恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

「改憲」というクーデター行為

2006年02月27日 | 憲法
■ 自民・民主の「逆温度差」

昨日26日、大坂で各政党の代表者が参加した公開討論会が行なわれました。
改憲のための国民投票法案について、自民党の船田元氏は、「(今国会期末である)6月までに何が何でも、という気持ちはない」と語り、今通常国会での成立を急がない考えを示しました。
これに対し、民主党の枝野幸男氏は、「機は熟している」「タイムリミットは近い」など成立を急ぐ立場を強調しました。
自民党ではなく、党内の意見集約さえ手間取っている民主党がこれほど急ぐのは、不思議な気がします。一体この「逆温度差」は何なのでしょうか。

■ 民主党内「改憲派」の焦り

まず、民主党内には参議院を中心に依然として根強い慎重論があります。
現在の民主党執行部は、前原代表をはじめ改憲派ぞろいですが、9月に代表選を控えています。党内の「前原降ろし」の声も強く、再選が危ぶまれています。
「秋の特別国会・臨時国会では、代表が替わっている可能性がある。何としても今通常国会のうちに党内で、改憲への道筋をつけておかなければ。」
これが、焦りを見せている枝野氏らの本音ではないでしょうか。

■ 改憲問題への意見反映

また、与党との関係で言うならば、民主党は改憲の「キャスティング・ボート」を握っていると言えるでしょう。
改憲の発議は、「両院の三分の二以上」の賛成が必要となりますが、ご存知の通り、与党は衆議院ではこれを確保していますが、参議院では三分の二に及びません。与党は民主党に協力を求める必要があります。
民主党はこの立場を利用し、出来る限り、改憲問題で自党の意見を反映させていきたいという思いでしょう。

■ 与党側の譲歩

実際、自民・公明両党は、国民投票法案の内容について、民主党案に歩み寄りを見せています。
国民投票の有資格者について、「20歳以上」ではなく、民主党案の「18歳以上」にすることや、投票の仕方について「一括方式」ではなく、民主党案の「個別方式」(条文ごとに可否を示す)にすることなど、民主党の意見に譲歩しながら、協力を要請しています。
もちろん、単純に「○か×か」を問う「一括方式」は最低です。しかし、「個別方式」だから良いと言い切れるものではありません。

■ 「個別方式」容認という「自殺行為」

仮に「個別方式」に基づいて投票が行なわれ、ある条文は守られ、ある条文は書き換えられたとしましょう。
憲法全体を見て、整合性がとれたものになるでしょうか。あちらは自民党案、こちらは現行のまま、といったように、あちこちに矛盾が起こってくるのではないでしょうか。
そのとき、自民・公明両党は「民主党案を採用して“個別方式”にしたが、結局は矛盾だらけになった。」と民主党を攻撃した上で「もう一度“一括方式”でやり直さなければならない。」と言うでしょう。
恐らくそのときは、改憲発議の条件は3党の一致によって「過半数」に下げられているでしょう。もはや「民主党の協力」など、必要なくなっているのです。
そのとき、与党の改憲案に反対しても「時すでに遅し」です。与党が民主党攻撃を強め「民主党に矛盾だらけにされた憲法で良いのか。」と叫べば、騙されてしまう国民は少なくありません。
正に与党の思う壺、民主党が得意な「自殺行為」ですが、この件に関しては民主党だけの「自殺」にとどまりません。日本国民すべてが、その「自殺」の巻き添えにされてしまうのです。
そのような事態になれば、どのようなことをしても償いきれるものではありません。

■ 「二・二六」

70年前の昨日26日、日本では「二・二六事件」というクーデターがありました。
いま、自民・公明・民主3党が共同で行なおうとしている改憲の内容は、国民から主権を奪い、権力者の手に握ろうとする点において、クーデター行為に酷似していると思います。
その日に行なわれた、この公開討論会に、私は何やら因縁めいたものを感じます。

国民投票法案の成立を許せば、その時点で、改憲・戦争国家への道を歩みだすことになります。
私は主権者である国民の一人として、自公民によるクーデター行為を許すわけにはいきません。
何としても、国民投票法案、そして改憲に対する反対の声を強め、これを阻止したいと思います。

小泉首相への手紙

2006年02月27日 | 国会・政党・選挙
内閣総理大臣 小泉 純一郎 様

謹啓 初めてご挨拶申し上げます。goo-needsと申します。
 一連のメール騒動では、大変でございました。
 総理のおっしゃる通り、真偽すら疑わしい情報で国家権力の発動を求めるなど、とんでもない話です。先日の党首討論での「国家権力の発動は慎重に」との言葉、正にその通りです。
 総理が即座に看破された通り、結局あのメールは「ガセネタ」だったことが明らかになりました。
 それでもまだ「全てが嘘であるとは思わない」と言い張りつづける民主党執行部の言葉は、見苦しくさえ感じます。
 メールの黒塗り部分が明らかになり、フリー記者による自作自演であることが分かった今、これを受けて彼らが、どのような責任のとり方をするのか、私も注目しております。

 さて、思い起こせば3年ほど前、これと良く似たことがありました。
 米英によるイラク攻撃は、イラクの「大量破壊兵器」保有を理由とするものでした。
 そこで「確証」とされたものは、誰がしゃべっているのかも分からない意味不明の盗聴テープと、何が映っているのか分からない衛星写真でした。
 後にこうした証拠は完全な「偽装」であったことが明らかになっています。

 なぜ、あのとき総理は今回のメールのように、即座に「ガセネタ」であったことを看破できなかったのでしょうか。

 その後、米英が既に「大量破壊兵器はなかった」と嘘を認めたにも関わらず、総理は根拠もなく「大量破壊兵器をあると信じている」と、言い張りつづけてこられましたが、その姿も、大変見苦しいものでした。
 真偽が疑わしいどころか「ガセネタ」であると判明したにも関わらず、総理は強弁を続け、国民を欺きながら、逸早く米英軍の攻撃を支持し、5500億円もの戦費を米国に提供し、イラク特措法をつくり、自衛隊派遣を強行し、さらには多国籍軍に参加させ、今なお自衛隊をイラクに駐留させています。

 総理が支持した攻撃によって、イラクで失われた命、流された血、ズタズタにされた人々の生活を思えば、今回の件での武部幹事長のご子息の被害とは比べようもありません。
 なぜ、今回の党首討論での「国家権力の発動は慎重に」との言葉が、あのとき総理の頭になかったのでしょうか。

 「過ちを改むるに憚ることなかれ」と申します。
 総理には、ぜひ「ガセネタ」への固執を捨てて頂き、しっかりと反省と謝罪を表明し、一刻も早く自衛隊をイラクから撤退させるべきです。このようなことさえ出来ないのであれば、自民党は、今回の民主党以下であると言わざるをえませんし、民主党を批判する権利すらない、と言われても仕方のないところだと思います。
 また、「大量破壊兵器」という「ガセネタ」で国民を欺きつづけてきた総理の責任は、極めて重大です。このことについて、総理がどのような責任のとり方をなさるのか、そのことにも注目してまいりたいと思いますので、あわせてご英断を賜りますようお願い致します。
敬白


goo-needsより