連休明けの木曜日は生憎の天気で鬱陶しい。
海外でゴールデンウィークを楽しんできた人たちは、一様にマスクをして帰国している姿は何と異様な光景か。新型インフルは当分、収束しそうにない。
NHKテレビが、連休の3日間の午前中、
経済ドラマ「ハゲタカ」の再放送をしていたので、少し観たが、面白かった。いいドラマだったからな。
その最終話が昨日済んだ後、「NHKスペシャル マネー資本主義 第1回『“暴走"はなぜ止められなかったのか』」を観たがこれも実に濃い番組だった。これも再放送。
ラテ欄では下記のようにコンテンツがまとめられていた。
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マネーの暴走はどうして起きたのか。なぜ誰も止められなかったのか。ウォール街の関係者を緊急取材、金融危機の主役となった投資銀行の躍進から破たんまでの道のりを描く。
金融危機はなぜ起きたのか。巨大マネーはどのように膨張していったのか。マネー資本主義の歴史と背景を徹底検証する大型シリーズの第1回。経営破たんしたリーマンブラザーズなどの「投資銀行」を追う。これまで沈黙を守ってきたウォール街の当事者が、少しずつ真相を語り始めた。そこには「超レバレッジ」や「高額報酬」に踏み込みながら、すさまじい競争を繰り広げる業界の姿があった。30年の成長と転落の物語を新証言で追う。
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キャスターは、すでに退職している松平定知氏である。サントラはチャップリン映画の「モダン・タイムズ」のスマイルが流れ、気だるい感じがいい。
昨年の金融危機で株価は50%低下し、4000兆円の富が消えた。
さすが世界のNHKだ。投資銀行の元大物経営者やら元トレーダーにインタビューしているのである。その前に公聴会のような場所で雁首揃えた各投資銀行の経営者に対して、彼の報酬は70億円とか25億円とか数字を表示するところは俗物的であきれた。
最初のインタビューは元ソロモンブラザーズ会長の伝説的人物グッドフレンドである。彼に言わせれば、この業界の人間はギャンブラーか強欲ばかりだそうだ。あんたもそうだろう。彼が、約30年前に金融市場最大の発明といわれるモーゲージ債を世に送り出したのである。自ら住宅ローン債を買って、商品として販売するというもの。自己勘定と言っていた。これがリーマンブラザーズのサブプライムローン問題につながってくるわけであるが。
続いて、ゴールドマンサックスの海外市場への進出。最初はロンドン市場だったが、アジア市場にも。もちろん他社も追随した。ついにリーマンブラザーズがサブプライムローンの領域に踏み込むことになる。彼らは、サブプライム層がローン会社から強引に貸付を受けていたことを知っていたのだ。収益分野が減って焦っていたという。ローン会社まで買収してしまうことになる。レバレッジでリスクもでかくなっていた。
CDOという商品の説明もあった。いろんな債権のごちゃ混ぜで国債、社債、ローンなどが混ぜられている。これらは金融工学を駆使して中身の分からないものになっている。それらを投資家が買わされていた。
そうか、金融資本主義の根源はモーゲージ債にあったのか。