モーツァルトのこのコンチェルトは、
色々なことを想起させてくれます。
第1楽章は、
何かが遠くからやってくるように
感じるイントロ。
風? 人? 水?
その答えは、音楽なので、聴く側の感性に
任せられるのでしょう。
それにこの12番、軽快なリズムで最初から
最後までよどむところなく、スピード感たっぷりに
音が断続的に流れていきます。
しかも、マイルドに!!
穏やかで軽快感のある12番。
モーツァルトワールドの中でも秀逸な
1曲だと感じます。
”間”を作らない連続性。
小川の水が、滞留せずに
さらさらと流れる情景が思い浮かびます。
よどめば、そこで思考が一瞬始まり、
感性が遮断されます。
そこを知ってか、意図的に断続的に
音を紡ぎ出していったのでしょうか?
まさに自然派の天才、モーツァルト。
ショパンが、物思いにふけるロマンチストの
代表だとしたら、モーツァルトは
天然のエンターテナーだと思います。
この曲を聴くと、一層そう感じてしまいます。
何かに息詰まったら、頭をリフレッシュするために、
こんな音楽もいいかも。
素に帰る。自分を大事にする自然体に
ついて感じ取れるかもしれません。