ある旅人の〇〇な日々

折々関心のあることや読書備忘を記録する

アイドル歌手はどこへ行った

2009年04月30日 | Weblog
昔の「スター誕生」のようなテレビ番組もないし、歌番組も激減したせいか、アイドル歌手と呼ばれる対象が消えた。松田聖子、中森明菜、小泉今日子のような元アイドル歌手。この前、介護を抱え込んで自殺してしまった清水由貴子もそうだった。天地真理はどこに行った。アイドル歌手という言葉自体が化石になってしまったようだ。時代が変わったのか。池田信夫氏がブログで述べているように、マーケティング戦略によって生まれた歌というものが飽きられてしまったのか。次に歌が流行するのはいつになるのだろうか。
北野誠とラジオ番組で問題発言した竹内義和の著作に「清純少女歌手の研究」(青心社、1987年)というのがある。そこには「アイドルって、結局、清純少女歌手の事だったのではないでしょうか」と述べられている。もしかして、清純な少女がいなくなったのか。
演歌歌手の西川峰子が離婚した。16歳のデビュー曲は「あなたにあげる」だった。唄はうまかったが、今思えば衝撃的な歌詞だった。ミリオンセラーになった曲。彼女はアイドル歌手の範疇には入れにくい。「♪いやぁ~よ いやいや子供じゃないわぁ」
西川峰子は数年前に隠岐島の後鳥羽上皇の墓守だという由緒ある家柄の村上何某という男と結婚したのだが、だれも長続きするとは思わなかっただろう。その伴侶は、年下で逆玉の輿であったが浮気をしてしまった。でも西川は我慢して努力したようだ。記憶に新しいタレント藤原紀香の元夫の陣内何某と同じパターンではないか。

新語・流行語

2009年04月28日 | Weblog
「豚インフル」がフェーズ4の警戒になって新型インフルに名称変更された。これでパンデミック(感染爆発)の恐れがあるようだ。マスクメーカーのかきいれ時だ。大恐慌に新しい流行病、むかしなら末法思想がはびこりそうだ。

公然わいせつの草なぎ君の替わりにスク水の「地デジカ」のゆるキャラが発表された。スク水は何かの清涼飲料水だと思ったが、スクール水着の略だという。ロリコンの水着か。最初、「地デジカ」のカを「リョク」と読んでしまった。老人力のような使い方だと思ってね。「ゆるキャラ」もよく分からんが、縫いぐるみを着たキャラクターのようだ。
イジラレキャラというのもよく聴く。からかわれ易いタイプの人物のことのようだ。イジメの一歩手前か。

ノンフィクションの佐野眞一が「大文字言葉」というのを使い始めたら、最近、よくこれを見かけるようになった。金太郎飴、ステレオタイプ、お約束のような個性もなく面白くもない言葉のようだ。

「ラテ欄」てなんだろうと思った。文脈からテレビ番組表だろうと想像したが、ラジオ・テレビ欄の略だった。悩んだオレが馬鹿だった。

「ビミョウ」というのもよく聴く。本来は微妙なのだろうが、違った意味に使われる。返答したくないとき、表現しにくいときに発せられている。CMなどでもよく聴くが、聴きたくない言葉のひとつである。

「上から目線」というのも溢れている。傲慢とか横柄な態度の意味か。麻生首相みたいな人のこと。若いころ、演説で「シモジモの皆さん」とやったらしい。ほんまかいな。

「何気に」とか「さりげに」もよく聴く。「何気に」は数年前からだと思っていたが、〔日本語俗語辞書〕によると[1] 何気にとは「何気なく」「何となく」「さりげなく」といった意味で1980年代中頃、若者に使われた言葉である。[2] 何気にとは「本当は」「実は」といった意味で使用する若者言葉である。
最近は「その服なにげに似合うね」のように、わりあい、なかなか、の意でも使われる。
そうなのか。小池百合子先生やホリエモンまで使ってら。わしが年寄りになってしまったかいな。聴きたくない違和感のある言葉である。

読書録「沖縄力の時代」

2009年04月26日 | Weblog
野里洋著の「沖縄力の時代」(ソフトバンク新書、2009年)を読了する。「癒しの島、沖縄の真実」(ソフトバンク新書、2007年)の続刊のようなもの。今回はどんな切り口で沖縄を書くのか期待していたが、総花的であった。
書名の沖縄力とは、沖縄県が転勤したい都道府県の第2位、移住したい都道府県の第1位にランクされているところからきている。「沖縄には不思議な磁場があり、磁力があるようだ」と。
特に目新しいことは述べられてはいないが、著者の沖縄でのジャーナリストとして40年間の体験があるので説得力がある。
ウチナーンチュの側に意識の深いところで沖縄と本土との間に塹濠のような溝を感じていること。沖縄/日本という対立する視点でみる人がいること。本土復帰前の変動相場制というニクソン・ショックへの対応。県民の政党支持へのバランス感覚。米国との交渉では国力の差でどうにもならんこと。
さらに、基地所在市町村活性化事業や北部振興企業交付金が地元の活性化につながっていないことを数値で示してくれている。沖縄の経済自立を目的にしながら、ますます自立できなくなっていること。「沖縄では困った事態になると、特別に救済措置を訴える。そうした姿勢は、沖縄に自立できる力を育む結果になったのか。私は、現状と将来を憂えている」と結ぶ。
新しい情報としては、瀬底島の大型リゾートホテル建設が昨年のサブプライム問題で中断してしまい、廃虚になりそうなことである。軍艦島など廃虚ブームにはあるが中断廃墟では価値がない。ほかにも大型リゾートホテル建設計画がいっぱいあったようだ。宮古島と伊良部島を結ぶ架橋の計画も実行されつつあり、2013年に竣工予定だそうだ。小生としてはその予算320億円でもっと持続発展可能な他の事業があるのではないかと思ってしまう。
故筑紫哲也氏についても取り上げている。「筑紫さんはよく、沖縄を『少数派』として捉え、『多数派』である本土がこれにどう対処すべきか問うていた」と。
前著の「癒しの島、沖縄の真実」の帯のキャッチコピーは筑紫さんが書いていた。
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同じころ、彼と私は記者として米軍統治下の沖縄に渡った。私は3年で戻ったが、彼は40年住み続けた。
本書には「内と外」との眼を併せ持つ者のみが描きうる「真実」が溢れている。
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鬱陶しい一日を楽しませてくれたと言っていい。

野里洋氏の新刊

2009年04月25日 | Weblog
野里洋氏の新刊「沖縄力の時代」(ソフトバンク新書)がでているのを知り、早速取り寄せた。彼の著書に外れはないからである。読みやすいので一日で読めそうだ。
下記三冊は、彼の著作と読書録である。

「癒しの島、沖縄の真実」(ソフトバンク新書、2007年)
http://blog.goo.ne.jp/gooeichan/e/5b99fd5e334d4cd600cd327fccee0812

「汚名 第二十六代沖縄県知事泉守紀」(講談社、1993年)
http://blog.goo.ne.jp/gooeichan/e/dec385fd30d685f2d2339af02b2d6136

「昭和十六年 早川元・沖縄県知事日記」(ひるぎ社おきなわ文庫、1985年)
http://blog.goo.ne.jp/gooeichan/e/647937bf81b769ac5c427b4cdfab684a


昨日の図書館本
○「沖縄劇映画大全」(世良利和、ボーダーインク、2008年) 
観たい作品が多いが媒体が販売されていない。残念だ。
○「苦い砂糖」(原井一郎、高城書房、2005年)
奄美の黒糖問題と解放運動に関しての著作
○「山椒大夫」(溝口健二監督作品、DVD)

お巡りさんに

2009年04月24日 | Weblog
昨日の昼下がり、さっそうとでもないが自転車で旭川の土手を走っていたら、暇そうなお巡りさんが二人いて止められた。生涯2回目である。防犯指導したいと言って、ロックはひとつだけかと質問してきた。ワイアーロックが前のカゴに入っていたので見せた。名前も聞かれた。ちょうど定額給付金の入金も近づいたので自転車を買い換えようと思い、防犯カードを最近みていたので8年前にどこどこで買ったという余計なことまでしゃべってやった。そうしているうちに背後でもうひとりのお巡りさんがしっかり防犯ナンバーを入力してチェックされてしまった。それが目的だったのだろう。
新しい自転車は近所のホームセンターで買うつもりだ。26インチのモスグリーンで1万円弱のもの。今乗っている自転車24インチは酷使しているし、何度も倒され傷ついている。両輪ともタイヤは坊主になってひび割れ、交換すれば8千円もかかる。最近は、けっこう長距離遠征することも多いので買い換えがベターであるのは火を見るより明らかだ。

昨日の朝、ワイドショーでタレントの草なぎ剛君が公然わいせつで逮捕されたという速報が入っていた。痴漢でもやったのかと思ったが、泥酔を覚まそうとして深夜の公園に入ってストリーキングをやってしまっただけであろう。お巡りさんしか、草なぎ剛君のイチモツを見ていないようなのに逮捕とは大仰な。本来なら、留置場に保護して、朝になったら説教して解放する程度のことではなかろうか。それが自宅の家宅捜査までやられてしまった。マスコミも騒いで重大事件のように報道した。鳩ポッポ大臣まで怒り心頭して「最低の男だ」と罵っている。こんなに大騒ぎになると草なぎ剛君のタレント生命は終わってしまいそうである。地デジのCMのメインキャラクターになっているし、公開近い映画もあったのでジャニーズ事務所の損害も莫大なものになるのかな。稲垣吾郎君のときは半年間程度の謹慎で済んだが、今回はその程度では済まないだろう。

北野誠の謹慎処分とは

2009年04月21日 | Weblog
先週、タレントの北野誠が芸能界を追放されるというネット記事を読んだ。何か取り返しのつかない問題発言をしたことが原因らしいが、それが何なのかイマイチ分からない。テレビのワイドショーでも事情を知っているはずの芸能記者たちもしゃべれない様子。ということは北野誠が何かタブーをしゃべったのではないかと勘ぐる。
ABCラジオ「誠のサイキック青年団」で問題発言をしていたのだ。北野誠が所属する松竹芸能と、番組を放送した朝日放送が、日本音楽事業者協会に退会届を提出するほどまでの重大なこと。
松竹芸能のサイトで次のような事情と謝罪が載っている。
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北野誠の処分について

当社専属タレント北野誠が、朝日放送ラジオ番組「誠のサイキック青年団」及び関連イベント内の不適切な発言により、関係者の方々に多大なるご迷惑をお掛けし、また聴取者及びイベント参加者に大きな誤解を与えましたことを、深くお詫び申し上げます。

当社は、この事態を深く受止め、北野誠を謹慎処分(無期限)とし、関係する役員・社員を社内規定に基づき、懲戒処分と致しました。

今後、当社内で再発防止を徹底する同時に、全社員がタレントマネジメントの「プロフェッショナル」としての矜持を持ち、高い倫理観と強い危機管理意識を持ち、職務に励む所存であります。

本件に関し、ご迷惑をお掛けしました関係各位に、重ねて深くお詫びを申し上げます。

2009年4月13日
松竹芸能株式会社
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というようなもので、「不適切な発言」と表現され、具体的に何を言って、誰にいちばん迷惑をかけたのか分からない。
以前、北野誠は舌禍事件の前歴がある。歌手の困っちゃうなの山本リンダがヌード写真集を発行したとき、整形手術だの、アイスクリームが溶けたようなボディとか言って誹謗中傷したことである。このときは、北野が山本リンダに直接謝罪したことで収まった。今回は謝罪しても済まない発言なのだろう。

youtubeに「誠のサイキック青年団」での問題発言がアップロードされていたので聴いてみた。北野が相方の竹内としゃべくりまくる番組のようだ。指を詰めるという冗談のような話の流れから、サザンオールスターズのデビュー時、バーニングプロに最初の5曲の版権をみかじめ料のように払ったという他愛もない会話であった。バーニングプロがヤクザと思わせるようでもあった。バーニングプロには確かに芸能界のドンと呼ばれる経営者がいるが。でもこのサザンの話は真実ではなかろう。サザンをスカウトしたアミューズというプロダクションにバーニングプロが資金援助していたので、その関係で版権が提供されたのではなかろうか。
日本音楽事業者協会というのは、芸能事務所が加盟する業界団体。最大最強の芸能プロダクションと呼ばれているバーニングプロが加盟していることから、芸能プロダクションが加盟する業界団体の中では最も力が強いと言われているそうだ。
だから、北野誠の処分はバーニングプロに迷惑をかけたことが原因といってよかろう。その芸能界のドンは若いころ、あの浜幸の運転手をやっていたり、数年前、企業名が企業舎弟としてリストに載っていたりしたのも事実のようだが。

バーニングプロダクションの興味深い話は、去年発行された佐野眞一の「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」(集英社インターナショナル)にも出てくる。沖縄アクターズスクールとライジングプロとの間のトラブルのことで。

奄美とは

2009年04月20日 | Weblog
中学の社会科の授業で地名に読み仮名を書かせるテストがあった。そのなかに「奄美」があった。小生は「おれび」と書いた。教師に呼び出され、「あまみ」だと教えられた。それは数十年前の昔のことだが記憶に残っている。「奄」の音読みは「エン」である。「にわかに」とか、「気がふさがって通じない」という意味があるようだ。「俺」から人偏をとった文字である。奄美の場合は、単なる当て字であろうか。
島尾敏雄の「琉球弧の視点」や島尾ミホの「海辺の生と死」などに接して奄美には関心はあるが、行ってみようと思ったことがなかった。奄美を通り越して沖縄に何度も足を運んだことがあるのだが。今思えば、一度行っておくべきだったなと後悔している。
この数年、谷川健一や吉成直樹の著作を読んで徳之島のカムィヤキや喜界島の城久遺跡のことを知った。奈良・平安朝時代、琉球では三山時代より前のことである。そのころ、奄美には、焼き物の生産拠点や石鍋・中国陶器などの交易拠点があったということがわかってきた。奄美が琉球に影響を及ぼしていたようである。琉球神話の創世神アマミキヨは、もしかして奄美から交易で南下してきた人々のことではないかと思っている。

先月、今年が薩摩の琉球侵略400年ということでネット検索していて見つけたブログで「奄美自立論 四百年の失語を越えて」(喜山荘一著、南方新社)という新刊がでていることを知った。目次をながめて、ぜひ読んでみたいと思って取り寄せた。
与論島生まれの著者はずっと前に「二重の疎外」という概念に気づき、温めていて、数多くの資料を読破してこの著書を執筆したようだ。薩摩による「奄美は琉球ではない。大和でもない」という二重の疎外。著書にはこのフレーズが何度も発せられている。薩摩は琉球を間接支配したが、奄美を直接支配した。奄美からは琉球との関係を示す古文書類は没収された。奄美直接支配については薩摩は徳川幕府にひた隠していたという。大陸からの冊封使が奄美に来島することもあるので大和でない振りもしなければならなかった。苗字は一文字姓にされた。元、竹、中など・・・・。黒糖貢納のため、稲作さえ奪われた。亜熱帯モンスーン気候で稲作ができないのである。奄美島民の根拠すなわちアイデンティティさえ奪われたといっていい。それが失語となってしまう。自己主張しない民になったという。徹底した植民地支配であった。貢納制度もどんどん厳しくなってゆく。
黒糖貢納制度の推移、近代になっての島民の抵抗、戦後の米国支配から本土復帰までの島民の心の揺れ、鹿児島の歴史学者原口虎雄批判など興味深い。参考文献も多数。
書名や著者のマーケティング歴から奄美の経済自立の具体策に少し期待していたが、方向性程度しか述べられていない。観光資源や特産物の掘り起こしまたは創出、それらの情報発信など。主張する奄美になればいいのだろう。アマシンを有効に利用すれば尚更いい。ヤンバルの辺戸岬の近くにある「ヤンバルクイナ展望台」のような施設は無駄になるので止めてもらいたい。あのヤンバルクイナはヨロンケンポウでも見ていたのかな。
薩摩出身の政治家山中貞則は琉球侵略について彼の書物の中で謝罪しているそうだが奄美への謝罪はないという。そういえば、薩摩出身の作家海音寺潮五郎は沖縄で講演したとき、やはり琉球侵略について謝罪したと聞いている。

定額給付金と豚角煮と松本清張

2009年04月16日 | Weblog
昨日の朝、郵便局にいくと年寄りがとぐろを巻いていた。みると色つきの封筒をもっていた。定額給付金の受給手続きにきているようだ。俺んちにも午後、郵送されてきていた。通帳と健康保険証の写しを添付して申請書を郵送しなければならないようだ。今日中にやっておこう。
最近、あまり食欲がない。空揚げも食い飽きている。夜、コープに買出しに行くと、豚角煮が半額で売られていた。角といいながら細長い棒状になっていた。300g程度が250円。これが柔らかくて実に味がいい。口に入れるととろけそうになる。天才イチローのことばを借りれば、気持ちよくてイキそうな味と舌触り。こんな豚角煮は初めてだ。あそこまでするには相当な時間がかかるだろうし、調味料も多種入れている。料理挑戦は止めておこう。時々、買って食べよう。

今年が松本清張生誕100周年らしい。この前、テレビで清張原作の2時間ドラマ「駅路」をみた。キャストがいい割に内容が伴わない。役所広司、石坂浩二、十朱幸代、深津絵里、木村多江などギャラが高そうな俳優陣。定年退職したばかりの石坂浩二が金のために殺害される事件。石坂浩二と深津絵里が不倫関係にあることがストーリーに趣をつけてくれてはいるが。
偶然、古本市場でDVD「砂の器」をみつけ、買って昨日みた。1974年に公開され、話題になった映画である。監督が野村芳太郎で松竹のオールキャスト出演。丹波哲郎、加藤剛、森田健作、島田陽子、山口果林、加藤嘉、緒形拳、佐分利信、渥美清・・・・・。むかし、テレビで放映されたときにみたと思っていたが、そうではなかったようだ。亀嵩は島根県の出雲にあったのか。結末は知っているのだが、実に面白かった。映画音楽がいいし、クライマックスの構成がうまい。捜査会議、コンサート、回想シーンの組み合わせが実にいい。

おとぎの国の迷い道~倉敷チボリ

2009年04月14日 | Weblog
昨日の深夜、何気なく(何気にではない)テレビをみていたら、倉敷チボリのドキュメンタリーをやっていた。この作品は「日バラ・第18回FNSドキュメンタリー大賞」というのを受賞したようだ。
テレビ番組欄を開いてみれば「開園当初、年間300万人近くが来園し、倉敷市のみならず岡山県の観光に大きく寄与をした倉敷チボリ公園。しかし、次第に入園者数は減少し、公園事業は悪化。累積赤字は143億円にまで膨れ上がり、昨年末に11年半の公園事業に終止符が打たれた。番組では公園を支えた従業員たちの奮闘の日々や、公園の在り方に関わった人たちの証言をもとにチボリに対する想いの迷走を検証する」と概要が書かれている。
ことの起こりは、岡山市政100周年記念事業としてチボリ公園事業が降って沸いたということだ。岡山県と岡山市が主体の第3セクターであるチボリ・ジャパンが設立され計画が作られ、進められるわけである。たしか、東京ディズニーランド誘致に手腕を発揮した堀貞一郎に依頼してチボリ誘致に成功するのだが、その成功報酬が数億円だったというので問題になっていた記憶がある。
しかし、岡山市長が選挙で松本氏から安宅氏に変わって、新市長がチボリ事業の採算性を見直したら、採算が取れないということになり、岡山市は断念する。業績のよい東京ディズニーランドを参考にして年間400万人の入場客で試算していたというのだから愚かだった。
だが、知事の長野氏がここで止めたら岡山の国際的信頼性をなくすという理由で倉敷のクラボウ工場跡地を借地して計画を続行することになったとドキュメントは語る。その陰には、すでにチボリ・ジャパンがデンマークのチボリ・インターナショナルにデザイン料20億円支払っていた事実があったそうだ。計画は先行していたのである。この事業に民間企業として阪急が入ることになっていたが逃げられたという。倉敷市は建設費100億円を提供したが事業運営には参画しなかった。
公園がオープンしてからも追加投資もあまりせず、施設のリニューアルもほとんどなかったようだ。アミューズメントパークに施設リニューアルがなければ飽きられてしまうのだ。損益分岐は入園者数200万人が設定されていたが、ついに100万人を割ってしまう。客単価も5000円以上を設定していたのに3000円程度になっていた。コストカットもいろいろ実行されたが焼け石に水だった。
もうテーマパークの時代は終わっていたし、もともとローカルな都市では無謀な事業であった。累積赤字で資本金を全部食ってしまった。県の負債は1兆円超えているそうなので143億円なんて目じゃないか。

昨年、チボリについて書いたブログ記事:倉敷チボリ公園の閉園

食い物考

2009年04月12日 | Weblog
キャベツ@300円、レタス@200円、大根@200円とは、ちと高い。でも好きなので食べている。それに比べ、カリフォルニア・レーズン300g188円は安い。生協ブランドなので流石に、植物油脂でコーティングしていない。こんなに干しブドウがうまいものだとは知らなかった。
冷凍カレイを煮付けにしたら、まずかったので空揚げにしたら美味しかった。それから、イワシ、ママカリ、鶏と空揚げ料理が続いている。飽きたので当分、空揚げは止めておこう。東南アジアは空揚げ料理がけっこう多い。油で炒めるものも多そうだが。タイ北部のチェンマイのレストランで魚料理を頼むと川魚の空揚げが出てきた。ひとつはナマズだった。マレーシアのクアラルンプールでチキンライスを注文したら、皿の白いライスの上にブロイラーの空揚げが載ってでてきたのにはビックリ。インドネシアのジョグジャカルタでも鶏の空揚げを食わされた。

もうテレビで「レッドクリフ」が放映されている。去年、映画館で封切られてあまり経っていないはずだ。パート2封切前の宣伝としてみせているのだろう。赤壁を英訳してレッドクリフか。魏呉蜀の三国時代か。日本では卑弥呼の邪馬台国の時代だ。

棄霊島

2009年04月11日 | Weblog
内田康夫の「棄霊島」を読了した。けっこう味わい深いものがあり、久しぶりに楽しめた。
静岡の遠州灘の御前崎に近い海岸で男の他殺体が発見された。その男は浅見光彦が長崎五島列島の取材で世話になった元警察官の老人だった。浅見光彦はその事件の参考人扱いされて、いつものように深く関わっていく。殺人事件の伏線は、約30年前の軍艦島閉山時の事件にあり、さらにその閉山時の事件は戦中の軍艦島のできごとに根を持っているという込み入ったストーリーである。拉致問題、靖国問題もからんで複雑だから面白いのだろう。
このミステリー小説で軍艦島のことを知ることができた。軍艦島の正式名称は端島(はしま)である。岩礁の小さな島だったが、擁壁で囲い、採炭のズリで埋め立てて6倍の面積の人工島となった。明治・大正・昭和の83年間採掘し、日本の近代化に大いに貢献し、1974年に閉山となった。終戦時には朝鮮人500人、中国人200人が強制労働させられていたという悪名高い三菱鉱業の炭鉱だった。そのようなこともこの小説は教えてくれる。浅見光彦シリーズは旅情ミステリーともいわれるが、けっこうその土地の歴史も学べるので捨てたものでもない。
昨日、日本一の県立図書館で軍艦島の写文集5冊を借りてきた。廃墟の写真は無機質で面白くない。やはり、昭和30年代あたりの全盛期の生活感ある人々の写ったものに関心がもてる。「軍艦島 海上産業都市に住む」(岩波書店、伊藤千行撮影、1995年発行)がいちばんいい。伊藤千行さんは軍艦島に在住していた鉱員で、趣味で写真を撮って、自分で現像・焼付けをしていたアマチュア写真家でもあった人。
芸術的と思われる写真がいっぱい。青空市場での賑わい、生き生きとした生活者、鉄筋コンクリートの社宅群、小説にも使われる端島神社・・・・。小中学校や病院もあり、人口5000人以上いたというのだからひとつの都市だった。それが閉山で無人になったのだから、そこはかとなく感慨深いものがある。








軍艦島

2009年04月08日 | Weblog
今月から長崎の軍艦島(端島)が見学上陸できるようになる。炭鉱の島が廃墟の島となり、観光の島としてよみがえる。東西の長さ約160メートル、南北の長さ約480メートルの島で盛時には5千人以上の人口があった。1億5千万円の費用を投じ、南東部に桟橋や約220メートルの見学通路が整備された。そこから崩れかけた高層アパートや学校などを見渡すことができるという。
廃墟が観光資源として活用されるのはいいことだ。JALが「池島と炭鉱坑内体験と軍艦島に上陸の旅2日間」のツアーを発売し、近畿日本ツーリストも「軍艦島上陸と長崎近代化産業遺産群」というツアーを販売する。長崎市が1人300円(小学生は150円)の上陸料を徴収するのもいいことだ。
昨年、内田康夫の浅見探偵シリーズの「贄門島」を読んでから、次は「棄霊島」を読もうと思っていたが、これが軍艦島を舞台としたミステリーだと知り、古本店で単行本上下巻をみつけてさっそく買って読むことになった。帯に「惨劇の舞台は長崎の海に浮かぶ廃墟の島・軍艦島。殺された友人の無念を胸に、浅見はひとり『巨悪』に闘いを挑む!」と書かれている。

プロ野球とサクラ

2009年04月06日 | Weblog
3日にセ・パ両リーグが同時開幕した。WBC優勝の影響か、かなり盛り上がっていたように思う。セリーグは中日、パリーグは楽天が3連勝した。巨人が1勝もできなかったのは意外である。WBC代表選手はあまり活躍していない。ひとりも代表選手を出さなかった中日が絶好調。名将原監督が勝てる采配ができていない。やはりWBC燃え尽き症候群が起こったのか。天才イチローさえ胃潰瘍で故障者リストに入ったというではないか。でも、巨人は、いずれ勝ち上がって来るだろう。

後楽園近くの旭川土手の桜の写真を撮ってきた。さくらカーニバルも終わり、テントの屋台が撤収していた。桜も散り始め、葉が成長してきていた。









ツクシの味がなつかしい

2009年04月05日 | Weblog
百間川の河川敷ではヒバリがピーピーと鳴き、土手では年寄りがツクシを摘んでいた。すっかり春だ。もうツクシを食べたのは昔のこと。なんとなくあの味が懐かしい。最近の若いのは食ったことないだろうな。フキの塔の味も思い出す。後楽園近くのさくら道の桜も満開だろうから、明日にでも写真を撮っておこう。
小生、もともと痔症だが、最近は切れ痔で憂鬱である。排便するのが億劫なので余計に便が固くなってしまい、悪循環である。傷口が治らないようなのでドラッグストアで「奥田ぢ坐剤」を買ってきた。10個入り880円の坐薬である。これで早く治そう。

今日打ち上げた北の飛翔体は、搭載物が二段目ロケットとともに太平洋の藻屑となった模様。通信装置を軌道に乗せることが目的だったなら失敗であろう。だが、日本に嫌がらせをし、米国にも脅威を与えることが目的なら成功だったかもしれない。更なる経済制裁があるのは火を見るより明らかだ。
北朝鮮が今回の「長距離弾道ミサイル」発射にかけた費用は約300億円だという。300億円あればコメ100万トンを購入でき、北朝鮮の1年分の食糧不足分を解消できるそうだ。まさにキチガイ王国である。取り残された遅れた国家である。金王朝が倒壊するのはいつになるのだろうか。でもこれからも何らかの脅しがあるだろうな。

入社式とやら

2009年04月03日 | Weblog
静岡の造船会社が新卒19人に入社式の前日に内定取り消しを行ったという記事を読んだ。内定取り消しの理由は、3月31日に金融機関からの融資が受けられなくなったことが決まったからだという。酷い話だと思った。入社を予定していた新卒は、新居に引越したりして、新しい電気製品やら家具やら揃えて希望に燃えて新しい生活の準備をしていただろうに。あまりにも運が悪すぎる。会社の責任も重い。工場はすでに操業休止しているようだ。もっと早い時期に内定取り消しを行ったほうが良心的であったろう。
テレビニュースで全日空とローソンの入社式での社長挨拶スピーチを紹介していた。全日空はダーウィンの進化論をとりあげて、適者生存について話していた。ローソンは、今までの仕事方法などを変えるよう挑戦して欲しいということを強調していた。どちらもオバマさんの「チェンジ」である。昔から企業は環境適応業といわれてきたので別に目新しいことではなく、当たり前のことである。もっと気の利いたことが言えないのだろうか。そんなスピーチを紹介するテレビ局に面白みもありゃしない。

昨日の後楽園さくら道の桜は7分咲きぐらいである。この土日は生憎の天候のようで勿体無い。人が大勢出てくれれば少しでも景気はよくなるであろうに。

昨日の図書館本
1.「新薩摩学 薩摩・奄美・琉球」真栄平房昭ほか 南方新社 2004年
(「外から見た薩摩・奄美・琉球」をテーマとして奄美を中心に、三地域を歴史、文学、民俗学等の視点で捉え直し、新しい三者関係の構築をめざした論文集)

2.「幕藩制国家の琉球支配」紙屋敦之 校倉書房 1990年
(亀井琉球守、琉球国司、七島郡司、琉球使節、女真族など、これまでほとんど省みられることのなかった史実の解明を通じて16,17世紀の東アジア世界の変革期における、幕藩制国家の琉球支配をあとづける)

3.「ヤコウガイの考古学」高梨修 同成社 2005年
(ヤコウガイは本州に生息しない貝にもかかわらず、古代より螺鈿の原材料として珍重されてきた。その供給地域はほとんど未詳とされてきたが、近年奄美大島の古代遺跡から大量に出土し注目されている。本書は、古代~中世段階の琉球孤の国家境界領域を中心とした交易史を、これまでの沖縄中心史観から脱却し、ヤコウガイによって考古学的に明らかにしようとする野心的な試みの書である)