ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第127巻-3海底の豚

2009-01-14 23:50:39 | 第126巻~第130巻

■海底の豚(第423話) 発表1997年11月

評価   ★★★★

依頼人  不明

ターゲット ボス

報酬    不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,327

今回殺害人数      1/ 通算殺害人数   4,618

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   107

<ストーリー>
仕事を終えたゴルゴに不測の事態発生!海中からターゲットを仕留めたゴルゴだが、戻るべきクルーザーが破損。サメに囲まれたゴルゴは・・・

<この一言>
は―っは―っ・・・

<もう一言>
ハ―ッハ―ッ・・・

<解説>
ダイビングスーツを纏いクルーザーに乗った標的を海中から仕留めたゴルゴ。しかし、ゴルゴが乗ってきたクルーザーと標的が乗っていたクルーザーが衝突、行き場を失ったゴルゴは、サメの大群に囲まれる。

クルーザーの衝突を受け現場に急行した沿岸警備艇の艦長は、射殺事件の犯人が海中に留まっていることを発見、現場で待機する。

海面に浮上することができなくなったゴルゴはサメと格闘を続ける。酸素ボンベが空になるやゴルゴは海底に沈んでいる難破船を目指す。難破船にわずかに残留している空気を吸い続け、沿岸警備艇が去るのを待つゴルゴ。待つこと30分、警備艇が去ったと察したゴルゴは40メートルを一気に浮上する。またしてもサメの大群を相手に闘いを繰り広げるゴルゴ。万一の保険のために手配してあったボートを救命花火で呼び寄せて、難局を乗り切る。

面白い!40ページの短編であるが、追い込まれたゴルゴがサメと大立ち回りを演じるシーンが凄い。さすがのゴルゴも酸素切れには勝てず、ここまでか!と思わせるものの、一気にボンベなしで40メートル潜り、海底の難破船に逃れる。わずかに残留した空気を『は―っは―っ・・・』とあえぎながら吸い込むゴルゴが痛々しい。保険として確保していた逃走手段で難を逃れる場面では、ゴルゴの慎重さが伺われて思わずほくそ笑んでしまう。ボートを操縦する少年に『ボーナスを出してよ、旦那!安い買い物をしたんだから!』と軽口をたたかれて、マジにムカついているゴルゴの表情は一見の価値あり!

ズキューン

ゴルゴ13 (127) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第127巻-2シャッター

2009-01-13 22:30:15 | 第126巻~第130巻

■シャッター(第422話) 発表1998年5月

評価   ★★★★

依頼人  ライオネル

ターゲット 滑走中のマイケル・ケンダルのスキー板

報酬    不明

今回弾丸発射数       4/ 通算弾丸発射数 2,325

今回殺害人数      4/ 通算殺害人数   4,617

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   107

<ストーリー>
アマチュア写真家が撮影した写真に、ゴルゴの狙撃シーンが写り込んでいた。ゴルゴに狙われていると知った写真家は・・・

<この一言>
依頼内容に偽りのある事を、俺は、許さない・・・

<解説>
1997年12月31日、アマチュア写真家”ジョージ”は休暇を利用してコロラド州アスペンスキー場へ撮影旅行に出かけた。山岳写真を撮ったジョージであるが、下山後のニュースで同日にアスペンスキー場で写真を撮っていた他の写真家が次々と殺されていることを知る。
ジョージは自らの撮影したフィルムにゴルゴの狙撃シーンが写り込んでいたことを知る。ゴルゴが写真を奪い返しにくると察し、自宅に引きこもるジョージ。ゴルゴに刃向かうことは考えておらず、ネガを差し出すことをどのようにゴルゴに伝えるか思案する。

そうこうするうちに、警察がジョージのもとを訪れるが、警察が頼りにならないと踏んだジョージは警察を追い返す。次にジョージの家に入り込んできたのは、拳銃を持った二人の男であった。ジョージの家を見張っていた警察が助けに入るが、警官はあえなく二人の男に撃ち殺されてしまう。観念したジョージであるが、ゴルゴが現れ二人の男はKGBであることを知らされる。二人の男はJFK(JFケンダル)のスキャンダルにからむ写真をCIAに売りつけようと企んでいたのであった。ゴルゴはKGB二人を射殺、ジョージの申し出を受け入れネガの提出と引き替えにジョージの命を助ける。

アスペンスキー場でJFKの甥”マイケル・ケンダル”のスキー版を狙撃するよう依頼した”ライオネル”であるが、ゴルゴに対しケンダルのスキーの腕前を故意に偽ってゴルゴに伝えていたため、ゴルゴより有罪判決を受けゴルフ場で最期を迎える。

善意無過失のジョージのおとぼけキャラがいい。ゴルゴを逆なでしないよう誠心誠意、慎重に振る舞い、見事ゴルゴのターゲットになることを回避したジョージを褒めてあげていいだろう。偉い!ジョージ!!雪山に座りM16の銃口から煙を立ち上げている射撃直後のゴルゴの姿がリアル。これだけの写真を撮ったジョージが写真を辞めたというのも残念だが、ジョージにしてみれば一刻も早く忘れたい出来事なのだろう・・・。

ズキューン

ゴルゴ13 (127) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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ゴルゴ13第127巻-1ティモールの蹉跌

2009-01-07 21:39:43 | 第126巻~第130巻

■ティモールの蹉跌(第421話) 発表1998年7月

評価   ★★

依頼人  人権擁護活動家カルロス・ホルヘ・シメネス・バロ司教

ターゲット 財閥総帥アンドリュー・サハムの野望の阻止

報酬    7,400,000スウェーデン・クローネ

今回弾丸発射数      14/ 通算弾丸発射数 2,321

今回殺害人数     11/ 通算殺害人数   4,613

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   107

<ストーリー>
ティモールを弾圧するインドネシアは、国際世論の非難に見舞われていた。起死回生を図る大統領に近付く財閥総帥の狙いは・・・

<この一言>
俺が請け負った仕事の中に、お前の命を奪う事は含まれていない。だが、俺の聞くことに答えない、というのなら話は別だ!

<解説>
1996年のノーベル平和賞は、東ティモールの人権擁護活動家カルロス・ホルヘ・シメネス・バロ司教(事実は、カルロス・フィリペ・シメネス・ベロ司教)とジョゼ・ラモス=ホルタに授与された。東ティーモールの独立と平和を望むバロ司教は、財閥総帥『アンドリュー・サハム』が目論む兵器工場建設を阻止すべくゴルゴに接触する。報酬はノーベル平和賞の賞金7,400,000スウェーデン・クローネ。ゴルゴはこれを快諾する。

インドネシア入りしたゴルゴは、ハリウッドから特撮メイクアップアーティストを呼び寄せ、自らの顔に特殊メイクを施す。顔を作り替えたゴルゴは、台湾人技術者になりすまし、工場を見学する。バロ司教の見込み通り、工場は自動車の生産ラインを装っているものの、実際には兵器類の生産が可能であった。

一方、財閥総帥サハムは兵器・技術提供を受けるロシア側からゴルゴがこの工場を狙っているとの情報を知らされる。KGBあがりのロシア側スタッフ『アルバトフ』は、台湾人技術者が怪しいと目星をつける。工場内でビスが飛び、台湾人技術者の顔面を捉えるが、皮膚がめくれただけで出血しない。アルバトフは台湾人こそがゴルゴであると確信、直接対決を試みる。が、工場内の部品を集めて拳銃をくみ上げたゴルゴは反撃、最後は呼び寄せたCNN取材班に武器庫の爆発シーンを撮影させ、バロ司教の依頼を完遂する。

どうしても特殊メイクをネタに使いたくて描かれたであろう作品。工場内見学の際、飛び散ったネジをよけきれないとはゴルゴ大失策である。いつものゴルゴなら、特殊メイクなど面倒な手法を使わないはずだが、ちょっとした気まぐれだろうか?金属探知機で調べられる際、背後に回られて狼狽したり、握手を求められてお辞儀で対応するなど、『ゴルゴがゴルゴたる由縁』に縛られてギャグと表裏一体になっているのも、ちょっとイタい。

ズキューン

ゴルゴ13 (127) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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ゴルゴ13第126巻-3HAPPY END

2009-01-06 23:50:10 | 第126巻~第130巻

■HAPPY END(第420話) 発表1997年8月

評価   ★★

依頼人  ①不明 ②サミュエル・スヴェンソン

ターゲット ①東部から来た不動産王 ②サミュエル・スヴェンソンの防弾チョッキ

報酬    ①不明 ②不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,307

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,602

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   107

<ストーリー>
人気漫画作家”スヴェンソン”は、アクション・ヒーローものを描くのに疲れ切っていた。連載を打ち切るためにゴルゴに接触したスヴェンソンは・・・

<この一言>
・・・

<解説>
人気漫画家『サミュエル・スヴェンソン』は、長期連載しているアクション・ヒーロー『ゲーリー・ライトニング』を書き続けるのに辟易していた。マンネリ化した作風により自らの成長がないこと、マニアックなファンからストーカーのようにつきまとわれるなど、作品を描き続けていくには限界であった。

休暇を取って旅にでたスヴェンソンは、海岸沿いのリゾートでくつろぐゴルゴを見かける。プールサイドで休んでいても、一時も緊張を弛緩させないゴルゴを見て、ただ者でないと感じたスヴェンソンは、ゴルフを終えてきたゴルゴに声をかけ、ラウンドを申し込む。スヴェンソンの申し出を受け入れたゴルゴは、自らカートを運転しスヴェンソンとゴルフをプレーする。ナイスショットを放つゴルゴに、スヴェンソンはある狙撃の依頼を行う。

休暇から戻ったスヴェンソンは、ファンとの集いに参加する。スヴェンソンは、ゴルゴに対し防弾チョッキを着用するので、胸を狙撃してほしいと依頼していた。漫画のヒーロー『ゲーリー』に撃たれて死亡したことにして、隠居し別の作品を描くことを決めたのである。ゴルゴがスヴェンソンに向かって弾丸を放つのと同時に、ストーカーまがいのマニアックなファンが、スヴェンソンに向かって至近距離から拳銃を放つ。マニアはゲーリー連載を打ち切ることが許せず、スヴェンソンを逆恨みして引き金を引いたのであった。スヴェンソンは防弾チョッキを着用していたが、同時に2発の弾丸を受けたため、弾丸が心臓に到達してしまい、死亡してしまう。

ゴルゴとその作者さいとうたかををセルフ・パロディにした作品。ゴルゴとさいとうたかを本人、ゴルゴファンを面白おかしく記している。
・世界を股にかける破壊工作員”ゲーリー・ライトニング”
・女にもてて、敵の弾丸は向こうからよけて飛んでいく
・ファンは、どの作品のどの場面で何回笑ったか、何人の敵をいつ、どの武器で倒したか分かっている
作者自身については、どこまで本気か分からないが、
・何度やめようとしたか、わからんよ・・・だが、周囲は許してくれなかった
・何度も殺してやろうと考えた。だが、奴は不死身なんだ!
・もうトシさえとりはしない
・もはや作者である俺さえも奴を始末できなくなってしまった
と自虐的にスヴェンソンを描いている。
セルフ・パロディもここまでくると面白い。本作もある意味、ゴルゴの最終回として考えられた作品の一つであろう。が、単体のゴルゴ作品として評価すると本作の評価は低い。本作のゴルゴは、マニアの不可抗力があったとはいえ、ミッションに失敗している。スヴェンソンの依頼はスヴェンソンを殺したように見せかけることにあって、殺してはいけないはず。とまあ、こんなつっこみをすると作者を悩ませてしまってゴルゴが終わってしまうなんてことは、絶対ありませんね・・・。

ズキューン

ゴルゴ13 (126) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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ゴルゴ13第126巻-2ゼロ・ミッション 排ガスゼロ

2009-01-03 23:47:38 | 第126巻~第130巻

■ゼロ・ミッション 排ガスゼロ(第419話) 発表1997年9月

評価   ★★★★

依頼人  不明(石油メジャー?)

ターゲット 自動車会社”エミュー”の水素エンジン搭載新型モデル

報酬    不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,305

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,600

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   107

<ストーリー>
日本大手自動車メーカーを退職した二人が排気ガスを排出しない水素エンジンを開発、フランスの自動車メーカーに売り込んだ。各国の自動車メーカーは・・・

<この一言>
この依頼を受けることはできない。断る・・・

<もう一言>
理由を聞きたい・・・と言うのか?

<解説>
日本の大手自動車メーカー”サワダ自動車”を退職した二人のエンジニア『立石誠』と『乾信次郎』が排気ガスを排出しない水素エンジンを開発した。彼らはフランスの自動車メーカー”エミュー”にエンジンを売り込む。エミューの出した回答は、テスト走行を無事に終えれば契約する、というものであった。

サワダ自動車社長『沢田』は立石と乾のもとを訪れ、水素エンジンの技術ををサワダ自動車に販売するよう懇願するも、彼らの意志はエミューへの売却で固まっていた。沢田は水素エンジンの技術が国外に流出した場合、日本の自動車産業の発展はないと考え、ゴルゴに接触を行う。しかし、沢田の依頼をゴルゴは受諾しない。沢田はアメリカ最大の自動車メーカー”WM(ワールドモータース)”を訪れ、ゴルゴへの接触の有無を聞く。沢田のゴルゴへの依頼は、水素エンジン自動車をテスト走行時に狙撃してほしいというものであったが、沢田に先んじてWMがゴルゴに依頼したと考えたのである。しかし、WMの答えはNOであった。

果たして水素エンジン自動車のテスト走行が始まった。最高速240Kmに達した瞬間ゴルゴの銃口が火を噴き、水素エンジンを捉える。テスト車は水素爆発を起こし炎上、水素エンジンは不完全な技術として葬られることとなった。ゴルゴへの依頼は、石油利権を維持したい石油メジャーが水素エンジン排斥のために行ったとのサジェストがなされて幕を閉じる。

1997年発表の本作、2008年の石油価格乱高下、世界同時不況、自動車産業不振を思うと、非常に示唆的である。見せかけのカネ余り=バブルから石油価格が高騰、消費者の自動車離れが世界的に進み、その後のサブプライム問題に端を発した世界的な景気後退により自動車離れに拍車がかかった。今後の自動車業界の将来は全くの視界不良であるが、水素エンジン自動車、電気自動車のような脱石化エネルギーへと業界の方向が進むことは間違いない。リアル社会に『立石』と『乾』そしてゴルゴがいてくれたら、日本の将来も明るいのだが・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (126) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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