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苦くないのにニガクサ=千葉市重要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2018-07-31 10:35:13 | 千葉市レッドリスト掲載生物
都川上流の高田排水路本線調整池の道路沿いにニガクサの小群生を見つけました。
ニガクサ、シソ科ニガクサ属の多年草です。



このように湿気があり、雑木林の林縁の明るい木陰に生活しています。



見るからにシソ科の草なのでどこにでもあるのかと思って、千葉市レッドリスト2004年版を調べてみると、カテゴリーBで登録されていました。
カテゴリーBとは重要保護生物で、カテゴリーAは最重要保護生物、カテゴリーXは消息不明・絶滅生物です。
重要保護生物とは、
○個体数がかなり少ない。
○生息・生育環境がかなり限られている。
○生息・生育地の多くで環境改変の可能性が高いなどの状況にある生物。
○放置すれば著しい個体数の減少は避けられず、近い将来最重要保護生物への移行が必至と考えられるもの。
○このカテゴリーに該当する種は可能な限り保護に務める必要がある。

市の土地なので、市がレッドリストの存在を認識していれば保護されるはずだけど、レッドリストに指定されている生物に関する環境保護対策は千葉市では行われていないから、ニガクサに限らずレッドリストに指定された種の先行きは危うい感覚です。

南側が雑木林で調整池に搾りこまれる湿気と日中は木陰になるこの環境が生活できるのですね。


漢字で、苦草。苦い草と書くのですが、食べてみた植物の先生は葉も茎も花も苦くなかったそうです。「苦い」は面白くないの意味でもあるので、面白みの少ない草とか。「に」は数詞の2に連想されて2番目の草とか。ニガクサの汁は灰汁が強くて苦いとか。ニガクサのあるところの水は飲んではいけないという警告とか。逆にニガクサのあるところには良質の水があるから誰にも水源を渡させないためとか。不可解な名前ですね。

シソ科の花びら(花弁)の特徴のくちびる形の花びら(唇弁)は下のくちびるしかない無いように見えますが、上のくちびるは左右にふたつに裂けて小さくなってしまっています。その裂け目から雄しべと雌しべが伸びているがわかります。

花びらから伸びている先端が2つに分かれた突起が雌しべで、雌しべのすぐ上から小さい突起が突き出しているの雄しべです。雄しべは4本あります。

(Canon IXY DIGITAL 510IS)


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