1996年の誕生日、神は私にtvopというゴスペルクワイヤーとの出会いをくださいました。以来10年間、ゴスペルを歌う中で、神はキリスト者としての私を育んできてくださったように思います。
そして今年の誕生日の時期、またひとつの大きな出会いが神から与えられました。“国際飢餓対策機構”という団体との出会いです。今日私たちの小さな教会に、この団体の日本での開発・教育部門の総主事を勤めておられる神田英輔師がお越しくださいました。
神田師はそのあたたかな笑顔に、生き生きとした天来の力を感じさせる方でした。神の力とご栄光に照らされているような輝きを持つ方でした。誰でも持つことができるわけではない、あのお方の香りを放つ方でした。
神田師が私たちの元に届けてくださった現実は、神からの圧倒的な呼びかけをもって私の心に突き刺さりました。師が見せてくださった7分間の映像に、私が必要とする全てのメッセージがありました。それは飢え渇く大地で、母親の出ない乳を吸う痩せた子供。tomaと同い年にもかかわらずrioほどしか体重がない、栄養不足で背骨が曲がってしまった子供。一日たった五円のミルクが買えなかったばかりに死にゆく子供。そしてその、死の前の最後の痙攣がはじまったわが子を前に、なすすべもなくただじっと看取る若い母親…。
地球の裏側にそのような子供たちがいることは、もちろん前から知っていました。
彼らの映像を見るたびに心が痛んだことも確かでした。けれども今日のその7分間の映像との出会いは、今までのどんな悲惨な光景とも違っていました。乳飲み子を抱えた今でなければ感じることのできないものを、神は私に投げかけられました。
出ない自分の乳をけなげに吸い続けるわが子を見つめるあの母の心境を思ったとき、授乳期の母親である私は胸がえぐられる思いがしました。そのおなかをすかせたわが子に、代わりに与えて空腹を満たしてやれるものがないその絶望的な悲しみを思ったとき、ただただ涙がこみ上げました。
このブログに来てくださっている皆さんは、私たちが有形無形にどれほど恵まれ満たされているかを知ってくださっていることと思います。rioの誕生に際して私たちが皆さんから受けたものの豊かさ、それだけをとってもごらんの通りです。
私たち親子は、日々これでもかと言うほど満たされ、神からも人からもいただく愛はあふれんばかりです。母の肥沃な畑は、今日も美しい花とおいしい作物であふれています。
これほどまでに神は“押入れ、ゆすりいれ、秤をよくして”私たち親子に祝福を注いでくださった。
でも、それはなぜ。
私たちが優れているから?私たちがなにか偉いことをしたから?
…いいえ、けっしてそうではない。
傷つき渇いた私たちの心をコップに例えると、割れを修復されて癒され、神の愛を注がれて注がれて、その愛がいっぱいになりふちからこぼれるようになった時、私たちははじめて、喜んで自分のためではない生き方ができるようになると思います。それまでは“与えるより受ける”生き方しかできない。またそこを通らなければ、“受けるより与える”者になれないような気がします。今までの私の歩みが、まさにそれでした。
キリスト者となって10年余りが経ち、やっと“受けるより与えるほうが幸いだ”というみことばが腑に落ちるようになって間もない、今日の国際飢餓対策機構との出会い。新たなるレベルで新たなる神からのチャレンジをいただいたという静かな確信に心が奮い立ちました。
“女・子供”である私たちにできることは、多くないかもしれません。幼子や乳飲み子を餓えさせて地球の裏側に心を向けることは、今の私の分を超えます。けれども神がご自身の民に言われたこと…“収穫の時に畑の隅まで刈り尽さず、収穫後の落穂を貧しい者や寄留者のために残しておくこと”…そのことは実践することができそうな気がします。財布の中の一円玉や五円玉を落穂だと思って貯めるだけで、一日五円のミルクで生きられる子供が幾人もいるとは、なんと大いなる励ましではありませんか。
“この中のもっとも小さな者にしたことは、わたしにしたことなのである”という主の言葉にしたがって、主に仕えるように餓えた国の人々に仕える国際飢餓対策機構。偽善でも、自己満足でも、感傷的な同情の行為でもない、はたまたヒューマニズムとも一線を画する彼らのやり方は、移りゆくこの世にあってまるで揺るがぬ堅固な土台をすえた城のようです。
募金をしても彼らの政府を肥やすだけだとあきらめていた時代は終わりました。彼らの餓えは癒されない、彼らの大地は呪われているという嘘に惑わされる日々は過ぎました。少なくとも私の中では。
これからは、信じ、祈り、期待します。かつてこの私を闇から引き上げられた、あのお方にできないことは、何一つないのですから。
小さな私たちの群れに、今日良き知らせと新しいチャレンジを届けてくださった神田先生、
本当にありがとうございました!
国際飢餓対策機構
http://jifh.fhi.net/