房総閑話

廉価版コンデジでどれだけ撮れる?

2年ぶりのフユノハナワラビ(冬の花蕨)、2020。=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2020-12-30 12:22:34 | 千葉市レッドリスト掲載生物
昨年の2019年はフユノハナワラビが出てきませんでした。
もう消滅してしまったのかと思ったら、今年は出てきました。
2年ぶりの復活です。
2018年のときのフユハナワラビ

フユノハナワラビ。漢字で、冬の花蕨。学名は、『ハナヤスリ科ハナワラビ属のぶどうの房のような胞子嚢と3裂した葉をもつ種』


シダの間から緑色の胞子葉が出てきました。2020年9月17日撮影。



胞子葉も伸びてきて胞子嚢もプックリしてきました。2020年9月28日撮影。



フユノハナワラビらしくなってきました。2020年10月18日撮影。



胞子嚢が黄色味がかってきました。2020年10月28日撮影。



半月の間ですっかり胞子嚢が黄色になりました。2020年11月13日撮影。



ハナワラビ属の特徴の1つ目は、秋に葉が出てきて翌年の初夏に枯れるシダとしては珍しい、『冬終性』のシダであることです。
2つ目は、胞子嚢をつける胞子葉と光合成をおこなう栄養葉にわかれていることです。
3つ目は、前葉体が菌類に依存するということです。
前葉体とは胞子が発芽してつくられるハート型の植物体で、卵細胞と精子がつくられ有性生殖する場所で、配偶体です。他のシダ植物の前葉体は葉緑素を持ち自力で栄養を作り地表で子育てをしますが、ハナワラビ属の前葉体は葉緑素持っていないのに地中で子育てをします。そのことから、ハナワラビ属の前葉体は地中の菌類から栄養をもらい子育てをしているのではないかと考えれています。
日常のように見える何気ない自然の中に、実はいろいろな秘密が隠れているんですね。


もう終わってしまうのかな。2020年12月17日撮影。



水をあげたら、復活しました。鉢植えは水遣りの頻度には注意ですね。



花のように胞子嚢がたくさんついたフユノハナワラビ。2020年11月19日撮影。




本当の葉で、葉緑体をもつ栄養葉。学名通り3裂しています。



来年もこの勇姿を見せてください。

(Canon IXY DIGITAL 510IS)


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

フタリシズカ(二人静)、新しい生育地発見!2020=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2020-07-25 10:34:02 | 千葉市レッドリスト掲載生物
立派なフタリシズカです。花序がたくさんあります。


2019年の生育地から南西に300mほど山を登ったところに、フタリシズカが生育していました。

2019年のフタリシズカの記事に花の構造の説明が書いてあります。


(Canon IXY DIGITAL 510IS)(2020年5月20日撮影)


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

ツルカノコソウの綿毛(冠毛)、2020=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2020-05-21 10:16:12 | 千葉市レッドリスト掲載生物
いつ見ても綿毛は神秘的で独特です。

ツルカノコソウの綿毛の神秘をご覧ください。







綿毛が透き通って、ピントが背景に合ってしまって、ピントがなかなか合いませんでした。



(Canon IXY DIGITAL 510IS)(2020年5月11日撮影)


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

キンラン(金蘭)=千葉市最重要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区(誉田の森)

2020-05-18 17:00:25 | 千葉市レッドリスト掲載生物
誉田(ほんだ)の森は、明治大学誉田農場跡地を産業用地に開発したことによって明治大学誉田農場にもともとあった雑木林の一部が整備されたものです。明大農学部の農場なので北西から北東の斜面と東側の谷地以外は畑で、谷地は埋め立てられ、斜面の一部が「誉田の森」として残りました。利用価値がないから環境対策ということです。
しかし、私有地から開放されて立ち入りが自由になったので、自生している植物を観察出来るようになりました。
そして生息していたのがキンランです。
2018年、2019年と自生しているキンランを見つけましたが、2年続けて咲くことなく消滅しています。

2019年のキンランの記事。キンランの植物の説明が書いてあります。

近くに「育成中」のプレートがありました。



整備されたばかりで下草はなく、これから進出してくる他の植物群への環境変動にキンランが対応できるか心配されます。








(Canon IXY DIGITAL 510IS)(2020年4月23日撮影)


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

ヒトリシズカ(一人静)、2020=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2020-05-16 10:14:27 | 千葉市レッドリスト掲載生物
昨年の台風で流れた道路の土砂を雑木林に押し付けるようにしたり、雑木林の林縁部の樹木が倒れ栄養としていた樹木がなくなったり、樹木がなくなったおかげで日当たりが良くなったりで、雑木林の林縁部の植物の勢力図は昨年と様相が違ってきています。
そんな中、昨年見たヒトシズカも群生もひとつになり、生息範囲は半分以下になっていましたが、あの独特の光沢のある4枚の葉とブラシ状の花を見たときは消滅しなくて良かったとほっとしました。

2019年に書いたヒトリシズカの記事。ヒトリシズカの花の構造などの説明が書いてあります。

3つあった群生は1つは消滅して、2つが生息地を縮小合併して1つになっていました。









ヒトリシズカの成長をみてください。

4枚の葉が花をくるんで(保護して)芽が出てきます。



葉が開くともう花が見えます。








(ここまで2020年4月14日撮影)


4枚の葉は水平に開きます。







(ここまで2020年4月30日撮影)
(Canon IXY DIGITAL 510IS)


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

ツルカノコソウ(蔓鹿の子草)、2020=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2020-04-23 11:04:35 | 千葉市レッドリスト掲載生物
2019年に続き今年もツルカノコソウが咲きました。
2019年のツルカノコソウの記事、ツルカノコソウの説明が書いてあります。

2019年の記事には、オミナエシ科カノコソウ属と書きました。多くの図鑑ではスイカズラ科カノコソウ属と記載されていますが、APG植物分類体系APGⅢでスイカズラ科が分割され、科の再編が行われ、レンブクソウ以外は広義のスイカズラ科としてまとめていいことになりました。狭義ではやはりオミナエシ科ではないでしょうか。

小さいときの花です。



成長したときの花です。



成長して、茎が伸びきるとつるが伸びるそうです。



四方につるが伸びます。









ちょっと暗くてちょっとじめじめしたところに生息します。

小さくて可愛い花ですが、光量不足でピントが合いづらいです。




(Canon IXY DIGITAL 510IS)(1枚目は2020年4月7日撮影、2枚目以降は2020年4月3日撮影)


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

今年もシュンラン(春蘭)が咲きました。2020=千葉市重要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2020-04-15 10:02:53 | 千葉市レッドリスト掲載生物
2020年3月25日撮影。



今年も昨年と同じ14個咲きました。
両手を広げているように見えるのが可愛いです。それに、アベックのような兄弟のような、ふたつ仲良く咲いているのが微笑ましいです。
花期が3週間くらいと長いので、長い期間和ませてくれます。


シュンランとヒメヤブランのプランタにシュンランの花芽が出ていました。2020年2月4日撮影。



皮を破って花が出てきました。2020年2月23日撮影。



いつのまにか花が咲いていました。2020年3月11日撮影。









2020年3月25日撮影。

(Canon IXY DIGITAL 510IS)


2018年のシュンランの記事もよろしかったらご覧ください。花の構造の説明しています。

2019年のシュンランの記事もよろしかったらご覧ください。可愛い花の写真があります。

ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

タマムシ(玉虫、ヤマトタマムシ)=千葉市要保護生物指定種

2019-10-01 10:10:36 | 千葉市レッドリスト掲載生物
よく行く図書室(公民館内にある図書館)のある住宅地の西のはずれの公園には、テーブルと屋根があるベンチがあります。
このベンチは広い広場の一段上がったところにあり、垣根に囲まれている砂場のある子供用の遊び場にあります。この公園の垣根から農道に出ることができ、農道の向こうには畑が、さらに向こうには雑木林があります。
図書室に行った帰りにこのベンチに座って借りたばかりの本を読んだり、雲、空を眺めたり、虫の声を聞いています。
この日もテーブルにバッグを置き、ベンチに腰掛け、バッグから取り出したマイボトルの冷えた水を飲んでいました。すると畑の方から垣根を越えて自分の方に向かって飛んでくる昆虫が。ぶつかると思って頭を引っ込めました。どこに行ったのか立ち上がって飛んでいった方を見るとその昆虫はベンチの上の屋根にいました。
タマムシでした。
珍しい。1年に1回、落ちている羽を見るか見ないかくらいタマムシは珍しいです。近くでタマムシを見るのはほとんど無いです。調べてみると、千葉市レッドリストにカテゴリーCの要保護生物に指定されていました。

キラキラ輝いている。



翅を撮ろうと背伸びして手を伸ばした瞬間飛んで行ってしまいました。

(Canon IXY DIGITAL 510IS)(2019年9月7日撮影)


ハードディスクから必要なデータは復元はしました。
しかし、そのハードディスクが動かない。そのため復元データをハードディスクに移せない状態が続いています。


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

フクロウ(梟)が落ちてきた。=千葉市最重要保護生物指定種 ~ 台風15号の被害者か?(千葉市緑区)

2019-09-13 11:25:24 | 千葉市レッドリスト掲載生物
12日、町を2分していた停電が解消しました。同じ町で、通りを挟んで被害状況が違うのは気が引けます。ほっとしています。

夕方、となり町の農道まで散歩に出かけました。
自然への被害は同じです。雑木林の木は半分以上は折れています。
被害状況を撮りながら散歩していました。

この写真を撮ったとき、後ろのほうで どさっ と音が何かが落ちてきた・・・



振り向いて何が落ちたのか見ると・・・・ えっ!?????・・・・

初めて生で見てしまいました。それもこんな近くで。フクロウです。



目が黄色い。きょとんとしていて可愛い。ずぅっと目が合ってる。羽に怪我しているのか?



目が黄色いフクロウは昼行性だそうです。とりあえず道端ではなにかと危ないので、落ちていた手ごろな枝をフクロウの足元に近づけると枝にのったので、枝を持ち上げて雑木林の藪の中にフクロウを置きました。頑張って生き長らえて欲しいです。

そんな目で見ないでくれ。今のおっちゃんには何も出来ないのだよ。お互い頑張ろう!

(Canon IXY DIGITAL 510IS)(2019年9月12日撮影)


この道の先は千葉市若葉区になります。しばらく歩いて行くと女性の人たちが集まって被害の情報交換をしていたので話の中にはいって聞いていました。すると、停電の被害場所はここから1kmちょっと先で電柱がばたばた倒れていて、工事の人の話ではこの地区の復旧が一番遅いだろうと聞いたのを話していました。あとは、どの道が車が通れるようなった、まだ木が倒れていて通れない、迂回の道はどの道が近いかなど、生活の基本は車なんだと思いました。
この地区は本家、分家の関係の人たちが多い(ほとんど同じ苗字)から近所の助け合いはし易いようでし辛いでしょうね。難しい関係です。


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ   

一人なのに、フタリシズカ(二人静)=千葉市要保護生物指定種 ~ 千葉市緑区

2019-06-04 11:19:10 | 千葉市レッドリスト掲載生物
5月の下旬キンラン、ハナイカダの様子を見るコースを散歩していました。
風で倒れていた奥のキンランに添え木をしていたのでちょっと心配でしたが、ちゃんと立っていました。次はハナイカダ、実は膨らんでいるかな。舗装なのに苔が生えている坂道を注意しながら下って・・・・・ え~~~~~ フ・タ・リ・シ・ズ・カ~~~~~
キンランがいた雑木林を抜けたところにヤマユリ、そこから東側に下っていくとヒトリシズカ、西側に下るとフタリシズカ、その先にニガクサ、キンランのいた雑木林にはアオイトトンボ。千葉市レッドリスト掲載種がこんなに。なんかすごい場所です。

フタリシズカ。漢字で、二人静。学名は『センリョウ科チャラン属の鋸歯のある種』です。
千葉市レッドリストにカテゴリーC、要保護生物として掲載されています。

ヒトリシズカ同様に葉っぱは4枚だけ。



ヒトリシズカよりかなり大きいです。



図鑑では2本あるのに1本。



赤い実で知られているセンリョウの花を見たことがありますか。自分は写真でしかありませんが、じつに変わっています。ガクも花びらもありません。緑色のまん丸の雌しべの横に円柱型のような雄しべが1個雌しべにくっついています。雌しべにはまん丸の表面に四角い台の柱頭、雄しべには向かい合わせで2つの葯があるだけです。
そういう変わったガクも花びらもなく雌しべと雄しべだけの花が、センリョウ目センリョウ科です。
センリョウ目は単子葉類植物でも双子葉類植物でもありません。進化の枝分かれで単子葉類植物が出現する前に分かれたグループの植物です。ちなみに双子葉類植物は単子葉類植物が出現してから出現したグループなので双子葉類植物のほうが新しい植物グループといえそうです。と言っても、被子植物の進化は白亜紀(1億4500万年~6600万年前、恐竜の時代)のバレミアン期(1億2940万年~1億2500万年前)に爆発的に進化したようですので、400万年の差しかないです。カンブリア紀が生物の進化の実験室なら、バレミアン期は被子植物の進化の実験室のようです。

フタリシズカもセンリョウ科なので単子葉・双子葉の花の枠を取っ払って見てください。
茎のような花柄のような棒の両脇に白いのがついています。これが花です。
フタリシズカは白い花びらなんだね。  残念。違います。
センリョウ科はガクも花びらもないんです。それでは白いのは何?
雄しべです。それも3本。手のように見えますよね。
この白い雄しべの中に雄しべの葯と雌しべがあります。雌しべの上のほうに柱頭、花柄の付け根の部分に子房があります。

写真で下から2つ目の花の中に緑色の透き通った丸いものがわかりますか?これが雌しべです。



写真で上から2つ目の花の中の緑色の透き通った丸いのが雌しべで、雌しべの上の部分の濃い緑色の部分が柱頭です。


手を握った形をすると分かりやすいのですが、握ったときに手の甲の方から見える指が写真で見えている白い花で雄しべです。握ったときに手のひらの方から見える爪が雄しべの葯です。葯は中に折り返しているような形です。ですから、見えている白いのは正確には雄しべの花糸と呼ばれる器官です(おしべの葯より下側を花糸といいます。おしべ=葯+花糸です)。

花の付け根のちょっと膨らんでいるところが子房です。

(Canon IXY DIGITAL 510IS)


ブログランキング・にほんブログ村へ   人気ブログランキングへ