まぼろしの特攻基地・万世飛行場

　先日ＮＨＫで郷里鹿児島の特攻基地・万世飛行場の写真が米軍の資料から見つかったと報道されていたようです。多くの人から知らされました。

　私が小学校の頃、この飛行場跡は松林の中にありました。更地が1/3、残りは草が生い茂っていましたがそれほど伸びてはいませんでした。
　
　ときたま野球を練習する姿が見られ、夏休みの終わりともなると赤とんぼが群れ飛んでいました。日頃は誰も近寄らないただただっぴろいだけの静かな静かな飛行場跡のイメージがあります。

　この飛行場跡が特攻隊と結びついたのは高校ぐらいの時でしょうか。そして1000名もの朝鮮人、中国人が飛行場建設に従事させられていたと知ったのは大学も後半になってからでした。

　軍民一致で作られたと記されることはあっても、朝鮮人、中国人が強制連行、強制労働させられたとの記述はまずありません。そして異郷の地・万世で病に倒れ、葬られた朝鮮人、中国人が多数いたことも。

　「北朝鮮」の強制連行は許せないと憤る人は多くいても、日本が行った強制連行、強制労働は申し訳ないという人はどれだけいるのでしょうか。この飛行場がそうであったと知る人さえ今も昔もまばらなままです。

　なお万世飛行場については地元紙・南日本新聞が特集を組み、それが南方新社から「鹿児島、韓国　封印された歴史を解く」の表題で出版されています。

　万世には戦争遺跡として防空壕の洞穴が小学校の運動場や加世田と万世を結ぶ私鉄の線路脇にいくつもあって、子どもたちの格好の遊び場でした。この防空壕も強制連行、強制労働の存在を聞いたことがあります。

　万世飛行場跡・平和祈念館

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