ある旅人の〇〇な日々

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映画「アダン」

2009年08月14日 | Weblog
つい先日、近所の古本市場のDVD中古棚を何気なく眺めていて映画「アダン」をみつけた。最近、ぜひみたいと思っていたので嬉しかった。しかも安かったのだ。
この「アダン」、孤高の画家田中一村の半生を描いた作品である。確か、制作前に一村の親族関係者から抗議があり物議を醸していた記憶がある。それは一村の幻想の中に出没するアダンという妖精のような女性についてのものだった。でも、なんとかクリアしたようだ。奄美大島のロケなので珊瑚礁の海や濃密な森がトロピカルで色彩豊かな映像になっている。
この映画では、一村を榎木孝明が演じる。彼は、鹿児島出身で武蔵野美術大学を出ており、絵心のある二枚目俳優である。テレビドラマでは、「浅見光彦シリーズ」の光彦やその兄の刑事局長を演じたことのある知的な感じの俳優でもある。
田中一村は少年のころから天才的な日本画家で、画壇からはみ出て、背を向けていた。権威ある画家におもねることもなく、商業主義もいやだった。昭和33年に50歳で奄美大島に移住する。大島紬の工房で日給350円の仕事を得て、あばら家で清貧な生活をおくる。動植物のデッサンを多数行い、それらを組み合わせて絵画を構築した。一村は日本のゴーギャンとも呼ばれている。
かなり前に小林照幸のノンフィクション「神を描いた男・田中一村 (中公文庫)」を読んだことがあるので、興味深く鑑賞できた。
この映画、奄美復帰50周年記念映画となっており、文部科学省推薦である。上映については、あまり話題にならなかったのではなかろうか。


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「神を描いた男・田中一村 (中公文庫)」:
奄美―それは果てしなく美しい島。自らの生とひきかえに、日本画家・田中一村はその豊潤な世界を描いた。驚嘆の色彩、鮮烈な構図…彼の作品は人々を圧倒し、新鮮な感動を与えてやまない。五十歳の一村が全てをなげうって奄美に移り住んだのはなぜか。貧窮の中、彼を画業に駆りたて続けたものは何だったのか。いま新たな一村の姿が浮かび上がる。
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1 コメント

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映画アダンDVDについて (永井雅人)
2015-10-11 12:43:06
はじめまして。
田中一村の生涯を描いたアダンという映画の
DVDをお持ちでしょうか?どうしてもレンタルで見つかりませんのでもし良かったら着払いで構いませんので貸して頂くことは出来ますでしょうか?
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