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ショパンとモーツァルトの意外なつながり

2014-12-31 14:07:58 | 音楽の魅力

今年も最終日。いろんな音楽を聴き、

想像を膨らませ、感性を刺激し、

感動することができました。

年末にふさわしいかどうかわかりませんが、

ふたりの有名な作曲家のつながりについて

書きたいと思います。

つながりといいましても、交流ではなく、

こころのつながりです。

モーツァルトの遺作となった曲に

『レクイエム』があります。

皆さんもご存じのように壮大な

合唱曲で構成された鎮魂歌です。

天に召された魂が静かに癒されていく

ような、神聖な成熟があります。

平たく言えば、生きている間に

さまざまな葛藤で戦ってきた

体や心が、天の神様から

「お疲れさま。よく頑張ったから、

もうゆっくりと休んでね」と

言われているような慰みを

感じるのです。

この『レクイエム』を自分の

葬儀に流してくれと遺言を

残していたのが、ショパンなのです。

自分の魂をモーツァルトのこの曲で

清め、有終の美で飾りたいと

思ったのでしょうか?

いかにもロマンチストのショパン

らしい希望です。

モーツァルトとショパン、実は

意外なところで共通点があるのが

分かります。

目的は違えど、モーツァルトは

幼少のころから父レオポルドと共に、

欧州中に演奏旅行に出かけます。

足かけ数年に及ぶ長旅。それも全て

馬車で行うという難行苦行です。

日本でいえば、お遍路さんに近いかな

(ちょっと違いますが)とも感じます。

ショパンは、隣国ロシアに攻められ

祖国ポーランドを追われた身。こちらも

若くして祖国を離れ、ウィーンや

パリで生活。また、愛人ジョルジュ・サンドとの

地中海に浮かぶ島への逃避行。

ふたりとも、住まいが定まらず、転々とする

激動の若者時代を過ごした経験の持ち主です。

いろんな土地でいろんな人と出会い、語るのは

人間としても成長できると思うのですが、

感性も豊かになっていくと思うのです。

ひとつの場所にずっと定住し人間関係を

築くのも人生のプランとしてもありですが、

モーツァルトは自身の持つ才能を生かすため、

ショパンは政治上やむなく

祖国を離れてしまいます。

こんなふたりには、音楽観や人生観など

哲学の部分で相通じるものがあったのでは

ないかと想像できます。

創る音楽は違っても、音に込めた魂の叫びには

共感できるものがあったと感じています。

だからこそ、モーツァルトが晩年に創った

『レクイエム』にショパンはしびれたのだと

思いますが、実際はどうなのでしょうか?

本人に聞いてみたいところです。

動のモーツァルト、静のショパン・・・・

そんな対比ができそうですが、内面には

共通部分が多々あるようなふたりです。

間違いなく、ふたりは、”何か”と

闘いながら仕事をし、生活していました。

その行き着く先に『レクイエム』があって

いいのでは、とショパンは感じた

のでしょう。

この”何か”につきましては、

また後日のブログで書きたいと

思います。


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