ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第75巻-1G線上の狙撃

2007-06-08 23:52:36 | 第071巻~第075巻

■G線上の狙撃(第257話) 発表1986年5月

評価   ★★★★★

依頼人  バイオリン奏者トーマス・シンプソン

ターゲット セルゲイ・ケルンスキーが演奏中のバイオリンの弦

報酬    不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,463

今回殺害人数        0/ 通算殺害人数   1,599

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    88

<ストーリー>
演奏中にバイオリンの弦が切れ立ち往生してしまった世界的バイオリン奏者「トーマス・シンプソン」。ソリストの座を降ろされたトーマスは、後任ソリストの演奏中の弦を・・・

<この一言>
ゆっくりだ・・・

<もう一言>
それだけだ・・・

<解説>
世界的バイオリニスト「トーマス・シンプソン」は、『G線上のアリア』を演奏中に「G線」が切れたため立ち往生してしまい、観客にブーイングを浴びせられる。これがトラウマとなり、人前で演奏することができなくなってしまったシンプソンは、フィラデルフィア管弦楽団との共演を降ろされてしまう。後任のソリストはロシアの巨匠「セルゲイ・ケルンスキー」に決定するが、シンプソンは屈辱に耐えきれずゴルゴに接触を図る。

サウナの13号室で密会をするゴルゴとシンプソン。シンプソンの依頼内容は、ケルンスキーの演奏中に「G線」を狙撃してほしいというものであった。
ゴルゴはホテルのロビーで「ケルンスキー」の演奏ビデオを見る。一心不乱に繰り返し「ケルンスキー」の映像を見るゴルゴに他の宿泊客が引いているのが可笑しい。その後、ゴルゴは盟友「デイブ・マッカートニー」を訪ね、M16のカスタマイズを依頼する。ゴルゴに無理難題を押しつけられることの多いデイブだが、今回のゴルゴの依頼は軽微なものであり、拍子抜けしているデイブが面白い。なお、デイブは『AT PIN-HOLE!』(第7巻-1)『軌道上狙撃』(第39巻-1)第54巻-2『穀物戦争 蟷螂の斧』に続き4回目の登場。

ゴルゴはコンサートホールの映写室に忍び込み、ケルンスキーの演奏中にG線の狙撃に成功する。しかし、ケルンスキーはD線を緩めて演奏を続け、シンプソンとの格の違いを見せつける。仕事を終え淡々とホールを去るゴルゴと、打ちのめされるシンプソンの対比が絶妙だ。
短編ながら非常によく練られた作品。各登場人物の心情が巧みに描写されており、人間ドラマとしても秀逸だ。『G線上のアリア』をはじめゴルゴにからめたギミックが散りばめられており、極めて完成度の高い作品と言えよう。

余談だが、パチスロ『ゴルゴ13 THE PROFESSIONAL』で本作が演出に取り入れられている。「ケルンスキー」が登場するとボーナスの可能性濃厚で、滅多に見ることのできないレア演出のため、スロッターを魅了している・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (75) 巻掲載
ゴルゴ13 144巻(最新刊)発売
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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
賛美歌13番さんこんばんわ。>各登場人物の心情... (ペロ)
2007-06-09 22:30:29
賛美歌13番さんこんばんわ。>各登場人物の心情が巧みに描写されており
おっしゃる通りです。ストーリーに派手さはないものの、登場人物の心の機微を見事に描いているように思います。このストーリーを考えた方はどなたなのでしょうか?ぜひ知りたいですね。
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ペロさん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2007-06-10 00:05:35
ペロさん、こんばんは。
>このストーリーを考えた方はどなたなのでしょうか?
確か、文庫版ゴルゴ13にはシナリオ担当者の名前が記されていたような・・・。SPコミックスは全巻揃えているのですが、文庫版は一冊も持っていないので確認はしていません。このブログがSPコミックスの最新巻に追いついたら、各話のシナリオ作成者などの情報を追記していこうと思っています(←いつになることやら・・・)
返信する
賛美歌13番さんこんばんわ、 (マリヨ神父)
2011-02-05 21:22:05
賛美歌13番さんこんばんわ、
>ストーリーを考えた方は~
おっまたまた私の出番ですねぇ(笑)
このエピソードの脚本担当は……ヤバッ!文庫版の第62巻持っていなかった!!! スイマセン、ゴルゴの文庫版初期から中期にかけて何冊か持ってないのがあるのですが、コレがその一冊でした。明日、直ちにブック〇フに行って来ますね(笑)
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マリヨ神父さん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2011-02-06 13:24:13
マリヨ神父さん、こんにちは。
コメントに大笑いしました。
このストーリー何度よんでもおもしろいですね。大好きです。
返信する
賛美歌13番さんこんにちわ、さっそくブック〇フ... (マリヨ神父)
2011-02-06 14:12:29
賛美歌13番さんこんにちわ、さっそくブック〇フに行って大枚350円(笑)を出して買って来ました。
このエピソードの脚本担当は現在のメインスタッフの一人である氷室勲です。彼はゴルゴシリーズ中期からの参加なのですが、驚いた事に本作品が脚本デビュー作ですね。割と推理・ミステリー物が好きなようで、『殺人劇の夜』『容疑者トウゴウ』『シャーロキアン』などは全て彼の脚本担当です。
今回はどうもスイマセンでした。350円出して残りの本を買います(笑)
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マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-02-11 23:43:06
マリヨ神父さん、こんばんは。
>推理・ミステリー物が好き
ミステリーもの、結構好きです。氷室勲氏は現在もメインスタッフであるならば、久々に本格推理ものが読みたい!
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賛美歌13番さんレスありがとうございます。以前... (マリヨ神父)
2011-02-12 01:34:02
賛美歌13番さんレスありがとうございます。以前にも書きましたが本誌465話『リプレイ』が氷室勲脚本担当の推理物になっていますよ!単行本収録は第163巻あたり(笑)来年の夏までには読めますよ!(笑)
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マリヨ神父さん、こんばんは。 (賛美歌13番)
2011-02-12 23:03:49
マリヨ神父さん、こんばんは。
>単行本収録は第163巻あたり(笑)
気長に待ちま~す(笑)
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讃美歌13番さん,こんにちは。 (ゴルゴサウルス)
2011-10-12 11:36:41
讃美歌13番さん,こんにちは。
  
この作品はアニメでも見ましたが,その中で実際にロンドンで起きた暗殺事件(ロシア絡みのあの事件です)について語られていました。
本当に取り上げて大丈夫なネタだったのかと心配になったことを覚えています。
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ゴルゴサウルスさん、こんにちは。 (賛美歌13番)
2011-10-23 09:30:55
ゴルゴサウルスさん、こんにちは。
>アニメで~実際にロンドンで起きた暗殺事件(ロシア絡みのあの事件です)について語られていました
そうなんですか!アニメを見ましたが、すっかりスルーしてました。DVDを買ってアニメもきちんと検証しないといけないですね~(いつになることやら・・・(苦笑))
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