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いつも動いている・・・ピアノ協奏曲12番

2015-10-24 09:12:02 | 音楽の魅力

モーツァルトのこのコンチェルトは、

色々なことを想起させてくれます。

第1楽章は、

何かが遠くからやってくるように

感じるイントロ。

風? 人? 水?

その答えは、音楽なので、聴く側の感性に

任せられるのでしょう。

それにこの12番、軽快なリズムで最初から

最後までよどむところなく、スピード感たっぷりに

音が断続的に流れていきます。

しかも、マイルドに!!

穏やかで軽快感のある12番。

モーツァルトワールドの中でも秀逸な

1曲だと感じます。

”間”を作らない連続性。

小川の水が、滞留せずに

さらさらと流れる情景が思い浮かびます。

よどめば、そこで思考が一瞬始まり、

感性が遮断されます。

そこを知ってか、意図的に断続的に

音を紡ぎ出していったのでしょうか?

まさに自然派の天才、モーツァルト。

ショパンが、物思いにふけるロマンチストの

代表だとしたら、モーツァルトは

天然のエンターテナーだと思います。

この曲を聴くと、一層そう感じてしまいます。

何かに息詰まったら、頭をリフレッシュするために、

こんな音楽もいいかも。

素に帰る。自分を大事にする自然体に

ついて感じ取れるかもしれません。

 


テイラー・スウィフトの『シェイク イット オフ』

2015-08-15 08:48:28 | 音楽の魅力

先日当ブログで書き込んだ

TRFの”サバイバルダンス”に似た

歌詞、ノリノリのダンスビートを

盛り込んだアメリカ生まれの曲があります。

既に世界的な大ヒット曲となった

テーラー・スウィフトの『シェイク イット オフ』です。

嫌のことは振り払う。それには踊るのが一番!!

みたいなノリで、頭の中を真っ白にできるくらい

雑念を取り払って体を動かす。

止まらないで動かし続ける。

こういうメッセージが共感を

呼んでいるようです。

TVコマーシャルでも使われている曲で

ノリノリですよね。

身体を振り動かし続けていれば、

嫌なことも振り払えるし・・・・。

体の振動が嫌なことを追い出してくれる

というハッピーな曲です。

『へたな考え、休むに足らず』と

日本の格言にもありますように

マイナスな考えに自分の頭が

からめとられてしまうと、

心はますます不健康になり、

ネガティブなイメージしか

涌いてきません。

ただでさえ嫌のことの多い世の中を

処するには、振り払って忘れ去る

のがベストだと思います。

これができれば、オンとオフの

切り替えがうまくできるように、

悪い感情が忘却のかなたへ

追いやられてしまうと信じます。

そんな簡単にできるわけないと

感じる方もいるかと思います。

でも、よく考えてみれば、

生活習慣が悪いから病気に

なりやすいように、こういう局面

局面の対処も生活習慣だと思うのです。

悪いイメージ、感情はすぐさま

忘れ去れるように習慣づけておき、

いいイメージ、プラスの感情を抱くように

普段から心がけておくことが

幸せへの第1歩だと感じます。

”ペットボトルに水が半分ある”時に

もう半分しか残っていないのかと

思うよりも、”まだ半分もあるんだ”と

思う方がポジティブでハッピーな気分に

なれると思いませんか?

完璧を望み続けなければ、

こういうポジティブシンキングの

習慣も身につけることができると

信じています。

 


国民楽派のクラシックを聴いて・・・

2015-06-07 17:10:27 | 音楽の魅力

久しぶりにクラシックの生演奏に触れる

機会がありました。

シベリウスの『フィンランディア』

スメタナの『モルダウ』などなど。

有名な曲ばかりですが、CDで聴くのと

生で聴くのでは、違って聞こえるというか、

各楽器群の役割がはっきりしますね。

特に、いつも脇役に徹している(?)

打楽器は、『フィンランディア』について

いえば、相当な重責を担っている

と感じました。

地の底から湧き上がるような

人間の叫びのような音が、

打楽器の音をベースに

重なっているのです。

祖国を大国から守ろうとする

フィン人(フィンランドの民族)の

強い意志が音で表現されて

いますが、その起爆剤となっているのが、

ティンパ二の音です。

ティンパニがなければ、この曲は

成り立たないといって

いいと思います。

また、国民楽派ではないのですが、

ブラームスの『ハンガリア舞曲』。

この音楽も、打楽器の果たしている

役割は同じく大きい!です。

打楽器の重厚音が響けば、それに高音の

ヴァイオリンやヴィオラが乗る。

音が重なり、相乗効果となり、

民族の主張みたいな烈しさが

表現されていると感じます。

スメタナの『モルダウ』は、この烈しさ

よりも、郷愁をメインテーマにした

ソフトな印象がありますね。

祖国チェコの中心を流れる

ブルタブ川(モルダウ)に思いを馳せ、

その川の流れを祖国の運命の

うねりのように表現している

というべきなのでしょうか?

柔らかい音感の連続です。

国民楽派の音楽を生で聴き、

こんな感想を抱きました。

 

 


新緑のもみじが風に吹かれて

2015-04-18 14:07:48 | 音楽の魅力

新緑が目に鮮やかな季節がやってまいりました。

中でも新緑の紅葉が目に付いたのです。

紅葉は、文字通り、赤色が旬なのですが、

緑色もまたいいものです。

下からあおって、春の風にそよぐ

紅葉の葉を観ていたら、

心が癒されました。

繊細な葉と風、これが一体と

なっているようで、実に

すがすがしいものですね。

こんな風景にぴったりくる音楽は、

何だろう? と考えていたら、

ふと思いついたのが、ベートーベンの

交響曲第6番「田園」でした。

のどかで爽やかなイントロで始まる

「田園」を聴くと、この紅葉の

新緑が揺らいでいる風景が

はまりました。

暖かさがあり爽やか。

新緑シーズンでこそ味わえる

自然の恵み。大事にしたいものです。

 

 

 


ヘンデル歌劇「リナルド」 私を泣かせて下さい

2015-02-08 11:47:10 | 音楽の魅力

世の中には、理不尽なこともあります。

理屈で割り切れない、かといって、

情に流されてばかりでもうまくいかない。

先だってからのシリアでの人質事件や

その対応方法をめぐっての賛否など、

人生では

難しい局面を迎えることも少なくありません。

私なりに理と情のバランスをとる

方法を考え出すことはありますが、

それも人それぞれ。その人のこれまで

培ってきた価値観によることも

大でしょう。

それはそれとして、不条理で

いたたまれない時はどうすると

心が落ち着くのか?

それは、感情を吐き出すことだと

感じます。怒りはほどほど。

哀しみを吐き出すといいのでは?

涙を出して思いっきり泣くのも

いいと思います。

そうやって感情のごみを出せば、

すっきりすることもあると思います。

そんな時、ヘンデル作曲の

歌劇「リナルド」から”私を

泣かせてください”がおすすめ。

笑う効用と同じくらい、感情的に

なって泣くのもたまには

効果があると思います。

人間だから。

最近、涙活という言葉も

静かなブームのようです。

このヘンデルの曲、まるで

大海原で包容力たっぷりの

マリア様のような方が、

泣いて涙を流す私たちを

やさしく見守り

「大丈夫よ」と傍で

ささやいてくれているように

感じられる心温まるアリアです。

 


「美しき青きドナウ」・・・ウィーンフィルニューイヤーコンサート2015

2015-01-02 17:42:34 | 音楽の魅力

明けましておめでとうございます。

新年の元旦恒例のウィーンフィルニューイヤーコンサート。

今年は、ズービン・メータの指揮でした。

メータは、指揮をしている時にも

温かい人柄が感じられるヒューマンな方。

今年もサービス精神旺盛に全世界の聴衆を

楽しませてくれました。

オーストリア人ではなくインド人の彼が、

ヨハン・シュトラウスの「美しき青き

ドナウ」を指揮した時、自国オーストリアの

精神が乗り移ったかのような

安心感がありました。

演奏は、きわめて柔らかくメローな

音の連続で、ゆったりとしたテンポを

キープ! そのテンポが絶妙でした。

ゆったりしていても、イライラ感がなく

間延びしていない。それどころか、

このゆったり感たっぷりの演奏で

間合いを保ち、余裕があるため、

オケの面々も楽しそうでした。

ひとりひとりの気持ちを乗せ、

演奏を楽しんでもらう指揮とでも

いいましょうか。

”オーストリア的”といっていい、

バランス感覚にすぐれた仕上がりに

なっていたと感じました。

最近このニューイヤーで

タクトを振ることの多くなった

オーストリア人、ヴェルダーメストに

近い雰囲気を感じました。

これも、メータの人柄であり

自分の主義主張というよりも、

聴衆を楽しませることを一番に

考えた配慮があったのでしょうか!?

この演奏に、仕事の極意を感じた

ほどです。

今回の”美しき青きドナウ”を聴いた人は、

温かい気持ちに浸れたのでは?

 

音楽演奏には、人柄が現れる・・・

その好例を見させていただいたと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 


ショパンとモーツァルトの意外なつながり

2014-12-31 14:07:58 | 音楽の魅力

今年も最終日。いろんな音楽を聴き、

想像を膨らませ、感性を刺激し、

感動することができました。

年末にふさわしいかどうかわかりませんが、

ふたりの有名な作曲家のつながりについて

書きたいと思います。

つながりといいましても、交流ではなく、

こころのつながりです。

モーツァルトの遺作となった曲に

『レクイエム』があります。

皆さんもご存じのように壮大な

合唱曲で構成された鎮魂歌です。

天に召された魂が静かに癒されていく

ような、神聖な成熟があります。

平たく言えば、生きている間に

さまざまな葛藤で戦ってきた

体や心が、天の神様から

「お疲れさま。よく頑張ったから、

もうゆっくりと休んでね」と

言われているような慰みを

感じるのです。

この『レクイエム』を自分の

葬儀に流してくれと遺言を

残していたのが、ショパンなのです。

自分の魂をモーツァルトのこの曲で

清め、有終の美で飾りたいと

思ったのでしょうか?

いかにもロマンチストのショパン

らしい希望です。

モーツァルトとショパン、実は

意外なところで共通点があるのが

分かります。

目的は違えど、モーツァルトは

幼少のころから父レオポルドと共に、

欧州中に演奏旅行に出かけます。

足かけ数年に及ぶ長旅。それも全て

馬車で行うという難行苦行です。

日本でいえば、お遍路さんに近いかな

(ちょっと違いますが)とも感じます。

ショパンは、隣国ロシアに攻められ

祖国ポーランドを追われた身。こちらも

若くして祖国を離れ、ウィーンや

パリで生活。また、愛人ジョルジュ・サンドとの

地中海に浮かぶ島への逃避行。

ふたりとも、住まいが定まらず、転々とする

激動の若者時代を過ごした経験の持ち主です。

いろんな土地でいろんな人と出会い、語るのは

人間としても成長できると思うのですが、

感性も豊かになっていくと思うのです。

ひとつの場所にずっと定住し人間関係を

築くのも人生のプランとしてもありですが、

モーツァルトは自身の持つ才能を生かすため、

ショパンは政治上やむなく

祖国を離れてしまいます。

こんなふたりには、音楽観や人生観など

哲学の部分で相通じるものがあったのでは

ないかと想像できます。

創る音楽は違っても、音に込めた魂の叫びには

共感できるものがあったと感じています。

だからこそ、モーツァルトが晩年に創った

『レクイエム』にショパンはしびれたのだと

思いますが、実際はどうなのでしょうか?

本人に聞いてみたいところです。

動のモーツァルト、静のショパン・・・・

そんな対比ができそうですが、内面には

共通部分が多々あるようなふたりです。

間違いなく、ふたりは、”何か”と

闘いながら仕事をし、生活していました。

その行き着く先に『レクイエム』があって

いいのでは、とショパンは感じた

のでしょう。

この”何か”につきましては、

また後日のブログで書きたいと

思います。


チャイコフスキー 「交響曲第4番」

2014-12-28 18:40:32 | 音楽の魅力

今日は、某大学の管弦楽団のコンサートに

行ってきました。

管弦楽団といっても、実際にはオーケストラです。

演目は、ボロディンのオペラ「イーゴリ公」より

”ダッタン人の踊り”と

ビゼーの”カルメン”。

それに、チャイコフスキーの交響曲第4番でした。

先の2曲は有名なので、気持ちよくすっと

聴けました。

でも、最後のチャイコフスキーのシンフォニーは、

難解な曲です。いかにもロシア的な匂いが

ぷんぷんする曲で味わい深さが抜群でした。

コンサートミストレスのお話によりますと

「人生は、暗い現実と淡い夢の交錯で

あると、チャイコフスキーの4番は示して

います。人間は現実を突きつけられ、それでも

手探りで上へ上へと向かいます。運命はそんな

人間を容赦なく叩き潰し、幸福への到達を妨げ、

魂に毒を注ぎます。それでも、人間は

生きる希望を失わず、祭りの喧騒の中に

飛び込むことで自らも生活を楽しむことが

できると言い聞かせ、生きる喜びを

見出していきます」と。

哲学的なコメントですが、誰しも思い当たる

ことのある人生のシナリオではないでしょうか?

普段の私たちの営みを音で表現している・・・

実に現実路線で。これが、チャイコフスキーの

曲の作り方なのかもしれません。

ロシアという地は、日本や南国に比べて

はるかに厳しい冬の生活があります。

あのナポレオンも、第2次大戦の連合軍も、

冬将軍にやられました。それくらい厳しい

気候風土を持つロシアだからこそ生まれる

音楽があります。

厳しさに苦しんでいるからこそ、

生まれる希望。それが、ロシア音楽の

魂の核となり、地の底から音が噴き出す

ような激情となって表現されている。

そんな気がします。

トルストイやドストエフスキーなどの

ロシア文学を読んでも、そういう人間の

赤裸々な姿が随所に出てきます。

そんな哲学的で人間臭い

営みを表現した難しい曲にチャレンジした

大学生に拍手を送りました。

この4番、私が言葉で説明するよりも

1度聴いてみてもいいと思います。

それくらい複雑な心のうねりを

感じます。

 


サカナクションふたたび

2014-08-02 08:50:53 | 音楽の魅力

昨年紅白に初出場したサカナクション。

その魅力については、以前書きましたが、

再びその魅力について。

先日某テレビ番組に出演していた

山口一郎氏のコメントで感じることがありました。

それは、「田舎から東京に出てきた当初は、

表参道なんて恥ずかしくて歩けなかった」と

いうコメントです。

関東近辺出身ならいざしらず、遠くから

来れば、それだけカルチャーショックや

自分のダサさを否応なく感じるのは

自然だと思います。随分前ですが、

私自身もそうでした。原宿や六本木に

初めて行った時の驚きと衝撃は

今でも思い出します。これが、東京かって。

でも、それだけが東京じゃないのも、

しばらく生活していけば分かることなんですが、

なんせ初体験というのは、新鮮なんて

言葉じゃ表現できないものがあります。

気おくれもします。言葉だって

対等に交わすこともできない。

そんな田舎者が当たり前じゃないかと

思います。

それを音楽で表現するサカナクション。

しかも、気おくれや恥ずかしさを

鳥になって俯瞰で街を見下ろし、

ある意味、客観的に東京という

都会を見下ろしながら、自分の姿も

客観視できている歌詞が凄い!!

(曲名「ミュージック」より)

恥や傷心などに慣れた心を

どうしていくかの対処法も盛り込んでいます。

ここが、若者に絶大な支持を

得ている理由では?

気取りのない、本当の生き方。

本音の生き方を音楽から

ヒントをもらえる・・・・そんな気がします。

テレビの取材では、山口氏は、

父親に強制的に毎日1冊本を読むことを

命じられ、それを苦しみながら実行した

経験も話していました。

そんな経験が、音楽に生きている

のでは?

都会や自分を色々な角度から

見つめられる視野があります。

文学を熟読してきた成果なのでしょう!?

今後も、この視野の広さと感性、

それに読書で培ってきた語彙力を

生かし、素敵な音楽を

創作していただきたいものです。

 

 

 


心が涼しくなるフルート協奏曲

2014-07-26 07:38:24 | 音楽の魅力

全国的に梅雨が明け、猛暑の時節と

あいなりました。避けて通れないのですが、

皆様、熱中症には、お気を付け下さい。

さて、酷暑の時期に聞きたい音楽と

いうと、やはりクラシック。J-popも

ロックもいいのですが、さすがに暑さが

厳しいと、心が涼しくなる音楽を

聴きたいものです。

いろんな曲がありますが、今回は

モーツァルトの「フルート協奏曲」。

か細くやさしいフルートの音色が

風に乗ってスムーズに漂って

くるような雰囲気があります。

曲全体は、とても軽快で

ありながらリズミカル。

打ち込みの烈しさがない分、

このリズム感は、涼感を

誘います。

冷やしたスイカやアイスを

食べながら聴くと、猛暑日には

最高です。

暑さに打ち克つというよりも、

暑さを楽しめる音楽かな、と

いう気がします。

木陰にたたずみ涼しい風なんかが

ふっと吹いてくれる。

そんな情景が思い浮かび、

涼しくなれる名曲です。

 


ヴィヴァルディ 夏 

2014-06-27 20:49:38 | 音楽の魅力

サッカーW杯の日本の戦いは終わりました。

監督を4年務めたザックさんが辞めるとか。

少し消化不良な感じですね。

「ザックさんに恩返ししたかったけど、

できなかったのが残念!」と

長友や大久保選手は別れを

惜しんでいたようです。

でも、この4年間で日本も進化したと感じます。

特に、守りに入ると、ずるずる下がる

悪い癖が抜けてきました。

ザックジャパンのいい点は、この悪しき

習慣を脱したところでは?

また、スローイングを大事にし、得点チャンスに

つなげる連動を覚えたこと。

囲んで球を奪い、守から攻への

切り替えを素早くしたこと。

昨年のオランダとのテストマッチで

見せた4人が連動してダイレクトな

ショートパスをつなぎ、最後に

本田がゴールを決めたシーンは、

その最たる結実でした。

そんなザックさんの遺産を受け継ぎ、

さらに進化していって欲しいと

思います。それには、日本代表の

各選手の持久力と瞬発力の

両方を底上げしなければならないと

感じます。あと1歩が出ない!?

あと1歩先に出れば、ボールが

奪えたのに。

あと1歩が先に出れば、

相手からボールを奪われずに

済んだのに・・・。

1歩でなくても、30センチでも

いいと思います。

そんなことを考え、4年後に

期待したいと思います。

ともあれ、日本国内は、

次第に梅雨が明けていきます。

猛暑の夏がまたやってくる

のでしょうか?

ゲリラ豪雨、高温多湿の

日本の夏。

雲行きが突如怪しくなり、

短時間の豪雨が訪れる。

そんな風雲急を告げる

シーンを巧く表現した

クラシック音楽があります。

それは、ヴィヴァルディ作の

四季より”夏”です。

夏の烈しさ、変化の急w

音で見事に表現していて、

夏の自然にどっぷり浸かった

いうまでもなく、夏は

陽ざしが厳しい!!

肌が焼かれます。

そんな強烈な陽ざしが

あるからこそ、大木の

陰で日よけするのも

心地いいものです。

烈しさの中のオアシス。

そんな木陰のオアシスで

木漏れ日なんかが差してくると、

夏本番を肌で感じます。

なんかUV化粧品の

CMに出てきそうなシーンですね。

日焼けは禁物ですが、

この暑さがあるから、涼感を

楽しむこともできます。

木陰、よしず、打ち水などなど、

夏の風物詩も健在です。

朝顔、へちま、ひぐらし、

それに加えて夏のアゲハチョウ

なども乙なものです。

 

黒を基調にしているからこそ、

シックで小悪魔的。

四季の中で一番の烈しさ、

安らぎも体験できる季節です。

暑い!暑い!と嘆くばかりでなく、

楽しんでみましょう。

健康管理をしながら・・・・

夏へレッツ・ゴー!!

 

 

 

 

 

 


命が裸になる場所

2014-06-18 20:18:34 | 音楽の魅力

サッカーW杯のNHK応援ソングを

じっくりと聴いてみました。

椎名林檎の『NIPPON』です。

最初この曲を聞き流していた時は、

ドラムの打ち込みの激しい曲だな、

くらいにしか感じていませんでした。

ところがです。歌詞を1語1語、じっくりと

聴いていくうちに、

思わず唸ってしまいました。

新鮮で的を得てる言葉のオンパレードに

関心してしまったのです。

もちろん、主役は侍ブルーの戦士たち。

彼らの置かれた立場。それから、

ワールドカップの大舞台に臨む

ことのスケールのでかさ。

それから日本国民の期待と祝福。

彼らがやるべきことと、運命。

どんな想定外の変化が起こるか?

それを暗示する言葉。

まさに、練りに練った言葉を

スピード感よく紡いでくれたのが、

よく分かりました。

これが小説なら、推敲に推敲を

重ねた傑作ではないかと

感じたくらいです。

選手の気持ちを代弁した言葉が

次々に登場してくるのには

びっくりしました。椎名林檎の

想像力と創造力には驚きました。

では、その言葉の具体例を・・・・。

♪さいはて目指してもってきたものは、

たったひとつ

この地球でいちばん混じりけのない

気高い青 ♪

 

混じりけのない青という表現に

ぐっときました。さらに畳みかける

ように、♪何よりも熱く、静かな炎♪

まさに頭は冷静に、心は熱くなれを

素敵な表現に替えています。

ぐっときました。

そしてきわめつけは、

♪広大な宇宙、つながっていくんだ。

勝敗は、そこで待っている。

そう、命が裸になる場所で♪

命が裸になるとはどういうこと?

色々と考え、想像を巡らせて

みました。

日本が初戦で体験した

試合内容と結果。まさに、侍戦士の

姿が丸裸になりました。

よそいきの試合をすれば、それが

露わになり、相手に合わせた試合を

すれば、それが露わになり、

気象条件に体が音を上げれば、

押し込まれます。

どうせ試合終了のホイッスルが

鳴れば、丸裸になるのなら、

最初から丸裸でプレーすれば

いいじゃないか、と感じました。

気取っても無理。しゃにむに

自分たちのスタイルに身を投げて

飛び込んでいく。

この歌詞には、ザックジャパンが、

第2戦のギリシャ線に臨むべき

姿がきちんと書いてあると感じました。

20日の第2戦は、この『NIPPON』の

歌詞を糧に闘って欲しいなと

思います。

それにしても、椎名林檎の

才能はすごいなと思います。

W杯の舞台で戦う侍戦士を

時代の風雲児と表現したり、

♪ほんのつい最近考えていたことが

古くて、少しも抑えらんないの♪

とここは、女性らしい言い回しですが、

侍ジャパンも、戦略を決め、戦術を

決めて戦ったつもりでも、気象や

相手によって、体も心も変わる。

これは、経験値を踏むしかないの

でしょうが、それくらい状況は

めまぐるしく変わる。

新たな作戦を生み、実践

し続けないと、ワールドカップと

いう大舞台では、乗り遅れて

しまうということでしょうか?

勝ち続ければ続けるほど、

長丁場になり、想定外に

事態が起こるのがW杯です。

変化に対応していくことを

楽しんでできないと

生き残れない。

素晴らしい歌詞です。

ザックジャパンがこの歌のように

戦えば、希望の光が

見えてくる気がするのですが・・・。

 


ベートーベンの悲愴とAKBの「掌が語ること」

2014-05-19 08:42:52 | 音楽の魅力

音楽は、音に感情移入し、映像を

思い浮かべ、感性を発散させる。

そのことで、体中の細胞が生き生きする

効能があると信じています。

それと同時に歌詞にも感情移入できる

曲があり、別な楽しみ方もできます。

その歌詞に感情移入できる曲・・・・・

それは、私の場合、AKB48が震災復興支援で

歌っている『掌が語ること』です。

🎶掌で砂(夢)をつかもうとしても、

手の間から砂はこぼれてしまう。でも、それを

何度も繰り返す。その手がひとつじゃなく、

ふたりになり、どんどん増えていくことで、

砂の山を築くことができる。🎶

こんな内容の歌詞が歌われた「掌が語ること」は、

2011年震災のあった年に、日本中の人が

見なおした”絆”を歌詩にしたような曲です。

手をつなぐという行為は、相手の心と

自分の心がつながっている感触が

びびっと伝わってきますよね!?

まさに絶望に打ちひしがれた被災者の心に

一縷の火が灯った歌詞ではないでしょうか?

応援歌としては、素敵な歌詞だと

素直に思います。

AKBの曲の中でも、歌詞で聞かせる

名曲だと感じます。

そんなエールのような曲に似た感覚の

曲を見つけました。

こちらは、クラシック音楽で、歌詞ではなく、

音に感情移入できる曲です。

それは、ベートーベンのピアノソナタ8番

第2楽章(悲愴)です。

第1や第3ではなく、第2楽章なのです。

この第2楽章は、ベートーベンには珍しく(?)、

温かみを感じるピアノバージョン。

1段1段、ゆっくりと階段を踏み上がるように、

希望がにじみ出てくるように湧いてきます。

”悲愴”という副題からは、ほど遠い希望の

曲です。おそらく悲壮感を感じた後に

達観し新たな希望が湧き出てくる時期を

音で表現したのかと感じるくらい、

元気をもらえます。

1音1音、ゆったりとかみしめるように

微細な強弱を入れて弾かれると、

思わず感情移入してしまいます。

「絶望→あきらめ→達観→希望の光」

この流れは、震災復興と同じ道では

ないかと感じたほどです。

その観点で、AKBの先の曲と、

ベートーベンの悲愴に類似点を

感じてしまったわけです。

とても、2つのアーティストの間に

共通点はないように思われますが、

想定外の事件が起こった後に

作られたという共通項があるためか、

偶然に似てきたのでは?と

思い直しました。

感情を音にし、言葉の力を歌詞にする。

ベートーベンが作詞家でもあったら、

この悲愴第2楽章に、どんな

歌詞をつけたでしょうか?

興味が湧いてしまいました。

 

 

 

 

 

 


モーツァルト ピアノソナタ15番 第2楽章

2014-02-08 10:19:39 | 音楽の魅力

久しぶりにモーツァルトの音楽について書きます。

それにしても寒いですね。雪も粉雪。

とても軽くて乾いていそうなので、降れば

降るほど積もっていきそうです。

こんな時は、家の中で冬

こもり。幸い、土曜なのでお仕事が

休みの方も多いのでは?

では、冒頭のモーツァルト音楽について。

寒い時は血のめぐりがよくないと

思いますが、室内でピアノソナタ15番の

第2楽章を聴くと、体がじんわりと

してきます。

とてもシンプルなメロディで

ピアノの音も柔らかいタッチなので、

気持ちのいい音楽です。

よどみなく流れるような音の

連続。適度なテンポでスピード感を

保って弾かれると、とても

躍動感もでてきます。

やさしく躍動する世界へ

誘ってくれます。

こんなシンプルな曲だからこそ、

ピアニストの方の技量が

丸裸にされる恐怖はあると

感じますが、雑念を振り払って

素に戻れる感じの曲なので、

精神も洗われるようです。

おそらくモーツァルトは、

このメロディを突然ひらめき、

一発で書きとおしたのでは?

ひらめきを感じるくらい

シンプルでよどみない曲なのです。

モーツァルト音楽療法の権威、

和合治久先生は、この曲を何度も

繰り返し聴くと、血の循環が

良くなるとおっしゃいます。

寒い季節だからこそ、聴いて

みませんか?


ラフマニノフにはまりだして・・・

2014-01-12 09:03:18 | 音楽の魅力

ロシアの作曲家、ラフマニノフに最近

はまりつつあります。

来月のソチ五輪のフィギュアスケートでは、

おそらく何人かの選手が彼の音楽を

バックに使い、演技のストーリーを

表現するでしょう。

それくらい、人生の喜怒哀楽が

凝縮された音が豊かなのでは、と

感じています。

彼のピアノ曲は繊細でロマンチックな

曲が多く、その点でショパンに

似ていると感じます。人生後半には、

祖国を離れ2度と戻ることはなかった

といいますから、その境遇も

ショパンと類似しています。

ただ違うのは、ショパンは体が

衰弱していたのに対し、

ラフマニノフは精神が病んでいた

時期が長かったといいます。

もちろん体と心はつながってくる

ところもありますので、その意味に

おいて共通点もあるかと思いますが、

ふたりの音楽が決定的に違うと

私なりに感じるのは、ラフマニノフは、

育った故郷の自然環境、音楽を

本格的に学んだ時代の環境、

海外への移住の繰り返しと、

自分を取り囲む自然を含めた環境と

音楽が密接につながっているのでは

ないかと思わせるところが多々ある

気がするのです。

ショパンのように内面からにじみ

出てくる音の創作とは少し違い、

自然美やうつろいや、その自然環境や

周囲に影響された内面の変化を

音で表現している気がするのです。

ですから、ラフマニノフは、ロシアに

住んでいたころと、海外生活のころと

では、音楽に化学変化が起こったかと

思えるくらい、変貌を遂げている部分が

あると思うのです。

ここのところは、彼の人生遍歴と

創作した音楽の連動性を調べて、

また新たな発見があれば書いてみたいと

思っています。

それにしても難解で、手がつけられない

と感じていた彼の音楽にはまりつつある

のですから、不思議ですね。

彼の音楽には、陰と陽が宿っています。

自然の営みのように。

中には、陰影がありながら、

そこから希望の光が湧き出てくるような

美しい旋律で構成された曲もあります。

パガニーニの主題による狂詩曲18番変奏

などは、その典型例でしょう。

ただ、この曲は、スイス在住の時に

書いた晩年に近い時期のもの。明るい

日差しを浴び、別荘でゆったりと

過ごしていた時代のもので、ロシア的な

暗さと雄大さはありません。

それくらい音楽が変わっているのです。

個人的には、この18番変奏は

かなりお気に入りですし、ロシア時代に

女性歌手に捧げた「ヴォカリーズ」という

曲も好きです。

美しさ、ロマンチックさ、そしてなぜか

彼の曲には、人間が感じる”切なさ”が

組み込まれています。

彼が別荘生活で好んでいたという

”ライラック”の紫の花びらは、

「初恋」が花言葉。

その「初恋」感覚のような

新鮮で切ない思いが音に

込められていると

強く感じます。

陰と陽に垣間見える

”切なさ”にはまります。