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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 9月17日 システムエンジニア(2)

2016-09-17 20:57:10 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 9月17日 システムエンジニア(2)




 翌日、

「 怪我の治療のため長期休暇です。」

と説明され、それから同僚はいなくなった。
 ・・・と思ったら、1年後くらいに職場復帰した。
周りで事情を知ってる人たちは腫れ物にさわるような対応だった。
 一応歓迎会というか懇親会というか、全快祝いみたいな飲み会も開催されたが、90分飲み放題なのに60分ちょいでお開きになった。
 沿線が同じ俺だけ上司に、

「 頼むぞ!」

って置いて行かれた。
 一応形だけ、

「 どっかでちょっと飲み直すか?」

って聞いたら、

「 うん、いいか、行こう。」

という予想外の返事が来てしまった。

「 お、おう・・・・。」

としか言えず、駅近の立ち飲み屋へ行った。
酒入ってるとは言え流石にズバリ核心は聞けないので、

「 どうよ・・?」

みたいな曖昧な聞き方したら、
 本人はあの時のことを聞かれたと気づいたらしく、耳真っ赤にして下向いて話してくれた。
 曰く、小さい黒い牛みたいなのが肩とか首の辺りから次々に生まれる幻覚に悩まされてたらしい。
すげー痛くて苦しくて、しかも、

「 死ねよ。」

とか

「 何だそのバグ、素人か?」

とか色々罵ってきて、精神的に追い詰められ、自殺も考えたそうだ。
 それで、あの日、

“ あ、首と肩を切り離せば、こいつらも死ぬし、痛くなくなるし完璧じゃん!”

と思いつく。
 黒い牛達も、

「 やめろ!」
「 俺達を殺す気か!」

とか慌て始めたので、すごくいい方法を思いついたとウキウキして、自分を刺してしまったと言うことだ。
今となっては本当に恥ずかしいと言っていた。
 それから半年くらいで震災が起き、同僚はボランティアをするために会社を辞めた。
その後は知らない。
俺も流石に黒い牛は見えなかったが、謎の肩や首の痛みに耐え切れず、そこを辞めた。












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