ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第15巻-3アクシデンタル

2006-11-07 00:21:18 | 第011巻~第015巻

■アクシデンタル(第66話) 発表1972年8月

評価    ★★★★

依頼人   UAR(アラブ連合共和国)情報局外事部長 ワフド・タハ・コルデン

ターゲット シュトックマン

報酬    不明

今回弾丸発射数     87/ 通算弾丸発射数 446

今回殺害人数        7/ 通算殺害人数   341

今回まぐわい回数    1/  通算まぐわい回数  39

<ストーリー>
ゴルゴの狙撃にアクシデント発生!スコープに捉えたターゲットを射んとした刹那、弾丸は発射されず不発弾となった・・・

<この一言>
ミスファイア!!

<もう一言>
一発の不発弾が時には敗北を招く・・・

<さらに一言>
こういう”形”でだせるおれの答は”NO”以外にない・・・

<解説>
不発弾という致命傷になりかねない不測の事態発生!不発弾発生直後、ゴルゴの驚きとも茫然自失ともとれる表情が事態の深刻さを物語っている。非常にレアなシーンを収めているだけでなく、徹底したゴルゴの信条が描かれており、ゴルゴの本質に迫る重要作品と言えるだろう。

まず記すべきは、不発弾回避のためにゴルゴが採用している弾丸のチェックシステム。そのシステムとは100発の弾丸を1ユニットとし80発を試射、不発弾がなければ残り20発を使用するというもの。万一80発中に不発弾があればその100発1ユニットは破棄し、次の1ユニットを試すという。ゴルゴの完璧主義者ぶりが伺えるエピソードだ。今回試射した際の射撃標的マークには、中央部に80発の弾丸が撃ち込まれていた。恐るべき射撃術だが、同程度のテクニックを持つ者が、アメリカ・ソ連・西ドイツに各一人ずついるという・・・。

また、ゴルゴは自身の契約履行について揺るぎない信頼性を保持しているが、その「ゴルゴ・ブランド」維持のための姿勢が描かれている。今回の依頼は、依頼主に紹介された武器商人が不発弾を紛れ込ませたことでキャンセルとなった。が、これを知らないイスラエル軍情報部はゴルゴに契約のキャンセルを迫る。銃口を突きつけられるが、「こういう”形”でだせるおれの答は”NO”以外にない・・・」と返答。他者による契約のキャンセルは受付ないことを明言している。自分のポリシーを相手に理解させた後に、「ある事情で”ビジネス”がキャンセルになった」と伝えている。つまり、ゴルゴと依頼主との契約はどのようなことがあっても第三者により破棄されないことを示しつつ、今回の件もイスラエルの強要があった故キャンセルされたのではなく、事前に依頼主によりキャンセルになっていたことを明示している。依頼者・イスラエル双方に誤解を与えないゴルゴの交渉術が素晴らしい。

イスラエルの調査で、過去にゴルゴの写真を偶然撮ってしまったUPIのカメラマンが殺されていたことが判明。素性を探られることを嫌うゴルゴの徹底ぶりがすさまじい。UPIのカメラマンは本当に気の毒だ。

デブラが殺された際、ゴルゴは相手に3発の銃弾を撃ち込んでいる。相手がゴルゴに牙をむけたことに1発、デブラを泳がせて殺された後悔に1発、デブラへの想いに1発というのは考えすぎだろうか・・・。

なお、パチスロ『ゴルゴ13 THE PROFESSIONAL』で本作が取り上げられている。ゴルゴが船上のターゲットを仕留めればボーナス確定であるが、原作通り「ミスファイア」であることがほとんどである。

ズキューン

ゴルゴ13 (15) 巻掲載
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