ある旅人の〇〇な日々

折々関心のあることや読書備忘を記録する

篤姫と南島雑話

2008年05月30日 | Weblog
NHKの大河ドラマ「篤姫」でお由羅騒動を取り上げていた。高橋英樹が演じる島津斉彬を藩主にしようとする密談を行ったグループが処分されることになる事件である。ドラマでは篤姫の知人であった大久保利通も謹慎させられた。
かなり前、「南島雑話の世界 名越左源太が見た幕末の奄美」(2002年 南日本新聞社)という本を読んだことがあり、遠島になった名越左源太もその事件に関わったのではないかと思い、改めて確かめてみたら矢張りそうだった。左源太が密談のために別邸を貸して、彼も密談に加わっていたのだ。でも、密談の内容には賛成せず、斉彬世継ぎの上申書の連名から名前を削除させていた。彼以外は切腹して果てた。左源太は翌年の1850年に物頭職を免じ、奄美大島に遠島を命じられた。赦免されるまで5年間を大島で暮らすことになる。
しかし、遠島の翌年には、島中絵図調方の職を拝命しているので半ば赦免されたようなものである。左源太は上級武士であり島津藩主の遠縁にあたった。絵の才能があり、本草学や医術についても学んでいた一級の教養人だった。だから島民との深い交流の中で、島の地理、動植物、年中行事、宗教、衣食住、産業などスケッチとともに記録が可能であった。左源太の記録した草稿が「南島雑話」としてまとめられ、幕末の奄美大島を知る貴重な資料となっている。
この南島雑話は東洋文庫と日本庶民生活史料集成第1巻(三一書房)に収録されている。民俗関係で面白いのはノロの樹上葬、高倉、雲隠、血の川の謎など、生き物関係では、ワニを食べる、ケンモン、ネズミの話など、産業では黒砂糖、焼畑など。
島民に薬を与えたり、子どもたちに手習いを教えたり、人間味のある人物で尊敬されていた。赦免後、鹿児島に戻り、地頭や寺社奉行を歴任している。左源太の長男である兵馬が1865年に薩摩藩英国留学生として渡英しているのも興味深い。この留学生の中には有名になる森有礼がいた。「薩摩藩英国留学生」(犬塚孝明、中公新書)に詳しく載っている。
篤姫と左源太は接点があったのかどうか定かではない。お由羅騒動を描いた時代小説として直木三十五の「南国太平記」があるのでこれも読んでみたい。

世にもおかしなこと

2008年05月23日 | Weblog
■餌付け商法。この前の冬、日中の近所のマンションから老人男女が数十人も出てくる光景を何度も見た。同じ手提げの紙袋をもってその中に重たそうな箱が入っていた。顔見知りのばあさんがいたので何があったのか聞いてみた。500円払って商品の説明を聴くだけでお土産をもらえるというのだ。その時はフルーツの缶詰の詰め合わせを持っていた。とても500円では買えないような代物だ。ピュアという会社がやっているという。これは怪しい商売に引っ掛かっているなと直ぐ思った。昨日、テレビニュースで東京都が餌付け商法を行っている7企業に業務停止処分を出したという報道をみた。その中にピュアという会社があるではないか。被害者は1800万円もの健康食品を買わされた人もいるという。チラシの破格の安さの食品で人を密室に集めて最後に高額商品を買わせるという古典的な商法。催眠商法の類である。その近所のピュア、最近はやっていないようだ。半年ほど営業してかなり儲けて老人たちも騙されたことに気付き、次の場所に営業拠点を移したのであろう。
■テレビ局の阿呆な検証。総選挙での候補者の選挙運動経費は書類をつくって提出しなければいけないようだ。ある与党の代議士の選挙運動カーの燃料費が毎日一定でとても高かったのをテレビ局が知り、同じ車種で20時間走り、その費用を検証したという。テレビ局にとっては些細な経費だろうが、燃料不足で地球温暖化の叫ばれる時代に逆行する無分別な行為である。その車種の燃費でおよそ分かるだろう。マスコミとしては恥ずべきであると思う。
■鯨肉横領の摘発。この前、グリーンピース・ジャパンの若い人が捕鯨調査船職員が鯨肉を横領していた事実をつかんだことを記者会見で得意げに発表していた。彼は大きな鯨肉のブロックを持ちながら会見していた。どのようにそれを手に入れたのか不思議に思った。どうやら、運送会社から段ボール箱ごと盗んできたらしい。運送会社から被害届も出された。その鯨肉は果たして職員が横領したものだろうか。現物支給手当てとしてもらったのではないかとも考えられる。グリーンピースは過激な反捕鯨団体として有名である。調査捕鯨を妨害したシーシェパードと似たようなものだろう。「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」というから、捕鯨を行う職員をターゲットにしたようだ。捜査権のないグリーンピース・ジャパンが行った窃盗の罪も重いだろう。成り行きを注目したい。
■後期高齢者医療制度は悪か。この4月に施行される間際になって騒がれ始めた。小泉政権の置き土産で時限爆弾のようなものだった。与党の議員も内容を把握していなかったというから驚く。高齢者への負担が増えないと思われていたがそうではなかった。75歳以上の高齢者が今までの被扶養者扱いで保険料を支払わなくてもよかったのに、それが新制度では別個に支払い、年金から差し引かれるのである。子どもでも負担増がわかることである。これを議員たちが理解していなかったというのは驚きだ。与党では見なおし、野党では廃止法案を提出する方向だ。弱者切捨ての不思議な置き土産だった。
■エコガソリンは増やすべきか。穀物の食料としての供給量が不足し、さらに投機の対象になり、価格が急上昇してきた。食料分は確保して、その余剰分のみ燃料とするのが基本だと思う。まず飢えないようにしなければいけない。燃料が足らなければ省エネだろう。本末転倒。

天変地異

2008年05月16日 | Weblog
ビルマのサイクロン被害の全貌が未だ掴めないのに、12日には四川大地震が起きた。
ビルマのサイクロン被害は政府発表では死者3万8千人、行方不明者2万7千人となっているが国連推計では両者併せて10万人となっている。ビルマの軍事政権はどうやら政権維持にしか関心ないようだ。新憲法の国民投票を優先したり、被災者援助を放棄している。海外からの支援も拒絶しているほどだ。被災者は民間のボランティアから即席ラーメンをもらって水で戻して食いつないでいる。海外からの支援食糧は横流しされ市場で売られているそうな。被害の村にも被害調査にも来ていないという。だから政府発表の被害者数は信用できない。こういう政府にシナやロシアが国益の為に経済援助してきたことも醜い事だ。
サイクロンはインド洋で発生する熱帯性低気圧でインドとバングラに被害を及ぼしてきたのだが、今回は珍しくビルマに直撃した。周辺の国がビルマ政府に警告していたのにビルマは無視していたという。それどころか、サイクロンは衰えて小さくなると国民に報道していたというではないか。
多大の被害を起こした原因は高潮だったようだ。デルタ地帯がこの高潮で海水を被ったのである。稲の被害も甚大なので、今後、ビルマの食糧不足が予想される。なんとかこの機会に、時代錯誤でアブノーマルな軍事政権を倒して欲しい。

四川省というと、マーボー豆腐、パンダ、諸葛孔明、世界遺産の都江堰が有名だ。この四川省へわが国のハイパーレスキュー隊が昨夕、成田を飛び立った。もう到着しただろうか。もっと早く呼んでくれたらよかったのに。
四川大地震は内陸では世界最大規模の地震だった。13年前の阪神・淡路地震の30倍だという。M7.9で断層が300㎞にわたって動いた。震源地は成都北西の都江堰付近で深さは浅く10km程度だった。現在、死者は2万人、最終的には5万人程度になりそうだ。テレビのニュース映像をみると戦争で破壊されたように街が瓦礫の山になっている。歴史に残る災害といっていいだろう。
こんな状況なのに聖火リレーは規模縮小ながら行われている。共産党幹部は感動的なシーンを報道せよと命じている。シナはそういう国家なのだ。
インドプレートがユーラシアプレートを押し上げ、チョモランマのあるヒマラヤを造形した。そして四川盆地にも歪を溜めて数多くの活断層をつくった。
この巨大直下型地震、けっして聖なるチョモランマを聖火リレーで汚したことによる仏罰ではあるまい。四川省はシナの食料庫といわれている。これでシナの食料高騰になる恐れもある。シナにとって大いなる試練だ。

国旗への侮辱

2008年05月06日 | Weblog
シナや韓国で反日運動が激しいときは、日の丸が踏んづけられて焼かれるシーンがニュースでよく報道された。小生、あまり国旗には執着しないが、少し嫌な気持ちにはなる。
子どものとき、学校の運動会には国旗掲揚と君が代斉唱がペアになっていた。今、考えれば何故に高が運動会にそれが式進行のプログラムに組み込まれていたのか理解に苦しむ。スポーツとナショナリズムのコラボを政治が仕組んだのだろうと思う。日本では他国のにしろ自国のにしろ国旗を抗議の為に辱めることはないと思う。国民性によるのかもしれない。ただ、沖縄国体のとき、読谷球場でポールから日の丸を降ろしてライターで火をつけた事件があった。あのシーンは目に焼き付けられている。あれを行ったのは象の檻の地主で後に村会議員になった知花という人だったと思う。この事件については本になっているので読んでみたいと思っている。
先月からシナで続いているフランスのスーパーであるカルフールへの抗議活動は目に余るものがある。カルフールの大株主がダライ・ラマに経済的支援を行っているという噂だけでシナの烏合の衆が営業妨害をやり、シナ政府は黙認しているのである。下記のロイター提供写真のようにフランス国旗をも侮辱している。

(ジャンヌ・ダルク=売春婦 ナポレオン=変態 フランス=ナチ コルシカを解放せよ)
確かにパリには国境なき記者団の本部があり、聖火リレーのときの妨害も甚だしかった。サルコジ大統領もオリンピック開催式への出席には否定的な声明もした。小生、この騒動でカルフールがシナ各地に多店舗展開していることを初めて知った。サルコジさんも13億人のマーケットを無視できず、シナに特使を送ったそうだが。北京オリンピックでフランスの国旗が上がる度に何事か起きそうである。
たしかシナは新幹線の建設にフランスのTGVの技術を導入することが決まっていたのではないか。これは日本の企業の千載一遇のチャンスかもしれない。