枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

冬の夜

2008年12月18日 | Weblog
 ♪とぉもぉしぃびいちぃかぁくぅきぬぬう母は・・・

 冬至までの陽の暮れはめっぽう早い。子どもの頃には、学校から帰る間もなく、手伝いが待っていて、祖母や母が水汲みをしていた風呂を焚きつけて沸かす。

 宿題は、風呂場の火の明かりでした。風呂の側は、暖かいようで囲いがないため結構寒いのだ。それでも、電気をつければ叱られるのよりいい。

 祖母に栗や芋を焼いてもらうのも楽しみだった。母は夕餉の仕度に忙しい。父が仕事を終えて帰宅すると、風呂かご飯かで腹の虫が騒ぎ出すので、祖母はそこのところを心得ていて、ご飯に障りないほどを内緒でくれる。

 といっても、暗黙の了解でわかっていたのだが。夏や秋に蓄えていたり、保存していたりの物は、畑で丹精込めて作っていた。ひもじい思いではあったようなのに、満ち足りた思いに浸れる。

 母は、自分の生まれ、育った家にたった一人で暮らしている。それが不憫でならないが高齢の母には、何処にも行きたくない気持ちでいっぱいなんだろう、と思える。

 宅配の親切な小父さんが、腰が痛いというので、枇杷葉を教えてあげた。それから1年経って、今度は血管の調子が、と言われるので、枇杷茶を幾つか差し上げ、根気良く飲んでみられたら、と話した。

 2、3日して来られて、おいしいです。とうれしそうに話し、これなら続けられそうです。と満面の笑顔である。よかったねぇ。誰かのお役に立てていることが、なんだかやさしい気持ちになれる。

 枇杷で広がっていくのが心の深いところで、春風のようだった。

 ねじ花です。3本ほどが、庭中に広がって咲いています。
 初夏の庭に、やさしい色合いを添えています。
コメント
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