極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

沸騰大変動時代(三十九)

2024年05月21日 | 第4次産業(マルチメディア)革命

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。


【季語と短歌;夏の歌会に向けて猛特訓①】
今回は、日本の漫画・アニメの世界的流行を受け、笹公人氏の『ペン
ギン村からかめはめ波』(「短歌研究」5・6月号 2024年)の下記10
句の作品への感想/批評を考えてみて下さい。

「んちや」「バイちや」「キーン」アラレ語飛び交いし例年春の公園
ガスマスク被りし絵師のペン先に降り往いでいた宇宙の叡智
天下一の画力とセンスで描き切りし『ドラゴンボール』は宇宙の教科書
悪人も言向け和して友にする悟空の大和魂永遠に
孫悟空の重力百倍特訓のごとき執筆の日々を思えり
空港に原稿届けるホンダ・シティは金のひかりを帯びて走りき
ドラゴンボールフつ揃えて神龍を呼び出さなかった鳥山先生
先生に届け!と世界の人たちが空に手のひら見せる長年
堕ちてくる限石の軌道ずらさんと全人類が両手挙げる日
ぽわぽわとポットの家から湯気の出るペンギン村にみんなで帰ろう

※ わたし個人は第九句が現在的な「アルマゲドン」を起想させるも
 のでもあり、「ラスト・ディケイドの約束」でもあり、有る意味深
 刻な事態に立ち向かわせるものでもある。




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【最新技術特集:メタネーション・光還元触媒②】
1.特開2024-40891 水電解一体型メタネーションセルおよびそれを
 用いた電解メタネーション装置 川崎重工業株式会社 福岡大学
【概要】
図1のごとく、水を電気分解して酸素と水素イオンを生成するアノー
ド5、及び、アノードに水を供給する第一流路6を備える、アノード
部2と、水素イオン伝導性を有する電解質4と、水素イオンを還元し
て水素を生成するカソード7、二酸化炭素を還元して炭素化合物を生
成する触媒層13、触媒層に二酸化炭素を供給する第二流路8、及び
、生成された炭素化合物を排出する第三流路9を備える、カソード部
3とを備え、カソード部において、第二流路および第三流路がいずれ
もカソード部の一方の側面に設けられ、触媒層が第二流路と第三流路
とを隔てる幅方向の仕切り板10を有し、かつ、仕切り板の一部に第
四流路11が設けられている、水電解一体型メタネーションセル1。
で構成されたるカソードとアノードに流す電力原単位を小さくし、効
率よくCO2ガスから炭素化合物を生成できる水電解一体型メタネー
ションセルおよ
び電解メタネーション装置を提供する。

図1 本実施形態の水電解一体型メタネーションセルの一例を示す概

略断面図
【符号の説明】
1 水電解一体型メタネーションセル 2 アノード部 3 カソード部
4 電解質 5 アノード 6 第一流路 7 カソード 8 第二流路 9
第三流路 10 仕切り板 11 第四流路 12 絶縁シート 13 触媒


【発明の効果】
実施例のように触媒層に仕切り板を設けることでCO2が触媒層内に
分散し、メタネーション反応に望ましい化学量論比の領域が増え、カ
ソード部における触媒が有効に使われるため、二酸化炭素の転化率を
改善できることが確認できた
 カソードとアノードに流す電力原単位を小さくし、
効率よくCO2
ガスから炭素化合物を生成できる水電解一体型メタネーションセル

よび電解メタネーション装置を提供できる

図3 水電解一体型メタネーションセルにおけるカソード部(触媒層
     )を示す概略図
図4 実施例において、空塔速度と圧力損失を実験的に求めたグラフ
【特許請求の範囲】
【請求項1】水を電気分解して酸素と水素イオンを生成するアノード、

及び、前記アノードに水を供給する第一流路を備える、アノード部と、
水素イオン伝導性を有する電解質と、水素イオンを還元して水素を生

成するカソード、二酸化炭素を還元して炭素化合物を生成する触媒層、
前記触媒層に二酸化炭素を供給する第二流路、及び、生成された前記
炭素化合物を排出する第三流路を備える、カソード部とを備え、前記
カソード部において、第二流路および第三流路がいずれも前記カソー
ド部の一方の側面に設けられ、前記触媒層が第二流路と第三流路とを
隔てる幅方向の仕切り板を有し、かつ、前記仕切り板の一部に第四流
路が設けられている、水電解一体型メタネーションセル。
【請求項2】前記仕切り板の面積が、前記触媒層の幅方向の断面積の

1/3以上である、請求項1記載の水電解一体型メタネーションセル。
【請求項3】第四流路が、第二流路および第三流路から離れた位置に

設けられている、請求項1記載の水電解一体型メタネーションセル。
【請求項4】第四流路の流路面積が、第二流路の入り口の流路面積と

同等またはそれ以上である、請求項1記載の水電解一体型メタネーシ
ョンセル。
【請求項5】前記仕切り板が、凹凸形状、波板形状、及び、上下方向

に突出している凸部を備える形状から選択される少なくとも一つの形
状を有する、請求項1記載の水電解一体型メタネーションセル。
【請求項6】  請求項1~5のいずれかに記載の水電解一体型メタネ

ーションセルと、前記アノード部と前記カソード部との間に電流を流
す電源とを備える、電解メタネーション装置。

2.特開2024-34587 原料ガス供給方法、メタン生成方法及びメタ
 ン生成装置 横浜国立大学

【概要】
下図1野如く、本発明の原料ガス供給方法は、バイオメタネーション
における原料ガス供給方法であって、気体透過膜31と培養液4に挟
まれたバイオフィルム32に対して、水素を純ガスの状態で前記気体
透過膜31を介して供給し、二酸化炭素を前記培養液4を介して供給
することを特徴をもつバイオメタネーションにおいて、複雑な運転管
理や原料となる二酸化炭素の精製をせずに、高純度なメタンを生成で
きる原料ガス供給方法、並びに当該原料ガス供給方法を用いたメタン
生成方法、及びメタン生成装置を提供する。

随1 原料ガス供給方法の模式図
【符号の説明】
1 メタン生成装置 2 水槽 3 メンブレンバイオフィルムリアク

ター 31 気体透過膜 32 バイオフィルム 4 培養液 5 生成
メタン
6 ガス分流器 7 二酸化炭素含有ガス供給口 8 気泡 9 遮集器
10 仕切り
【発明の効果】
本発明によれば、バイオメタネーションにおいて、複雑な運転管理や
原料となる二酸化炭素の精製をせずに、高純度なメタンを生成できる
原料ガス供給方法、並びに当該原料ガス供給方法を用いたメタン生成
方法、及びメタン生成装置を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 バイオメタネーションにおける原料ガス供給方法であ
って、 気体透過膜と培養液に挟まれたバイオフィルムに対して、水
素を純ガスの状態で前記気体透過膜を介して供給し、二酸化炭素を前
記培養液を介して供給することを特徴とする原料ガス供給方法。
【請求項2】 バイオメタネーションによるメタン生成方法であって、
気体透過膜とその一方の表面に形成されたバイオフィルムとを有す
るメンブレンバイオフィルムリアクターを、前記バイオフィルムが培
養液に接触する状態で用い、前記気体透過膜と前記培養液に挟まれた
前記バイオフィルムに対して、請求項1に記載の原料ガス供給方法を
用いて水素と二酸化炭素を供給することで、前記バイオフィルムにメ
タンを生成させることを特徴とするメタン生成方法。
【請求項3】 二酸化炭素含有ガスを用いて、当該二酸化炭素含有ガ
スに含有される二酸化炭素を培養液に溶解させる二酸化炭素溶解工程
を有し、 前記二酸化炭素溶解工程において、前記培養液に溶解しな
かったガスを、前記バイオフィルムが生成するメタンと混合しないよ
うに遮集することを特徴とする請求項2に記載のメタン生成方法。
【請求項4】前記二酸化炭素含有ガスとしてメタンと二酸化炭素を含
有するガスを用い、前記二酸化炭素溶解工程において遮集したガスを
前記二酸化炭素含有ガスとして循環させて用いることで、バイオメタ
ネーションによるメタン生成と並行して、遮集したガスに含有される
メタンの純度を上げる ことを特徴とする請求項3に記載のメタン生
成方法。
【請求項5】 バイオメタネーションによるメタン生成装置であって、
気体透過膜とその一方の表面に形成されたバイオフィルムとを有する
メンブレンバイオフィルムリアクターを、前記バイオフィルムが培養
液に接触する状態で用い、 前記気体透過膜と前記培養液に挟まれた
前記バイオフィルムに対して、請求項1に記載の原料ガス供給方法を
用いて水素と二酸化炭素を供給することで、前記バイオフィルムにメ
タンを生成させる  ことを特徴とするメタン生成装置。


3.特開2021-23840 金属酸化物含有複合体およびその製造方法、な
 らびにそれを用いた二酸化炭素還元方法 国立鳥取大学
【特許請求の範囲】
【請求項1】周期表で第6族~第12族に分類される金属を2種以上

含む金属酸化物の粒子と、前記金属酸化物の粒子を担持する担体とを
含み、前記金属酸化物は、スピネル型、またはペロブスカイト型の結
晶構造を形成し、前記金属酸化物の粒子の平均粒子径が5nm以下で
ある、金属酸化物含有複合体。
【請求項2】前記金属酸化物は、スピネル型の結晶構造を形成してい

る、請求項1に記載の金属酸化物含有複合体。
【請求項3】前記金属酸化物は、Cu、Co、Mn、Fe、Ni、お
よびZnからなる群から選択される2種以上の金属を含む、請求項1
または2に記載の金属酸化物含有複合体。
【請求項4】前記金属酸化物は、CuCo2O4、MnCo2O4、
またはFeCo2O4である、請求項1~3のいずれか1項に記載の
金属酸化物含有複合体。
【請求項5】前記担体は、TiO2、SnO2、Al2O3、PbO

2、またはZnOの粒子である、請求項1~4のいずれか1項に記載
の金属酸化物含有複合体。
【請求項6】金属酸化物含有複合体の総重量100重量%に対し、前
記金属酸化物の総含有率が、0.001~30重量%である、請求項1
~5のいずれか1項に記載の金属酸化物含有複合体。
【請求項7】請求項1~6のいずれか1項に記載の金属酸化物含有複

合体を製造する方法であって、工程1:金属イオン、界面活性剤、水、
および疎水性有機溶媒を含み、油中水型のミセルを含むエマルジョン
である第1液と、水酸化物イオン、界面活性剤、水、および疎水性有
機溶媒を含み、油中水型のミセルを含むエマルジョンである第2液と
を、混合する工程、工程2:前記工程1で得られた混合液に、担体を
加える工程、工程3:前記工程2で得られた混合液に、水溶性有機溶
媒を加える工程、工程4:前記工程3で得られた混合液から、担体を
含む不溶物を取り出す工程、および、工程5:前記工程4で得られた
不溶物を焼成する工程、を含む、金属酸化物含有複合体の製造方法。
【請求項8】前記工程2において、前記担体および疎水性有機溶媒を
含む担体分散液を、前記工程1で得られた混合液に加え、前記工程3に
おいて、水溶性有機溶媒を加えることにより、油中水型のミセルを開
裂させる、請求項7に記載の金属酸化物含有複合体の製造方法。
【請求項9】二酸化炭素を還元するための、請求項1~6のいずれか
1項に記載の金属酸化物含有複合体からなる触媒。
【請求項10】請求項1~6のいずれか1項に記載の金属酸化物含有
複合体、光吸収体、および犠牲剤の存在下、二酸化炭素を光還元する、
二酸化炭素還元方法。
【請求項11】光吸収体がルテニウムビピリジンであり、犠牲剤がト
リエタノールアミンである、請求項10に記載の二酸化炭素還元方法。
【請求項12】液相中で二酸化炭素を光還元する、請求項10または
11に記載の二酸化炭素還元方法
【請求項13】 前記金属酸化物含有複合体の総重量が、溶媒1
Lに対して、0.001~100gの比率である、請求項12
に記載の二酸化炭素還元方法。


4.特願2019-95465 国立大学  新潟大学
【概要】
高い触媒活性を有する触媒を提供することができる触媒の製造方法を
提供すること、高い触媒活性を有する金属酸化物を提供することがで
きる金属酸化物の製造方法を提供すること、また、当該金属酸化物を含
む触媒を提供することにある。特に、酸素発生アノードや水素発生カ
ソードとして好適に用いることができる触媒を提供することで、本発
明の金属酸化物の製造方法は、基材上に金属イオンとイミダゾール類
とを含む液体を付与する液体付与工程と、焼結処理を施す焼結工程と
を有することを特徴とする。前記液体は、前記金属イオンとして、W、
Fe、Bi、V、Cu、Ni、Ir、Ru、PtおよびMoよりなる
群から選択される少なくとも1種についてのイオンを含むものである
のが好ましい。
                          この項了


ボーズ粒子系における新たな理論的発見と量子計算への応用
【概要】3月29日、理化学研究所らの研究ル-プは、相互作用するボ
ーズ粒子系において量子もつれ[2]が伝達する速度の限界を理論的に
解明。研究成果は、多数のボーズ粒子が相互に作用することで生じる
量子力学的な動きを理解する上で新しい洞察を提供すると同時に、量
子コンピュータを含む情報処理技術における根本的な制約を解明し寄
与するものと考えられている。

図1 加速する量子もつれの伝搬の概要図
ボーズ粒子は有限の速度を持って移動することを解明した。また、ボ
ーズ粒子が同じ場所にたくさん集まるとそれぞれが協力し合って量子
もつれの伝達速度を大きくすることを明らかにした。この現象は、特
定の情報伝達路においてボーズ粒子が集中することで、その伝達路の
情報伝達速度が向上することを意味する。例えば、2次元格子上にボ
ーズ粒子が配置されている状況では、中央部の粒子の密度が低い(a)
場合、その部分の伝達速度も比較的小さくなる。しかし、多数のボー
ズ粒子が中央部に集中している(b)場合、そこでは伝達速度が大き
くなる。
関聨情報
Tomotaka Kuwahara, Tan Van Vu & Keiji Saito, "Effective light cone 
 and digital quantum simulation of interacting bosons", Nature Comm-
 unications, 10.1038/s41467-024-46501-7

5月10日、理化学研究所らの研究グル-プは、原子レベルで分散された
+6価イリジウム酸化物の合成に成功しました。その結果、プロトン交
換膜(PEM)型水電解に触媒として必要なイリジウム(Ir)量を95%以
上削減した。尚、現在のPEM型水電解では、耐腐食性の高いイリジウム
が陽極[2]の触媒として不可欠であり、このことが大規模水素製造の大
きな課題であることが国際的に認識されています。長期的には非貴金
属材料による代替が必要ですが、中短期的にはイリジウム使用量の削
減が急務である。

新規イリジウム触媒の高角散乱環状暗視野走査透
過顕微鏡(HAADF-STEM)像(白い点がイリジウム原
子、黒い背景が酸化マンガンである)



図1 新規イリジウム触媒(IrⅥ-ado触媒)の合成およびX線吸収分光法
(XAS)解析
A)酸化マンガン(MnO2)がイリジウムを吸着する様子。MnO2共存下で
は、K2IrCl6由来の赤褐色な溶液が無色透明に変化した(下)。
(B)IrⅥ-ado触媒の合成過程は、電析法で作製した(MnO2/PTL)電極を
K2IrCl6前駆体溶液に95℃で6時間以上浸漬(しんせき)するIr吸着過
程と、その後450℃で焼成する熱処理過程から成る。
(C)Ir L3吸収端のX線吸収スペクトルの経時変化を示した2次元カラー
マップ。L3吸収端が高エネルギー側にシフトしたため、Irの酸化数が
高くなったことが分かる。
(D)Ir L3吸収端の動径構造関数の経時変化を示した2次元カラーマップ。
結合距離の短縮から、Irの配位子が塩化物イオンから酸化物イオンに
交換されたことが分かる。
(C)および(D)の左側に示されている青矢印は加熱もしくは冷却プ
ロセスを表し、黒矢印は定温プロセスを表す。
関聨論文』
・ "Atomically Dispersed Hexavalent Iridium Oxide from MnO2 Reduction for 
 Oxygen Evolution Catalysis",  Science, 1 0.1126/science.adg5193

今回の調査では「電解装置」では2件の特許に見るものがあったが、
「光還元触媒」では、潜伏(非公開扱い)あるいは停滞模様にある。
さて、「スキルミオン」なる言葉をご存知か。固体中の電子スピンが
形成する渦状の磁気構造体であり、トポロジカル数「-1」を持つ。
スキルミオンの中心を通る直線上のスピン配列はどこを切っても同じ
らせん状である。スピン配列と外周スピン配列は反平行であり、その
間のスピン配列は少しずつ方向を変えながら、渦状に配列している。
スキルミオンひもは、渦が長いひも状になっているものを刺す。理化
学研究所(5月21日)から「スキルミオンひもとその融解過程の観
察-高精度電子線位相差トモグラフィー技法の確立
」として公開
されている。

図.温度の上昇に伴うスキルミオンひも(a)の融解過程(b、c)
【展望】
高精度電子線位相差トモグラフィー技法は、位相コントラストと空間

分解能を向上させ、試料内の微細な電子スピン構造をマッピングする
ための高解像度3次元磁気イメージングに役立つ顕微観察技法。
この技術は、材料科学や物性物理学などの分野で重要な役割を果たす。
特に材料科学、物理学、およびスピントロニクスなどで磁化構造を理
解する上で重要です。磁気メモリデバイスや磁気データストレージ、
磁気センサーの開発など、磁気材料の設計や最適化に役立つと期待さ
れている。



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