房総閑話

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村境にある一等水準点(10691、千葉市緑区平川町)

2020-12-16 11:20:13 | 近代遺産と水準点
JR外房線誉田駅から1700mくらい大網街道・県道20号千葉大網線を下ったところに一等水準点・10691は設置されています。
畑と道路の間に設置されています。畑は道路から低いところにあるので見逃し勝ちです。
設置場所は平川町ですが、県道の南側は越智町、設置場所から約40m西は誉田町、その約35m北は高田町です。設置場所から北西約45mに誉田町・高田町・平川町の3町境界があります。
この付近は「村境」と言われている地名です。誉田町・高田町・平川町・越智町の4町境です。
歴史的にはこの水準点から東に700mくらいのところに、千葉郡、市原郡、山辺郡(山武郡)の3郡境界がありました。15年以上前に3郡境界の境界標(境界杭)を地元の人から見せてもらったことがありました。
このように町村の歴史から要所を見ていくと、一等水準点はただ単に2kmおきとか地殻変動のためとかだけでなく、いくつものの付加価値を付けているのがわかります。


右側の道路が大網街道、越智町。左側の畑が平川町。後ろ側が誉田町。左ななめ後ろ側が高田町。



歩道から[水準点]の看板が見えます。



標石タイプですが、まわりの石はなく畑で動かなくするためかコンクリートで固められています。



水準点番号10691号と彫られています。



歴史を感じる水準点の昔の字体です。



一等水準点は全国に13825点あり、千葉市には24点、千葉市緑区には7点あります。その7点すべてが大網街道・県道20号千葉大網線沿いにあります。
国道、主要幹線ならどこにでもあるわけではありません。国道16号線は三浦半島以外には一ヶ所もありません。千葉県でいうと内陸部の中心都市の佐倉市にもありません。国道でもないのに近所でこれだけあるのは珍しいのかもしれません。



(Canon IXY DIGITAL 510IS)


標石タイプの構造図

(千葉市ホームページより)


一等水準点は、国道、主要街道沿いに約2kmおきに設置されています。
一等水準点は、国土地理院地図の縮尺50m~300mで□の中に・の地図記号の横に数字が見られます。
下の地図は一等水準点・10691が設置されている位置図です。
地図記号に横の67.9が標高です。正確には、67.8857m(令和2年1月1日)


一等水準点・10691の設置位置図。



水準点の地図記号

(国土地理院地図から)


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道路上にある一等水準点(10690、千葉市緑区誉田町)

2020-12-10 09:45:16 | 近代遺産と水準点
JR外房線誉田駅南口の目の前の大網街道・県道20号千葉大網線を千葉方面に300mくらい行くと、高田入口というすごく変則的な交差点があります(十字路になっていません)。
県道に接続されている北からの道路と南からの道路が20m以上離れていてひとつの交差点になっています。
北側の道路は信号のすぐ先に踏切があり、踏切を越えるとすぐに北へ行く道と東へ行く道に分岐します。北へは千葉東金有料道路、千葉外房有料道路のそれぞれの高田インターチェンジに接続され、東金街道・国道126号線(野呂町)に出ます。東へ行くと誉田駅北口を通り、誉田2丁目八幡神社から県道129号・誉田停車場中野線になり、高田・万花台(まんがだい)、平川を経て千葉東金有料道路中野インター、東金街道・国道126号線(中野町)に出ます。
北からの道路から千葉方向に25m先に南に行く道路と接続されています。この道は抜け道で、旧土気住還を横切り大膳野町を通り、おゆみ野、市原市のちはら台などの住宅地に出られます。
この交差点は交通の要所になっていて朝昼夕は渋滞をするところです。
その交差点に一等水準点・10690が設置されています。
歴史的には上総と下総の国境から野田十文字あたりまでを野田十文字原と呼ばれ、原野だった官地を開墾して、鉄道が敷設されると駅の候補の野田十文字は馬車業者の反発したため、開墾している土地約2kmと駅舎費用を工面して明治29年に駅ができました。誉田駅周辺には「十文字」がつく施設が目に付きます。また県道の名称には「停車場」がついています。

一等水準点・10690は道路上にあります。もともと道路上にあったかは疑問ですが、今は道路上にあります。
道路上にあるので地下埋設タイプの一等水準点です。


写真、縦の道が大網街道・県道20号千葉大網線、右への道が南へ行く道。



マンホール蓋



マンホール蓋上部に[水準点]



マンホール蓋中央に測量士と日本地図が描かれています。一等水準点・10688とは蓋のデザインが違うようです。

測量士と日本地図



マンホール蓋下部に[国土交通省国土地理院]



何のマークだろう

(Canon IXY DIGITAL 510IS)


蓋を開けると標尺(スタッフ)を置けるようになっています。

地下埋設タイプの構造図

(千葉市ホームページより)


一等水準点は、国道、主要街道沿いに約2kmおきに設置されています。
一等水準点は、国土地理院地図の縮尺50m~300mで□の中に・の地図記号の横に数字が見られます。
下の地図は一等水準点・10690が設置されている位置図です。
地図記号に横の58.7が標高です。正確には、58.6952m(令和2年1月1日)


一等水準点・10690の設置位置図。



水準点の地図記号

(国土地理院地図から)


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ファミレスにある一等水準点(10689、千葉市緑区誉田町)

2020-12-04 11:02:57 | 近代遺産と水準点
JR外房線鎌取駅北口から大網街道・県道20号千葉大網線で下って1700mばかり行くと野田十字路の交差点に出ます。バス停名は「野田十文字」です。北に行く道路は国道126号線に、南は茂原街道・県道14号線、国道16号線に出られます。
野田十字路からJR外房線誉田駅まで2000mなので、鎌取~誉田の真ん中あたりになります。
明治42年に野田村(誉田町の前身)の村役場がこの十字路のファミレスがあるところに建てられました。昭和26年に誉田小学校の前に移るまで村役場があったようです。
一等水準点・10689は村役場に設置されたようです。


裏の道から覗いて見ると水準点の看板が見えます。



一等水準点は、地下埋設タイプと地上設置タイプがあります。
地下埋設タイプはマンホールの蓋しか見えませんが、地上設置タイプは標石が埋められているのが見えます。
標石は、四角い柱石の周りに4つの石が埋められています。

花壇のようなところにある標石。



真ん中の四角の石に半球の出っ張りがあります。



実はこの一等水準点を使って測量したことがあります。当時はガソリンスタンド(石油販売店)・民家の庭の中にあったことを覚えています。看板も何も無くて、「この石がそうじゃないか。頭にポッチがあるぞ」みたいな感じでした。


(Canon IXY DIGITAL 510IS)


標石タイプの構造図

(千葉市ホームページより)


一等水準点は、国道、主要街道沿いに約2kmおきに設置されています。
一等水準点は、国土地理院地図の縮尺50m~300mで□の中に・の地図記号の横に数字が見られます。
下の地図は一等水準点・10689が設置されている位置図です。
地図記号に横の50.0が標高です。正確には、50.0208m(令和2年1月1日)
近くの神社が、誉田八幡神社です。

一等水準点・10689の設置位置図。



水準点の地図記号

(国土地理院地図から)


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公園内にある一等水準点(10688、千葉市緑区鎌取町)

2020-12-01 10:57:36 | 近代遺産と水準点
JR外房線鎌取駅北口を降りると駐輪場の先に大網街道・県道20号千葉大網線が通っています。
千葉方向に500m近く歩いていくと、県道66号浜野四街道長沼線との交差点・鎌取十字路に着きます。さらに50mほど大網街道を進むと上り側に一等水準点・10688が設置されている鎌取第一公園があります。
公園内だから探すのが大変かなと思ったら、公園の周囲の道路脇から「水準点」の看板が見えたのですぐにわかりました。
水準点は高さが正確に測量された点なので、見つからないような場所に設置されていたら不便でしょうがないと思えば、道路脇にあるのでしょうね。


看板があるのですぐにわかります。



水準点は、地上設置タイプと地下設置タイプがあります。
一等水準点・10688は地下設置タイプでした。

鋳鉄蓋の中の桝の中に水準点があります。



基本水準点小型蓋。



日本地図が描かれています。



左上に、[水準点]と書かれています。



下部に、[国土地理院]と書かれています。

(Canon IXY DIGITAL 510IS)


蓋を開けると標尺(スタッフ)を置けるようになっています。

地下埋設タイプの構造図

(千葉市ホームページより)


一等水準点は、国道、主要街道沿いに約2kmおきに設置されています。
一等水準点は、国土地理院地図の縮尺50m~300mで□の中に・の地図記号の横に数字が見られます。
下の地図は一等水準点・10688が設置されている位置図です。
地図記号に横の40.3が標高です。正確には、40.3052m(令和2年1月1日)
左上から右下に書かれている道路が大網街道・県道20号千葉大網線で、右上から左下に書かれている道路が県道66号浜野四街道長沼線です。両方とも主要幹線道路でその交差点付近に水準点があります。

一等水準点・10688の設置位置図。



水準点の地図記号

(国土地理院地図から)


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千葉高架水槽と千葉分場1号配水池 ~ 登録有形文化財(建造物)

2018-05-30 11:02:18 | 近代遺産と水準点
千葉高架水槽と千葉分場1号配水池は、千葉市中央区矢作町の猪鼻台東部にある千葉県水道事務所の千葉水源工場の施設です。
平成19年、平成29年にそれぞれ登録有形文化財に登録されました。それより前の平成15年度、平成22年度に(社)土木学会選奨土木遺産に登録されています。
写真左側の高い塔の施設が千葉高架水槽で、写真右側の円形の施設が千葉分場1号配水池です。
塔の規模は高さ30m(5階建て)、内径11m、貯水容量475㎥。1階はポンプ室、2階と3階は展示室と資料・図書室、4階と5階は水槽になっています。
円形配水池の規模は有効水深4.3m、内径29m、貯水容量2770㎥。

昭和10年11月から昭和12年2月に建設されました。

昭和20年の千葉の七夕大空襲の戦禍に遭わずに残った建造物です。



汲み上げた地下水を円形配水池に溜めて、塔の4階と5階にある水槽にポンプアップして、満水位標高50mの高さをいかして自然の力で配水します。現在も現役で使われています。

千葉高架水槽は多角形(正十二角形)平面に浅い円錐形の屋根と、北側(出っ張った四角い部分)に入り口と階段があります。
建造物の特徴は5階バルコニーが外壁から張り出していて、その張り出し部分の下側に装飾があるコーニス風になっています。



千葉分場1号配水池は高架水槽と同時に作られた鉄筋コンクリートつくりで円形のユニークな構造です。


(Canon IXY DIGITAL 510IS)

過去に書いた千葉市の近代遺産建造物の記事もよかったらご覧ください。

旧生浜町役場庁舎 ~ 千葉市の近代遺産

旧椎名村役場 ~ 千葉市の近代遺産


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旧生浜町役場庁舎 ~ 千葉市の近代遺産

2009-10-30 23:16:29 | 近代遺産と水準点
近代遺産の2回目は、昭和7年建築の旧生浜(おいはま)町役場庁舎です。

現在は、資料館として公開(公開曜日は要確認)されています。


木造建築です



千葉市の文化財に指定されています





玄関ポーチ上のパルコニーが当時の流行だったようです



玄関ポーチの天井も凝ってます



目を引いたのは、玄関ポーチの柱です。4本の角材を使って1本の柱に見立てデザインの品の良さと強度の両方を持ち合わせています



角材と角材のすき間から向こうの柱の角材のすき間が見えます


場所は、千葉市中央区浜野町、です。




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