日々の恐怖 9月24日 青(3)
ルームミラー見たら赤灯が見えたし、じゃあ大丈夫かと思い、言われるがままに現場を離れた。
気を落ち着かせる為に次のPAに入って一服しながら後輩に聞いてみた。
「 青い人って、なに?
何かあるみたいなこと言ってたけど、あれはなに??」
とかいろいろ質問て言うか、尋問してみた。
そしたら、
「 昔からなんとなくわかるんです。人が死ぬなぁとか。
特に青い人。
アレに憑かれてる人は、本当に死期が近いんですよ。」
それで、
「 見えるんなら助けることって出来るんじゃないのか?」
って聞いたら、
「そう思った時もあったけど、無理なんです。
青い人に憑かれちゃうと。
自分はただ見えるだけだし・・・。」
って話してくれた。
「 なんで早く現場から離れたかったのか?」
には、
「 青い人が車に乗ってきそうだったから。」
「 なんでオレにも見えたか?」
には、
「 自分と波長が合う人は、一緒にいると見えちゃうことがあるんです。」
後輩、何度も何度も、
「 すいません」
って謝る。
別に悪い事した訳でもないのに。
てか、オレは単純に、
“ スゲー!”
としか思わなかったが。
車で走り出してから後輩が、
「 いつも自分しか見えてなくて、本当は青い人はいなくて、自分がオカシイだけなんじゃないかって思ってた。
だから、今回はなんかホッとしました。
1人で人の死を感じるのってキツイんですよ。」
と言った。
俺は、
“ もしかしたら何度も言ってたすいませんは、亡くなった人へ向けて言ってたのか?
助けられなくて、すいませんって・・・。”
と思った。
その後輩、出張続きの仕事が嫌で会社辞めちゃって、そのまま疎遠になったのが悔やまれる。
ただ、青い人が元人間だったってのは冗談であってほしい。
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