Kyoko AIHARA's Diary (Writer&Photographer) 相原恭子(作家&写真家)のブログ 

ヨーロッパ紀行、京都花街と着物、ビールとグルメなどをテーマに執筆、撮影、国内・海外での写真展や講演等。今日も良い日!

2020年8月9日(日)ポツダムにおけるヒロシマ、ナガサキ

2020-08-09 | ドイツ・ベルギー
テレビで長崎からの中継を見て思います。

5年前に 「ドイツ再統一25周年 東西ドイツ国境を旅する」
というインターナショナル・プレスツアーに招かれ、日刊紙などに何本か記事を書きましたました。
ロシア、オランダ、オーストラリア、セルビアなどなど各国から一名ジャーナリストたちで、日本からは私が参加して一週間余りの取材。
東西ドイツの旧国境に沿って冷戦時代の足跡を取材しました。
興味深い毎日でした。

プレスツアーの終了後、私はさらに東西ベルリンの国境、ポツダムを一人で取材。
毎日何キロ歩いたか? 
ツアー中はランチタイムなどが入りますが、一人になると熱心に昼食も忘れて朝から夜まで、いつもながら私は現場に集中してしまいます。

もっとも印象に残ったのは、日本への原爆投下をポツダムの人たちが今も記して、重要視していることでした。
市電に乗ると、車内にはドイツ語で、広島と長崎への原爆投下の様子、その為に亡くなった方々の人数や、今も後遺症に苦しむ人達の様子などを淡々と書いた小さなポスターが貼られていました。
ヒロシマ・ナガサキ広場もあり、原爆投下がいつ誰の元で決められたかなど、史実を記したモニュメントも設立されていました。
ドイツ語で言う Mahnmal 。 
(史実を示し未来への)警告を発するモニュメント。





私はドイツに留学しましたが、今は日本に住む日本人です。
街行く人に、
この地にモニュメントや記録が丹念に残されていることに驚くとともに、ドイツ人の平和や核兵器への姿勢を感じたと、話しかけてみると
「ポツダムにおいて、日本への原爆投下が決定されたという史実。忘れてはならない。伝えるべきだ」と地元の学生さん。
「原爆を投下する、というのは他に例がない非常事態。いったい人間が人間に対して、していいことなのだろうか。核兵器反対に最も発言力があるのは日本人だ。自ら体験した人の言葉は強いはずだ」
と言う戦争体験者。

毎度の事ですが、取材は記事にすることはもちろんですが、
同時に、私の心の中にいつまでも残る大切な見聞です。


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