Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

apricot

2006年07月02日 | Cafe Sweets
     http://blog.goo.ne.jp/gabriels/e/adaf01cb4166284ca619c0a4e1bd01fd

“今年もあんずがたくさんなったわよ”。
以前、木香バラを見におじゃましたTさんの庭から、季節のくだものが届きました。
今は亡きおかあさまのこだわりを、何年もかけて実現させたというTさんの庭は、前述の木香バラや、桜やミモザ…それぞれの季節に素晴らしい姿を見せてくれる木でいっぱいです。実のなる木もたくさんあって、あんずの木もそのひとつ。こんなにたくさん実がなるということは、花の季節もきっとずいぶんと美しかったに違いありません。

一昨年天に召されたご主人が経営していた会社を引き継いで以来、日々多忙を極めるTさん。先週、このあんずを、かごいっぱいにして教会に持ってきてくださったのですが、疲労がたまっておられたのか、実は礼拝中に倒れてしまわれました。
幸い大事には至りませんでしたが、念のため病院へ向かった彼女が残して行ったあんず、“甘く煮てまたもってくるよ”と、かごごといただいて帰ってきました。

帰宅後、一人暮らしのTさんの体調を思いながらひとつずつ種をとってなべに入れていると、ほどなくして“今日はおさわがせして…”と彼女からの電話。病院から家に戻ってホッとして連絡をくれたようでした。
“一人で大丈夫?無理しないでね。”
すぐにも飛んで行って何かして差し上げたい気持ちが電話口でもどかしく、せめてこのあんずたちはおいしく丁寧に煮てあげようと思いました。

…それから一週間経った今日、出来上がったあんずのコンフィをかごに入れて教会へ。私たちが着くのとほぼ同時に教会に到着したTさんは、運転席から元気な顔を見せてくれました。
そしてそして、彼女のワインレッドのワゴンには、広島に住むご友人のMさんも一緒でした。
二年ぶりにお目にかかった素敵な笑顔のMさん。もみじ饅頭の包みを私に渡しながら“Tさんに会いに来るのは以前から決まっていたのよ。でもこの時期に私がくることになっていたのは、きっと彼女を看病するためだったのね”と微笑まれました。

ほんとうに神様は、私たちの予想をはるかに超えて、どこまでもやさしいお方です。