ある旅人の〇〇な日々

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耐震偽造の構図

2005年12月02日 | Weblog
次第に見えてきたようだ。先月下旬の初め頃、急に耐震強度のねつ造が発表されて、まず姉歯建築士がマスコミの矢面に立っていた。悪びれた様子もなく、淡々と偽造したことを話し、建築確認機関がそれを通したのが悪いと言っていた。
発覚したのは、外部から検査機関イーホームズに姉歯がねつ造をやっているという通報があり、内部監査をやると次々と出てきたということだ。そのうちオジャマモンと呼んで下さいというヒューザー小嶋社長が登場した。小嶋社長がテレビのいろんなワイドショーに出演して釈明をしたが、疑惑が深まるばかりだった。小嶋社長の演歌まで聴かされてしまった。

(誰が誰だ?!)
ついに国会の場に参考人として、小嶋社長、イーホームズ社長、シノケン社長、木村建設社長らが招致され劇場化した。小嶋社長の不規則発言はマスコミ受けして何度もテレビに流された。姉歯建築士は、別の設計事務所長が自殺したことで怖くなり欠席していた。ねつ造発覚で、ヒューザー、イーホームズ、姉歯建築士、設計事務所の人たちが集まり、今後どうするか話された内容も明らかにされた。

最初、ポイントとなるものは、姉歯建築士が勝手に偽造したのか、それとも建築主や施主の圧力でやらされたのかだった。結局、どうやらポイントは、建築主や施主が安全性の領域まで侵してコスト低減をやろうとしたことだと分かった。ホテル建設のねつ造では木村建設の指南役である総研というコンサルタント会社の影が見えてきた。総研は、主に建設会社を対象としてコンサルを行ってきたようだ。ホテル事業を始めようとする事業者を指導して建設は木村を紹介していた。

姉歯建築士が携わった構造設計は二百数件あり、そのうち二割程度が偽造されたと判明している。さらに拡大して行きそうだ。被害者はホテル経営者とマンション購入者。ホテルは営業停止して損失も多額になるだろう。マンション購入者もローンの支払いに不安がある。今後は安いマンションは疑って見ないといけないな。建築確認機関もザルであることがわかった。