

2008年08月10日 | Weblog
一昨日の金曜日昼下がり、超ローカル吉備線で総社に行く。車内は冷房がよく効いて心地よい。車内は観察と推理の場でもある。
始発駅岡山から6、7人の女子グループが乗り込んでいた。小学高学年か中学生であろう。皆、ヘアスタイルが同じであった。髪をピンとネットでまとめて丸くしている。新体操かシンクロの練習でもしてきたのだろうか。皆、色黒だしスタイルはスラリとしていない。おそらくシンクロだろう。手提げ袋の中には濡れた水着が入っているだろうか。
片や男子中学生二人と彼らを引率していると思われる中年男。あまりしゃべっている様子はないが、何かの試合に出たというようなことだけ聞こえてきた。スポーツバッグを床に置いているので何かのスポーツをやってきたのだろう。何だろうか。二人とも色白で体格は筋肉質ではなくスマートである。室内競技の卓球であろうか。バッグの中にはラケットが入っているだろう。
15分程度で東総社駅に着く。片道20分ほど歩く。曇り気味だったのでそれほどバテなかった。自転車には1日1時間半ほど乗ることはあるが、歩くと脚の筋肉がけっこう疲れて後で痛む。

甲子園では高校野球の好試合が連日行われている。昨日は岡山県代表の倉敷商業が勝った。日本代表の星野監督も喜んでいることだろう。
北京オリンピックも始まった。開会式なんて全然面白くなかった。チャン・イーモウ監督の演出のようだが、ジョージ・ルーカスが降りなかったらもっと違ったものが観られたかもしれない。果たして平和の祭典だろうか。競技場の周辺には地対空ミサイルが配備され、ウイグル族のテロ行為もある。グルジアでは戦争が始まった。ロシアという国は戦争が好きなんだな。古代のオリンピックでは、戦争を中止してオリンピアに参集したというではないか。
それにしても日本の選手は弱い。サッカー、重量挙げ、柔道は期待はずれ。柔道60キロ平岡は初戦敗退、「ママでも金」の谷は銅メダルで終わった。柔道も変貌した。日本は変化に対応してこなかった。「柔よく剛を制す」と言われたが今では逆である。柔道ではなく剛道である。柔道着のレスリング選手みたいなのが多い。女子マラソンの野口みずき嬢は腰痛で検査入院したという。補欠は誰だ。もう日本のカエル野郎にしか期待できない。

業態

2008年08月04日 | Weblog
最近、とても気になるトラ猫がいる。いつもマンションのコンクリートの上で死んだように寝ている。ある時は脚を伸ばしきっているので死後硬直なのかと思って心配して近づくと薄目を開けて気だるそうに見つめる。まったく無防備だ。面白い猫もいるもんだ。
昨日も暑くて遠出を諦めた。昼下がりに街に出かけて古本市を覗いて絶版品切れ本を2冊ゲット。暑さのせいか日曜日の商店街は空いていた。明日は遠出をしたい。
ダイソー100円ショップには買得品が多い。特に台所用品。グラス、茶碗、ザルとボウルのセット、スプーン、野菜スライサーなど。アンダーウエアもよく買うがパンツはすぐゴムが伸びてしまうし、シャツは数回の洗濯で穴が開いてしまう。200円のを買うようにしている。食品は割安感があまりない。
100円ショップ、ホームセンター、ディスカウントスーパーは気に入った業態である。もちろん価格と品揃えの点で。
昨日、NHKテレビで女子マラソンランナーの野口みづき選手の特集をしていた。体格には恵まれていないが力強いストライド走法。前は下半身に上半身がついていかないバランスの良くない走法だったので修正したという。上下動が少なくなったようだ。強敵は中国の周という選手だ。ぜひ2連覇してもらいたい。野口選手はQちゃんのようにマスコミにあまり取り上げられず地味な選手だ。Qちゃんはもう過去の人だ。メディアにまったく出なくなった。まだ引退はしてないのだろう。

浴衣、花火、旨いもの、ヴェネツィア

2008年08月03日 | Weblog
昨日は夕方の明るいうちから娘さんたちが浴衣でウロチョロしているのを見て旭川の花火大会の日だと気づいた。夜、打ち上げ花火の音が聴こえてきたがいつもより打ち上げが少なかったようだ。景気が悪いせいかな。
昨日はあまりトイレに行っていない。汗になって水分が出てしまったようだ。水分は多めにとっているので問題ないだろう。特に水出し緑茶や抹茶グリーンをよく飲んでいる。
昼は、ざる蕎麦、冷やし素麺、冷やしうどんで済ます。今夏はツユの素を薄めて使っている。最近のは美味しい。昔は薬っぽい味がしていたので嫌いだったので自分で醤油、味醂、だしの素を入れて作っていたのだが面倒になったのだ。
最近の美味しいものといえば、ウインナーソーセージ、ママカリの酢漬けぐらいか。ソーセージはフライパンで炒めてもいいし、茹でてもいい。ソーセージの本場はドイツだろうな。ドイツではバーベキューで焼いたり、パンに挟んだり、茹でたりしている。ドイツの旅を思い出す。ママカリの生の酢漬けは身が引き締まっていて美味しいし、焼いて酢漬けにするのもいい。この前、刺身の盛り合わせが安かったので久しぶりに手巻き寿司をつくった。旨かった。また作ろう。
今日も自転車で遠出しよう。暑いのでゆっくりと。

読書量がめっきり減ってしまった。図書館に2週間前に予約した本がまだ連絡がない。今は塩野七生さんのベストセラー「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 上・下」(中公文庫)を読み始めた。今まで読む機会が何度もあったのに・・・・。なにゆえ、あのような湿地に都市をつくったのか、この本の冒頭で知り得た。無知だった。ゆっくり読もう。

サマージャンボを買った

2008年08月02日 | Weblog
昨日、街に出かけたついでにサマージャンボ5枚買っておいた。宝くじは久しぶりだ。1等2億円か。僕の前に並んでいた老人は9千円、その前の人は3万円も買っていた。販売最終日だった。今までに当たった最高金額は1万円だった。少し期待しよう。
ADSLの通信速度が落ちている。今では最高でも2M台前半である。時には1Mに満たないときもある。明らかに異常に低いときはモデム電源を入れなおしている。先月開通したときは3Mを超えていたのだがどうしたのだろう。回線の負荷が増えたのだろうか。でもネット接続の切断がなくなったのでいいけど。
今の部屋にはマンション内LANが使用できるようになっている。100Mの光ファイバーであり、共用の「光終端装置」、「ルーター」、「HUB」が備わっている。だからモデムなしでLANケーブルでパソコンに接続するだけでいい。だが、ネット利用規約があって、商用での利用、有害と思われるサイトにアクセス不可などの禁止事項があるし、共用だとセキュリティに不安がある。費用もヤフーADSLと似たようなもの。来年にヤフー料金の特典がなくなるまでに決めれば良い。9800円のFLORAノーパソは絶好調。ソフマップに感謝する。次の買い替えのときもお世話になろう。
北京オリンピックは、あと1週間か。楽しみだ。ゴルフの女子全英オープン、日本勢が頑張っている。宮里、不動、上田。