極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

融合する電子と光子

2011年08月01日 | 省エネ実践記

 


 


『デジタル革命』をテーマにブログ掲載しはじめ2年になるが急速に
拡大進行していることが実感できる。例えば、先月28日には、米自動
車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のベンチャーキャピタル子会社、
GMベンチャーズが750万ドルを投じ米太陽光発電装置メーカー、サ
ンロジックスの株式(株数は非公表)を取得したと発表したが両社は
GMの工場やシボレー販売店に太陽光充電スタンドを設置する契約に
も調印している。



GMベンチャーズのジョン・ラウクナー社長は「世界の太陽エネルギ
ー利用は、北米・アジア地域での伸びが寄与し、向こう数年で倍増す
るというのが大方の予想。再生可能エネルギーはいずれコスト効率が
上がるうえ環境にも優しいため、太陽光は賢明な経営判断だ」と発言
し、プラグインハイブリッド車「シボレー・ボルト」の導入を皮切り
に、電気エネルギーへのシフトを進める全社的な戦略とも合致すると
語ったという。これは「電動機+内燃機関」でハイブリッドありえて
も「電動機×内燃機関」の融合ではない。



しかし、これが半導体となると、LSI(高集積度回路)とフォトニクス
つまり、光技術が融合するのは時間の問題で、シリコン上でのナノ技
術を駆使することにより、革新的光源・光配線実現に向け、
光子と電
子の融合の‘LSIの新革命
のトップに日本が躍り出ると期待されて
いる。2016年には22mn技術を使い、手のひらサイズのスーパーコンピ
ュ-タが実現できそうである(IBM社のBlueGaeと比較すると、サイズ
は1/125の10cm、電力は1/88の33kW、処理能力は300倍の110PFLOPS
(フロップス、Floating point number Operations Per Second)に
なる)。1cmの箱に水を満たし樹脂で密封した128枚のチップをそ
の中に浸し、チップは、誘導結合で電力供給を受けデータ通信をする。
水がチップの間を巡回して放熱効率を高める。この箱を8×8×8重
ねてスパコンを作る。箱は活線挿抜できる。ストレージユ二ットは、
SSD(Solid State Dnie)で作る。このスパコンをスーツケースに詰
めれば、インフラが整わない発展途上国でも、テータセンターを簡単
に開設できる。2025年には、8nm 技術を使って、細胞サイズの8ビ
ットマイコンを実現する。また、10μm角のチップを8枚積層すれば、
10万個のトランジスタを集積でき、これを用いてナノスケールの医療
用ロボットを制御したり、体に埋め込んで健康管理に役立てる。田畑
にまいて農作物の栽培管理に役立てたり,工場の中で食料を大量生産
するのに役立てる。あるいは、環境に埋め込んで地球環境の保全に利
用できるという(黒田忠広慶応義塾大学教授「
半導体技術と産業の課
題と展望
」。そして、半導体は産業のコメと言われてきたが、これか
らは社会の水や空気になるかもしれないとも言われているが、わたし(
たち)の経験から学んだ思いと同じだ。



ところで、いま使っているバイオのノートは低温火傷の危険性がある
ように、半導体集積回路の消費電力が、チップの設計を困難にしてい
るとともに、地球環境を守るという観点、エコの観点からも大きな課
題を抱えていたのだ。では、なぜ電力は増大したのかのその原因は、
欲張ったスケーリングあった。理想的なスケーリング、電界一定のス
ケーリングは電力を増大しないはずだが、80年代から90年代にかけて、
動作速度を優先したスケーリング、電圧一定のスケーリングをした結
果、電力は15年間で千倍に増大する。電力が危機水準に達した後は電
界一定のスケーリングに切り替えたが既にデバイスは限界に近づいて
いた。デバイス内部の電界が高くなりすぎ、キャリアが速度飽和(限
界)し、電圧を下げても電力が効果的に減らなった。閾値電圧も低く
なりすきて、これ以上電圧を下げるのも因雅になった。



トランジスタのリーク電流が急増したトランジスタのゲート長が90mn
の世代では、ゲート酸化幕の厚さは12nm程度、分子4層分である。45
mn世代になると0.8nm程度に溥くなり、ゲートに大きなトンネルリー
ク電流が流れる。ゲート酸化族を薄くぜずにトランジスタを微細化す
ると、ゲートのチャネル支配力が弱まり、ドレインとソースの間を電
流のように電流が流れてしまう。これは、ドレイン空乏層の容量結合
でソース近傍の表面電位が上がり、閾値電圧が下がる。スケーリング
の副作用として電力が増大している。集積回路の原理であるスケーリ
ングに大きな副作用が現れ始めたから、その解決は容易ではないとい
う現実があった。


2004年10月、インテル社がペンティアム4の動作周波数を4GHzに上
げる計画を中止した。周波数を性能向上の最大の武器にしてきた。同
社の技術戦略が根本的に変わったとして世界中が注目した。それ以来、
マルチコア、メニ-コアを使い並列化で性能向上を図る。並列にした
だけ回路を遅く動かせるので、電源電圧を下げ低電力化できる。しか
し、電源電圧が下がり閾値電圧に近づくほど、製造ばらつきの影響が
顕著に現れ性能を引き出せない。ばらつきを考慮した設計とばらつき
を抑える製造が新たな課題になるが、ムーアの法則が成立していれば、
2014年ごろにはチップの性能が1桁以上高くなり、電子機器の買い替
え需要を喚起できる。ムーアの法則が減速すれば、買い替え需要は減
少する。直面する障壁との半導体製造に関わる人々の格闘が日夜続い
ているのだ。

【量子ドット太陽電池の具体化】

【課題】工程を増加させる歪補償層を成長させることなく、簡単な構
造をとる通常GaAS層を量子ドット層の中間層として設け、各層の成長
速度を従来のものより早くする多積層量子ドット構造体および製造方
法を得る。
【解決手段】GaAsバッファ層上にInGaAs量子ドット積層構造体を設け
た多積層量子ドット構造体では、InGaAs量子ドット積層構造体6は、
複数のInAs量子ドット4を設けたInAs薄膜層3と、そのInAs量子ドッ
ト4を埋め込むようにInAs薄膜層3上に設けたGaAsバッファ層5から
構成するInGaAs量子ドット構造体6を任意数層積層して構成する。
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In(Ga)As量子ドットを用いる半導体受光・発光素子では、特性向上
に、高密度化が必須である。量子ドットを高密度化する方法は(1)
面内のドット密度を増加させる方法と(2)量子ドット層を多積層化
する方法
がある。特に太陽電池構造への応用を考える場合には、量子
ドットが上下、及び面内方向で整列することが必要なのだ。しかし、
量子ドットを多積層化する方法は、
量子ドットは格子不整合系の結晶
成長を利用するため、多積層化によって格子歪が結晶中に蓄積するこ
とによって転位や欠陥が生じ、特にInAs量子ドットでは、その結晶特
性が著しく悪化する


InAs量子ドットを多積層化する場合、それぞれの量子ドット間の中間
層を40nm程度に厚くすれば、その良好な光学特性を保ったまま多積層
化可能であるが、40nmの厚さではドット層間で上下にドットが並ぶこ
とはなく、太陽電池構造に必要な整列構造は得られない。この問題に
対する一つの回答としてInAs量子ドット間の中間層GaAsに、N(窒素)
などの格子定数の少ない物質を添加しGaNAs層を中間層とすることで
格子歪を緩和し(歪補償層の利用)、多積層構造とするといった方法
が提案されているが、Nという別の元素を必要とし
、他の分子線セル
を準備する必要がある。また、高品質な量子ドット構造の成長には、
成長速度を0.006ML(分子層)/s(秒)といった極めて遅い成長速度
が必要とされドット層だけで12時間の時間を要す。

基本的に、InGaAs量子ドットを設けたInGaAs薄膜層上に、GaAsバッフ
ァ層を設けたInGaAs量子ドット構造体を用いる。このInGaAs量子ドッ
ト構造体により、歪補償層無しで高速成長の量子ドット構造体を構成
する。InGaAs薄膜層とGaAsバッファ層のInGaAs量子ドット構造体の積
層方向の端面は歪み無く平坦にできる。InGaAs量子ドットは、InGaAs
薄膜層を形成した後、その上に量子ドットとして成長させる。InGaAs
薄膜層とInGaAs量子ドットの成長は連続的に行われ、InGaAsが自己形
成的に量子ドットを構成するものである。

つぎに、InGaAs量子ドット構造体を単位として、このInGaAs量子ドッ
ト構造体を必要な層数(段数)積層してInGaAs量子ドット積層構造体
として、高出力を得るようにする。このInGaAs量子ドット構造体を
用いるので、今まで達成することができなかったほどの数の層数積層
することができる。InGaAs量子ドット積層構造体をi層とし、このi
層を挟んでGaAsのp層およびn層を設けて太陽電池を構成することによ
り、高出力の太陽電池とすることができるという。



 

量子ドット、半導体レーザ関連の新規考案が続々と申請されてきてい
る現状を鑑みるに、かって、ウィリアム・ショックレーらの接合型ト
ランジスタの特許が1951年9月25日に発効しことしでちょうど60年が
経過する。その当時、ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテ
ン、物理学者ジェラルド・ピアソン、化学者ロバート・ギブニー、電
子工学者ヒルバート・ムーア、および数人の技術者がいた。彼らの目
標は、真空管増幅器の代替となる固体(半導体)を見つけることにあ
ったが、数々の失敗を続け、バーディーンが半導体の内部にブラッテ
ンは表面準位の研究のため半導体の表面に強い光を当てる実験を始め、
初期の実験が失敗した原因が推測できるようになる。

研究が軌道に乗るのは、半導体と導体の導線の接触点を電解液に浸す
実験を行ってからである。ムーアは入力信号の周波数を容易に変更で
きる回路を組み立て、ショックレーの助言に従い、ピアソンはpn接合
の接合部分にホウ酸グリコールの小滴を置き電圧を印加することで、
増幅作用が観測されるようになる。このような経験を現在に置き換え
考えると、10年後には荒井泰彦の研究グループとシャープが発表した
理論変換率の半分の38%程度の変換率を実現し実用化する日が来るも
のと思っている。

                           

 

 

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