封切りになったばかりの映画『オケ老人』を
観に行ってきました。
棺桶のオケでもなく、ぼけ老人でもなく、
ここでいう『オケ』はオーケストラのオケです。
有能な若手楽団員が全員、ライバル楽団に移り、
おじいちゃんとおばあちゃんだけになったオケの物語。
笹野高史さん演じる指揮者が、下手だろうと何だろうと
オケを引っ張っていました。しかし、寄る年波には勝てず、
何かの勘違いで入団した(させられた)若い美人教師
と選手交代。
その千鶴先生(杏さん)が指揮者を務めることになり、
団員のやる気が数段アップしていきます。
ここからコメディタッチの痛快ドラマが始まったのですが、
おばあちゃん団員が漬物を差し入れしたり、
おじいちゃん団員が実現しそうもない夢を語ったり・・・・
はたまた、前の日に杏さんに説教を垂れていたおじいさんが
急死したりと、こんなこと現実にもあるあると、
あまりのリアルさとコメディタッチの演出に
腹がよじれるくらい笑い転げてしまいました。
腸ねん転になりそうなくらい(笑)でした。
何とも人情味溢れるストーリーだったのです。
下手なんだけど一層懸命に取り組んでいる姿って
傍から見ていて感動しますよね。
まるで『フーテンの寅さん』風でした。
若い指揮者が入り、音楽への情熱、もっと上手くなって
コンサートを開きたい・・・・そんな音楽への愛情が
団員一丸となって深まっていく様も爽快でした。
登場する音楽も
エルガーの『威風堂々』
ヴィバルディの『四季より”春”』
ドボルザークの『新世界より』などなど。
音響の良い映画館で聴くとどの曲も感動ものでした。
最後は、若手団員の加入やサポートも加わり、
晴れ舞台のコンサートで、途中のホール内での
停電にもめげず、この老人オケが
『威風堂々』を堂々と真剣に演奏しきり、
いじわるなライバル楽団の幹部連中をぎゃふんと言わせる結末に。
これは、完全に勧善懲悪で終わる『水戸黄門』にそっくり!
2度爽快な気分に浸れました。
クラシック音楽好きな方は
この映画、おすすめです。
(追記)
それにしても、『威風堂々』は『ラデッキ―行進曲』と
同じくマーチなので、元気になれますね。