2021年2月21日、巡礼2日目の朝は6時過ぎに始まりました。外は快晴、部屋の窓から望まれた掛川城の白壁も、朝日を受けて輝きはじめていました。6時30分から食堂にてバイキング方式の朝食をいただき、7時過ぎに部屋に戻りました。今回は連泊利用なので、荷物は最低限にして、部屋に置いておく荷物をまとめたりしました。
この日から二日間にわたって天浜線の「ゆるキャン△」車輌に乗り、アニメ2期の劇中に登場した駅などに行き、ついでに天浜線を色々楽しむ計画でした。それで、今回より「天浜線編」として綴ります。
宿を出たのは7時20分でした。この宿「くれたけイン掛川」から天浜線掛川駅までは徒歩で5分もかかりません。天浜線のゆるキャン△車輌を見て乗る聖地巡礼の宿としても最適かと思います。
JR掛川駅の北口駅舎の前を通りました。土曜日の朝ですので、通勤客の姿もほとんどありませんでした。
7時24分に天浜線掛川駅に着きました。昨日購入しておいた、ゆるキャン△1日フリーきっぷの1枚を使用することにし、窓口で乗車日押印の手続きを受けました。いよいよ、ゆるキャン△車輌を見て乗る日だ、とワクワクしました。
ホームには誰も居ませんでした。普段の土日の朝の状況であるようです。ゆるキャン△車輌の運行ダイヤは、土日は3密回避のためという理由で公開されておらず、天浜線の公式サイトでも土日の項が空欄になっています。
なので、大部分のゆるキャン△ファンは、土日の何時にどこをゆるキャン△車輌が走るのかが分からず、適当にあちこちの駅や撮影ポイントで偶然の邂逅を待つというパターンになるようです。
ですが、前回の記事にて触れたように、私はサークル仲間の鉄道オタクの方にあらかじめ天浜線の時刻表の見方と車輌ダイヤの絞り込み方を教えて貰ってきました。
方法は簡単です。まず、天浜線の公式サイトの時刻表の該当の土日分の全体時刻表をプリントアウトします。全体時刻表は改定があるまではずっと同じですが、車輌の割り当ては毎日変わっていますから、該当日の時刻表をチェックして絞り込む必要があります。
次に同日のゆるキャン△車輌以外のラッピング車輌のダイヤが公開されていますので、全体時刻表からそれらのダイヤを消していきます。最終的に掛川発および新所原発の朝の便が2、3つずつ残ります。これらのほとんどがラッピング車輌でない通常カラーの車輌のダイヤですが、1つはゆるキャン△車輌のダイヤです。
これらのうち、ゆるキャン△車輌は土日は掛川発が多いそうなので、新所原発の朝の便を除外します。
天浜線の車輌は全てが本社整備工場および駐機ゾーンのある天竜二俣駅を基地として運行されており、朝は天竜二俣駅を起点とする車輌もあります。ゆるキャン△車輌も当然ながらそのなかに含まれますから、掛川発の朝の便が2、3つ残っていれば、それに繋がる天竜二俣駅始発の便があるかをチェックします。
つまり、早朝6時台に天竜二俣駅を出て、7時台に掛川に着き、折り返して新所原まで全線を運行する便があるならば、それがゆるキャン△車輌である確率が高いのです。ただし、あくまでも確率の問題ですから、当たるかどうかは当日のその時刻の車輌を見てみないと分かりません。
そしてこの2月21日の運行ダイヤを絞り込んだ結果、最も可能性が高いのは、6時36分に天竜二俣駅を出て7時30分に掛川駅に着き、折り返して7時34分に掛川を出発する便であろう、との推測にまとまりました。だから、こうして7時30分までには掛川駅ホームに入っておいたのでした。
改札口を出てすぐの正面にある時刻表を見上げて、次の列車が7時34分発、その次が7時53分発であることを確認しました。このどちらかがゆるキャン△車輌だろう、たぶん7時34分発であろう、と考えていました。
時刻表の下のホーム案内の赤矢印は2番を指していました。次の列車が2番線に入ってくるわけです。
時計を見ると7時28分、そろそろ6時36分に天竜二俣駅を出た便が到着するかな、と何度も西を見ました。次第に緊張してドキドキしてきて、カメラを構え直したりしました。どうか当たりますように、と懸命に祈りました。
ホーム脇の案内板の一つには、天竜二俣駅の駅内見学ツアーの案内もあります。この日はこの駅内見学ツアーにも参加する予定でした。
だから、今回のゆるキャン△車輌の時刻予想が外れますと、駅内見学ツアーの予定も大幅に狂いかねません。だから、もうマジで推測が外れて欲しくない、ホンマ頼むで、と必死で祈りました。
7時29分、ホームの注意ブザーが鳴りました。つられて西を見ると、近づいてくる車輌が見えました。7時30分着、7時34分発の便です。果たして、前夜から一生懸命に考えて絞り込んだ推測が当たるのか外れるのか、と心の中で祈りつつ西を凝視しました。
あっ!あの車体カラーは・・・!・・・間違いない、ゆるキャン△車輌だ!!やった、やったー、推測的中!!
イヤッホオオオオォォォッ!!最高だぜええええぇぇぇぇっ!!
かくして、2番ホームに入ってきたゆるキャン△車輌です。見事に当たりましたが、しばらくは信じられない気分でした。ですが、何度見てもゆるキャン△車輌の本物でした。感動がドッと胸の中にあふれ出てきました。鹿島臨鉄のガルパン車輌を初めて見た時にも感じなかった熱いものが目頭にもこみあげてきて、慌てて目尻を拭いました。
しかし、綺麗なデザインに良い配色だな、と感激しました。車体の全面にラッピングがなされているようですが、配色が淡系のカラーにまとめられていますので、カラフル度もどぎつくなくて優しい感じです。基本カラーが水色というのは、たぶん浜名湖のイメージなんだろうか、とも考えました。
よし、撮影を急ごう、と行動に移りました。駅での停車時間は4分しかありません。乗客が全員下車して車内での撮影が出来るようになるまでは外観を撮り、それから内観だ、とカメラを構えました。 (続く)