極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

金木犀とセットアッパーな四天王

2009年11月14日 | 国内外旅行



ふかふかと 万葉粥を頬張りつ 春日の山の金木犀


NaraKofukuji2.jpg

母親のショートスティ休暇で彼女と奈良興福寺へ早朝
車を飛ばす。目的の「
興福寺国宝特別公開2009―お堂
でみる阿修羅
」が開催中ということで「阿修羅像」の
拝観は、待機時間4時間半(平日は2時間)というこ
とで断念することに、祝祭日は9時には拝観手続きを
済ましていなければならい。増して雨天時などはこれ
は酷なこととなるというほどの人気ではあるが、もう
少し工夫が欲しい。


興福寺北円堂 

普段は興福寺の国宝館などに展示されている阿修羅像
をはじめとする八部衆・十大弟子像の現存14体すべ
てが仮金堂に安置され堂内には、江戸時代に造られた
本尊・釈迦如来像や鎌倉時代の薬王・薬上菩薩像、四
天王像も安置され、それぞれの時代を代表する仏像の
美を拝観できるという。仕方なく、鎌倉時代の仏師・
運慶の傑作とされる無著・世親両菩薩像、四天王(国
宝)などを安置されている
北円堂と南円堂の拝観に切
り替えることに。


Kasuga-taisha11bs3200.jpg 

セットアッパーとはいえ、仏像の精緻さや作士の気魄
は存分にうかがえることになったものの予定が狂う。
そこで向かったのが春日大社。正午前だが折からの七
五三で子ども達の晴れ姿で混雑するが、外国の白人の
中年女性がしきりに七五三の参拝者を撮影していたが、
やはり珍しいのかと感心する。平成27年の60回目とな
る造替のための
御殿用檜皮(ひわだ)の奉納寄進をさ
せて頂いた。


    

万葉集に詠まれた植物を植栽する国内最古の萬葉植物
園として 開園された区画で現在も開園当時と変わるこ
となく、万葉名で詠まれた植物の8割以上の標本展示園
として作られた萬葉園に向かう。会津八一折口信夫
島崎藤村宮柊二らの歌碑と万葉集が散りばめられた
植物園。池には鯉がいて餌をやると映画「崖の上のポ
ニョ」様に口を開けた鯉がいまにも池から飛び出して
こようかとする光景に驚く。




ところで、植物園の正門横には春日荷茶屋がある。こ
こで休憩とる。万葉集にちなんだ四季折々の野草を使
った
粥のセットメニュー。この季節きのこ。昆布だし
に、白味噌仕立てのお粥の湯気をふかふか立てながら
歓談に溢れた茶屋の光景を歌にする。江戸時代末期に
春日大社境内において、てんびん棒に茶箱と茶釜をか
けて、赤膚焼の皿に「火打焼」という餅菓子を火吹き
竹で火をおこし、参拝客に茶を振る舞っていた「荷茶
屋」が「大和名所図会」など紹介されている。



ふたりは蓬(よもぎ)団子を屋外の庭園でよばれるこ
とに。
小倉小豆が奈良の鹿繋ぎで面白いと感心しなが
ら茶屋で憩う旅人を観察しつつ?花言葉を繋ぎ即興で
歌を描くという離れ業を遂行しながら、ふたりだけの
時間を楽しんだ。肝心の
金木犀というと花の季節も終
わり植物園で確認したぐらいだったが。



金木犀(学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus)はモ
クセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で、ギンモクセイ
の変種。中国南部が原産で江戸時代に渡来した。中国
では正しくは丹桂がこれに当る。しかし桂花は木樨属
におけるひとつの種名であり、金桂(ウスギモクセイ)
銀桂などを含む全ての亜種・変種・品種を総括する。



Osmanthus fragrans (orange flowers).jpg

庭木として観賞用に植えられ、秋になると小さいオレ
ンジ色の花を無数に咲かせ、芳香を放つ。芳香はギン
モクセイよりも強い。雌雄異株であるが、日本では雄
株しか入っていないので結実しない。雄しべが2本と
不完全な雌しべを持つ。花冠は白ワインに漬けたり(
桂花陳酒)、茶に混ぜて桂花茶と呼ばれる花茶にした
り、蜜煮にして桂花醤と呼ばれる香味料に仕立てたり
する。


 

桂花蟹粉(芙蓉蟹の別名)、桂花鶏絲蛋、桂花豆腐桂
花火腿などのように鶏卵の色をキンモクセイの花の色
に見立てて名づけられた卵料理は多く、正月用の菓子
である桂花年糕のようにキンモクセイの花の砂糖漬け
を飾るなど実際にこの花が使われる料理もある。

Autumn Red peaches.jpg

香りの主成分はβ-イオノン、リナロール、γ-デカラ
クトン、リナロールオキシド、cis-3-ヘキセノールなど。
このうち、
γ-デカラクトンなどはモンシロチョウな
どへの忌避作用があることが判明している。




 国道24号標識

平安京とは異なり平城京の建造物は、中国の影響が色
濃いという印象をもち(→京都は朝鮮の影響が濃い)
帰路につくが、話しの尾鰭つきがスタートする。阪奈
和道→京滋バイパス→名神→自宅に着くと暫くして、
阪奈和道のインタ山田川付近に住む従兄弟ご夫婦が、
信楽の陶器の買い付け(信楽焼の方が伊賀焼よる庶民
的でカジュアルだとの理由で)の帰りに立ち寄るとの
電話が届き、自宅で消息や近況を話されて、時間を見
つけて「近鉄学園前」の喫茶店にお邪魔する約束をし
て帰っていただいたが、細かな話しはこうした面談が
一番だなと思いを腑に落とすこととなる。
 
                  


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