ゴルゴ１３第148巻-1装甲兵SDR2

■装甲兵SDR2（第490話）　発表2002年5月

評価　　　★★★★★

依頼人　不明

ターゲット　コロンビア左翼ゲリラの隊長

報酬　不明

今回弾丸発射数       11／　通算弾丸発射数　2,852

今回殺害人数　 　　  8／　通算殺害人数　　 5,181

今回まぐわい回数     0／  通算まぐわい回数   116

＜ストーリー＞
アメリカが陸軍兵士向けに開発した”バトルスーツSDR2”。実証実験として世界各国のテロリストが集められ、SDR2の性能を試す。殺戮現場に居合わせたゴルゴは・・・

＜この一言＞
その”正義”とやらはお前たちだけの正義じゃないのか？

＜もう一言＞
なぜ・・・テロリストを選んだ？

＜解説＞
地上戦に弱いアメリカ陸軍を立て直すため、ペンタゴンは”ダイナミック・ランド・システムズ”社に半ロボット兵器の開発を命ずる。日本の自動車メーカー”OND”の二足歩行ロボットの技術、”隅友金属”のモーター、”四菱”の燃料電池を用いて完成したバトルスーツ”SDR2”の性能を実証するため、ペンタゴンは世界各国のテロリストを一堂に集めSRD2と闘わせることを思いつく。

周囲20キロの島に送り込まれたテロリスト達は、互いに殺し合い1週間後に生き延びた者だけが無罪放免されるとうルールを課される。殺戮の島にSDR2が送り込まれ、戦闘能力を実証する。対戦車砲にも地雷にも耐える装甲をもったSDR２は次々とテロリストを葬り去るが、SDR2を操る兵士は次第に精神を病んでいく。

コロンビアの左翼ゲリラを襲撃後、この島に不時着したゴルゴはSDR２と対峙する。SDR2の夜間暗視装置を逆手にとり、照明弾でSDR2の視野を奪ったゴルゴは、SDR2の銃口に弾丸を撃ち込みSDR2を爆破。SDR2を開発させたペンタゴン司令官に対しても、アメリカの歪んだ”正義”を糾弾し、銃弾を眉間に撃ち込む・・・。

映画さながらの展開が面白い。プレデターやターミネーターのパロディともとれる作品で、やり過ぎとの批判もあろうが、漫画（劇画ではなく”漫画”）として純粋に楽しめる作品だ。バトルスーツを装着した兵士の精神が異常をきたし、それを見た司令官も昂揚して次第に壊れていく様や、テロリスト達の葛藤など、心理面の描写もよく練られている。ゴルゴが司令官に発したセリフ”なぜ・・・テロリストを選んだ？”は、殺戮されたテロリスト達への鎮魂を意図したものなのだろうか・・・

ズキューン

ゴルゴ13(148) 巻掲載
ゴルゴ13(155) 巻（最新刊）
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