Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

Thanksgiving

2012年11月29日 | Cozy Booth

 

時々、病院という場所に、行く機会が与えられます。

こどもの付き添いであったり、友人のお見舞いであったり、また時にはボランティアの端くれとして、

大きな病院のロビーで歌を歌わせてもらいにいったりすることも。

 

深まりゆく秋。大好きな季節。

一年前のことを思い出すと、今のこの幸いと平安の日々を、いったいどこから感謝したものかと、迷うほど。

今も、難しい病と毎日向き合う人がいる。

病院に行くときには、いつでもそのことを思い起こす機会としたい・・・と願います。

 

10年以上ぶりに、英語を話す人々の中に置かれている、今秋の私。

一週間前の木曜日に、彼らは感謝祭を祝っていました。

丸ごとのターキーを切り分ける・・・ノーマン・ロックウェルの絵にそのままなれそうな光景でした。

 

折りしも、アメリカからいらしたステキなお客様が、私に小さなボトルの、良い香りのボディローションを

残していってくださいました。

かつて米軍基地の中の黒人教会に通っていた頃、この時期によく、どなたかのお宅に招待されたものでした。

 感謝祭やクリスマスのお祝いに招かれたお宅では、いつもこんな香りがしていたっけ・・・

恍惚としそうなほどの、アメリカ独特の香りです。 

匂いには、一足飛びに時を辿って、そのときの記憶をフラッシュバックさせる力がある。

この香りで、ただいま15年前の恵みにタイムトリップ中です。

 

どんなに慌しい日々を送っていても、香りに気づいて立ち止まり、振り返り、恵みを数え、感謝する・・・

この先いくつになっても、そんな歩みでありたいものです。

 

3か月に一度、次男Rの採血に訪れる横浜Fが丘の病院に、新しくTally's Coffeeができていました。

開店日の日付を見れば、私たちの訪れた1週間前にオープンしたばかり。

 

薬の調剤を待っている間、ご褒美がてらに寄りました。

大きなキャラメルドーナッツを頬張るRを眺めつつ、窓の外の色づく秋を眺めつつ・・・

 

この病院の中に、今日もし恵みを数えることに困難を覚えておられる方がいれば

どうかそこに、希望の光が差しますように。

私にできることがあれば、どうかそれが示されますように。

1年前、4年前、5年前、8年前・・・当事者だったそのときを、私がどうか忘れませんように。

自分の恵みを数えることに熱心であると同時に、他人の必要に敏感な者であれますように。

 

神様・・・あなたからいただく、たくさんの恵みに、今年も感謝して。 

 

 

 

 


Fall's Here...!

2012年10月08日 | Cozy Booth

今年も、大好きな秋がやってきた。。

7月から住みはじめたこの部屋のカーテンは、Gabbie's Cafeの壁に似たダークブラウンですが、
この色の似合う季節が、どうやらやっとやってきました。

 

今まで、夏の暑さにすぐ負けてしまう、弱い私でした。

ほうほうの呈で長くて暑い夏をやり過ごし、湿った重たい空気が、秋の軽やかなそれに変わるのを、ひたすら待っていたような、そんな毎年でした。

 

今年はずいぶんと気力も体力もついて、夏を楽しむ余力があったように思います。

基本的にずっと背負って生きてきた重荷を下ろし、心が軽くなったから、ということもあるかもしれませんが。

・・・夏もいいなぁと思えたのは、それを共有してくれる、ステキな友がいたからかもしれません。
そんな友を安心して家に招くことができる、大切なものを大切だと言える・・・という、ある意味では当たり前の喜びが、やっと現実のものとなった・・・

この夏の我が家の大きな出来事です。

 

今年の4月に、教会のオフィスの仕事に就きました。

週2.5日のパートタイムですが、半年経ってだいぶ仕事も分かってきました。

今まで宙ぶらりんにしか属することができなかった教会でしたが、オフィスにいるようになって、連なるたくさんの人々と、一気に仲良くなれました。

日本人の友達はもちろん、英語をしゃべる人、ポルトガル語を話す人、韓国語やスパニッシュを母国語とする姉妹たち。。

10年以上も話すことがなく、もうすっかり錆びついて使い物にならないと思っていた英語を、日常的に使う日々が、こんな風にしてまた与えられようとは・・・

フェイスブックの友達も、ずいぶん増えました。

それは神様からの、思いがけないプライスレスなプレゼント。。。

 

神様は、ひとつひとつの私たちの持てる賜物を、みすみす無駄になさらないお方。

そのことを確認したこの夏。それは、本当に嬉しいことでした。

 

私には、まだまだ中途半端に使わなくなって埋めてあるものがある。

神様の時にかなって、それらを掘り出し、磨いて用いていただける時が来ることを、信じて祈り備えよう。

人にはできないことも、神にはできる。大いなるそのみ力に、期待しようと思います。

 

・・・今週末には、小さな旅が、与えられています。

大切な人々に会いに、伊豆の地へ。

再会、新たなる出会い・・・ずっとしてみたかった、ホテル宿泊も。。。

 

必要が満たされ、願わくば、御心が成る旅となりますように。

 

 

 

 


ハマスタ on my mind

2010年07月18日 | Cozy Booth

           ハマのシンボル『横浜スタジアム』を訪れたのは、一体何年ぶりなのだろう?

YokohamaのYをかたどったという、逆三角形のスタジアムライトに照らされる、あの特別な空間に足を踏み入れるのは、たぶんもう20年ぶりぐらい。

野球観戦が大好きな家に育ったので、若い頃はよく足を運びました。叔父が重役を勤める元町の老舗のレース店が、バックネット裏に接待用のシーズン席を持っていて、よくそのチケットの残りをもらっていましたっけ。

はじめは内野席でおとなしく見ていたのですが、次第に地元横浜の弱小チーム(?)に情が移り、応援に熱が入るにつれてラッパや太鼓の鳴り響く外野席のほうが面白く見えはじめました。

しまいには特等席と言われるバックネット裏のチケットをなげうって、代わりにスコアボート横の一番遠い席、しかし一番『熱い』人々が集う席へと、場所を移すまでに…


母の仕事が終わるのを待って電車に飛び乗り、地下鉄に乗り換えてプレイボールに間に合うようにスタジアムに滑り込む。ウグイス嬢がスタメンの発表をするときまでに、もうとにかくそこの空気を吸っていなければ大遅刻です。
一人ひとりの名前が呼ばれる度に、応援団が大歓声をあげる。否が応でも高まる期待と臨場感。

暮れ行くスタジアムのスタンドで、夕風に吹かれながら飲むビールは、もう最高です。

              

今回は、夫が仕事の関係で行くことになった試合観戦に、私たちも便乗。家族で横浜に遊びに行った時など、車でスタジアムの横を通ったことはありましたが、中に入ったことはありませんでした。『三年生になったTにも、そろそろあの楽しみを教えてやりたいなぁ』とは思っていたけれど、なかなか実現できませんでした。そんな中で、降って沸いたハマスタ観戦の話でした。

…あの頃『子供』だった私が、今は『親』になって、自分の子供と一緒に、あの時と同じ場所、同じ時間にいるんだな。
不思議な感じ。あの頃、こんな日が来るなんて、一度も想像したことがなかったな。

応援ラッパや太鼓のリズムが、実は自分の音楽好きのルーツにもなっていたことも気が付いて、まるでタイムカプセルを開けるような、懐かしさと新鮮さのあいまった驚きと発見。



昔を思い出して大音量で応援してしまい、翌日は不覚にもノドが枯れていました。Tはいつもと違うママのもうひとつの顔に、ちょっとビックリ(笑)。でも、夜の繁華な場所へのお出かけと別世界に行ったような光景に、すっかり魅了されたようでした。

その夜は一点差で負けてしまったけれど、取られたら取り返す!の白熱の展開。巨人を相手に大健闘の我が横浜ベイスターズでした。
そしてどうやらそのあとの、昨日今日のデイゲームでは、なんと巨人に『まさかまさかの』2連勝してしまったらしく。しかも今日なんかは『逆転サヨナラ満塁ホームラン』だったそうで…

これは…ワタクシの熱い応援が、ヨコハマナインに届いたのでは…?と、ママはひそかにほくそ笑んでいます。


   楽しかったね。また行きたいね。野球観戦、サイコウだね!!

             

                     …我が家の夏の楽しみが、またひとつ増えた夜でした。 
    







Kitchen Counter

2008年10月09日 | Cozy Booth

                キッチンカウンターは、私のお気に入りの場所。

幅90cmの小さな空間ですが、料理をしたり出来あがったものを置いたりするのはもちろん、ここにPC用のコロ付きスツールを引っ張ってきて座り、本を読んだり手紙を書いたり…何でもこなせてしまいます。低いコーヒーテーブルでは小さなRの手がすぐに伸びてくる可能性があるので、この彼の視線より高いカウンターの上は、ある意味我が家の「安全地帯」であり「聖域」。ケーキの仕上げなど、デリケートな作業も落ち着いてこなせます。

トップがタイル張りなので、アロマランプやお香を置くのにも最適。角に小さな観葉植物を置けば、白木の風合いによく映って、ちょっと小洒落た風景に。

キッチンカウンターというものに、実はずっと憧れていました。でもちょうど良いものに出会えなかったり、素敵だと思っても予算オーバーだったり、これは!と思っても売約済みの紙が貼ってあったりで、なかなか手に入れることが出来ませんでした。最近まで住んでいた両親の家は純日本家屋な上に、移築して不思議な間取りになってしまっていたため、キッチンも狭く、たとえ出会っていても置けるスペースがなかった。

引越しを決めてすぐの七月末、たまたま福岡まで出かける用事がありました。県境を越える遠出など、滅多なことではしないのですが、ワケあってヤフードームのすぐ近くまで。
用事を済ませ、ちょうどお昼時だったので、ドームに隣接するホークスタウンという大きなモールに立ち寄りました。そしてその中のアウトレット家具の店で、このカウンターと運命の出会いをしました。

食器棚と言えるものがなかったため、実際必要でもあったのですが、アウトレットなだけにあり得ないようなグッドプライス。若干塗装に難があったりもしていますが、使うには全く支障ナシ。
棚も、引き出しも、観音開きの収納も、まさに私の求めていたもの。いいえむしろ、求めていた以上のもの…でした。高級家具のような重苦しさのない白木のライトな風合いも、小さいながら抜群の機能性も、今の自分のスタンスにちょうど良い感じです。
サブに使えそうな小さめで、ガラス戸の同種類のものとセットでほぼ即決。憧れのタイルトップ、車の後ろに詰め込んで、興奮気味で連れ帰りました。

新生活のスタートを補なうべく新調したものは、すべてがこれ以上ないほどのセレクションでした。決してサイズを測ったり、リストを作ったりした訳ではないのです。出かけた先や新聞の折込みチラシで「これだ」と思ったものをランダムに揃えただけでした。なのに、どれも測ったように新居にちょうど良い。きっと誰かが測ってくれていたのでしょうけれど…(笑)。
無駄買いもなければ、不足もない。多趣味が災いしてか、優柔不断で買い物の下手な私が、こんな短期間で、こうも百発百中に適材適所にモノを選べるというのは、とにかく奇跡だったのです。出費も、おそらく考えうる最小限。かといって、不本意に選んだものはひとつもありませんでした。手元の蓄えもピッタリなくなったけれど(笑)、これでもう向こう何年間かは、買い足すものなどなくて暮らせそうです。


そんな風にして私の元にやってきたキッチンカウンター。毎日朝一番から大活躍です。文字通り一分一秒を問われる朝のあわただしさの中、子供たちに供する朝食を用意するのもこのカウンターで。
子供を車に乗せ、途中でお友達も一人ピックアップして、登校時間に間に合って学校へ送り届けます。その後帰宅してホッと一息つき、洗濯機をまわしながらまたこのカウンターに戻って、今度は自分の朝食をフィックス。
冷めてしまったパンケーキを温めたり、お気に入りのスタバのマグにカフェオレを作ったりしているうちに、体内時計が一日のリズムを整えていくのがわかります。

                   


度重なる引越しにもめげずに私と一緒に動いてきた、15年選手のスチール製ペンダントライト。それを部屋の中のとっておきの場所に下げるのが、新しい場所に根を下ろす際にいつも私のする儀式のようなもの。蛍光灯の照明がどうしても苦手な私にとって、それは自分の居心地の良さを確保するための必須事項です。
夜、PCに向かいながらふと振り向くと、温かい白熱灯の光に白木のカウンターが優しく照らされています。それはなんとも心をホッとさせてくれる光景。たとえ裕福と言えなくても、「私らしさ」を選んだ幸福感がそこに象徴されている気がして、ついつい時間を忘れて眺めてしまいます。


…このカウンターと一緒に、私の人生はこれからどこに導かれていくのだろう。神の召しにいつでも対応できるよう、フットワーク軽くどこにでも動けるようにという私の願いも、このライトなカウンターには叶えられている気がします。そして観音開きの棚の中には、茶碗もおわんもグラタン皿も、もうちゃんと4人分。不思議だな…どうしてだろう?

                            

  今朝もこのキッチンカウンターから一日が始まる。そしてきっとこれからも、「私らしさ」と共に。







Table For 4

2008年09月18日 | Cozy Booth


秋めいてきたからか、お店でグラタン皿に一目ぼれ。『今夜はグラタンにしようか』というと、息子は大喜び。

今週末、『お客』がやって来る。厳密に言えばお客…ではないのだけれど、でも、きっとその人は『失礼します』と言って、我が家に入ってくるだろう。そしてお邪魔しましたと、礼儀正しく帰って行くに違いない。昔、私の一人暮らしの部屋を、音もなく訪れた時のように。


Tはその『お客』がやってくるのを、指折り数えて待っている。毎晩電話しては、その人とつれづれなる会話を楽しんでいる。

その『お客』を迎える日のために、今まであれこれ準備してきたはずだった。夏の簾から、秋色のカーテンに付け替えた。たいして長居はできないであろうその『お客』も数に入れ、買ったグラタン皿も4枚。4人のテーブルに、今回グラタンが載るかも分からないのに。


私たちの住まうこの部屋を見て、『お客』はなんて言うだろう。ずっとそんなことばかり考えてきた。なんでも満たされていそうだから、このままずっとここに居たら?そんな風に言いそうな気がするので、あんまりなんでも揃ってないほうがいいのかと思ったり、かといって中途半端では、整った環境で子育てしていない、と思われそうで心外だ。

そんなことをぐるぐる考えていたら、土壇場になって肩から力が抜けちゃった。あれ…こんなはずじゃ??なんだかもう片づけやら買出しやら、どうでもよくなってきちゃったよ。


『どうでもいいや』と、思っているわけではない。『どうでも』『良い』と思っただけ。


『どうでもいい』と言う時に、みんな真意を分かってくれない。『お客』は昔そう言っていた。自分は『どうでもOK』と言っているので、『どうでもいい』といっているのじゃないのに…と嘆いてた。


ふふ、そうだね。『どうでも』OK。『お客』がこの部屋や私たちの暮らしぶりをなんて言ったとしても、私にとっては、OKだよ。

   It is well,with my soul,It is well. …そんな心で迎えれば、きっと『お客』も、OKだ。





Evelyn Rose

2008年06月25日 | Cozy Booth

お見舞い帰りのその足で、久しぶりに大きなショッピングモールへ行きました。都会育ちの私にとって、「街」はふるさとのようなもの。よく街に住む人たちから「田舎に行くと癒される」と聞きますが、私にとってはこの田舎が生活の場なので、「街」はいわば「息抜き」や「リフレッシュ」の場なのです。

リビングフロアにて、贈り物を手配する用事があったので、ついでに大好きなクラブツリー&イヴリンのコーナーに立ち寄りました。

20代前半の若い頃から大好きだったクラブツリー商品。ロンドンのお店にまで足を伸ばしたほどです。特に「ダマスク・ローズ」という気に入りの香りがあり、バスキューブやタルカムパウダーを愛用していました。あまくて上品なバラの香りは、いかにもRoyal…という感じでした。
久しぶりにあの香りに出会いたいと思ったのですが、残念ながら見当たらず。もう10年以上も前のことだから、とっくに廃盤になってしまったのかもしれません。

「代わりに…」とすすめられたのが、この「イヴリン・ローズ」。ブランドの名前をつけるほどですから、きっとクラブツリー入魂の(笑)商品なのでしょう。
さっそくテスターにつけてもらうと、なんともナチュラルな優しい、そしてやっぱり上品な良い香り。ダマスク・ローズにもちょっと似ています。変性アルコール使用なので、香水独特のきついエタノール臭(?)がほとんど感じられません。

決して安くはないけれど…梅雨の季節を乗り切るのに上質な香りは必需品、と言い訳をつけて(笑)ほぼ即決。オー・ド・パフュームを連れて帰りました。

                           

心も体も忙しく、ちょっと疲れたなと思うときには、手首あたりに「軽く外し目に」シュ。ちょうど良い具合に香ります。昼寝の子供のそばでゴロンと横になって目を閉じれば、居ながらにして、どこか別の癒し空間にトリップした気分。


梅雨が終わるまでのしばらくの間、このイヴリン・ローズを堪能したいと思います。
そして夏になる頃に、また理由を見つけて「街」まで繰り出そう。そしてリフレッシュついでに、今度は同じシリーズの「リリー・オブ・ザ・ヴァリー」を連れて帰ろう。

         「谷間のゆり」という名の香り。ぜひとも放ってみたいものです。。。






自分のための時間

2008年06月02日 | Cozy Booth

誰かのために、何かする。それは、本当に喜ばしいこと。“もらうよりもあげるほうが、あなたは幸せになれるよ”と、聖書にもあります。
だって本当は“あげる”のではないのです。“させていただく”。そんな心でできたとき、私はあげているようでいて、実は“いただいて”いるのですから。

けれども子供のため、家族のため、そして愛する友人たちのために、何とかして自分の最善を捧げたい。熱き思いに突き動かされて、ついついオーバーワークに陥ってしまう。そんな愚かな自分がいます。

少しやりすぎたかな、心と体に休息と栄養が必要かな…と思ったときに、足を向けたくなる場所があります。

私たちの小さな町の、丘の上のワイナリー。広すぎない園庭には、メイプル系の落葉樹が多く植えられ、春はまばゆい新緑、夏は滴る緑、秋には美しい紅葉、冬は青空に描く幾何学模様…と、四季折々の顔で私たちを迎えてくれます。
ワイン製造の工程見学施設や、小さなワインミュージアムもある。新酒祭や樽開きなど、季節のイベントも充実している素敵な場所です。

そのワイナリーの中で、私がいつも必ず覗くのが、カフェを併設したワインの試飲とショップのコーナーです。アッシジの聖フランチェスコの教会を彷彿とさせる佇まい。入って左側が試飲コーナーとショップになっており、右側が小ぢんまりとした居心地の良いカフェです。

私はたいていいつも運転手なので、今まで行っても試飲をすることができないと思い込んでいました。昨今の飲酒運転の事故を受けて、ワイナリーでもそこのところには厳戒態勢をしいて、“ドライバーの方の飲酒は絶対におやめください(試飲も含みます)。”という注意書きがいたるところにされていますし、その、良い意味での威圧感たるや相当のものだからです。

けれども先日ふと、“ん?でも飲み込まなければ良いのでは…”と気がつき、叔父への贈り物を選びに行った時にワイナリーのソムリエに尋ねてみたところ、確かに口に含むだけで飲まなければ、飲酒にはならないとのこと。

どうしてそんな簡単なことに気付かなかったのだろう…!?と小躍りしました(笑)。さっそくスピットアウト用の“バケツ”を用意してもらい、カウンター越しに注いでもらうソムリエのおすすめをテイスティング。…チクショウ!そうだよ。この手があったじゃないか…!


贈り物用のワインを選び、人心地ついてカフェスペースへ移動。何事にも意味を持たせないではいられない貧乏性の私は、“何もしないで時間を過ごす”というのが大の苦手。自分がしていることには、いつでも何らかの意義や意味を見出していたいのです。

でも実はその習性が、自分に休息を与えないことになってしまっていると、つい最近気がつきました。だから疲れたな、やりすぎたな、と思うときは、一見ムダに見えるようでも“何もしない”時間を意識して持つようにしています。
いつでも、ヘタをすれば寝ている時ですら、フルで稼働している自分の頭を休ませるには、どうやらこういう風に場所を変えたりして、半ば強制的な手法をとらねばならぬようです。

ソムリエ考案のオリジナルピッツァをつまみつつ、ただ座って大画面に泳ぐイルカを眺めながら頭をカラッポにする時間。考えることをやめて五感を開放し、感じることのみに身をゆだねる。私にとっては、案外、大切なひとときです。

“お水、差し上げますね”。カウンターを離れる時にそう言っていたソムリエがなかなか現れないので不思議に思っていたら、素敵なクリスタルの水差しに冷たいお水を入れ、高足のたっぷりしたグラスに注いでくれました。
キンと冷えたそのお水のおいしいこと…思わず、ボサ・ノヴァのあの有名な曲を口ずさんでしまうほど。

珍しく大型バスで乗りつける観光客も少なく、その日はなにやら静かで、ひとりゆったりと空間を満喫する。そんな私の様子を、時々ソムリエが覗きに来てくれる。放って置かれるのでもなく、一人の時間を邪魔をされるのでもない、そんなお客の気持ちに配慮した、ちょうど良い距離感を心得ているところはさすがです。
ソムリエといえどサービス業に従事する、いわばお客のしもべ。そういうところで自分が腑に落ちているかどうか。肩書きではなくそんな人柄と人徳が、その人をまた素敵に見せ、提供するものの質をさらに上げるのでしょう。そんな“捧げ方・仕え方”を、私もぜひ、見習いたいものです。


心地良い空間と、おいしい食べ(飲み)もの、そして素敵な人との質の良い会話。そんなものたちが確実に私を癒し、休ませ、また新たな元気をくれたよう。

さぁ、今日からまた一週間が始まります。より美しく優しく“仕える”ために、さらに新たなる力を与えられて強くなったGabbie's Cafeに、ようこそ!





CROSS

2007年11月02日 | Cozy Booth
    http://blog.goo.ne.jp/gabriels/e/adaf01cb4166284ca619c0a4e1bd01fd

カフェの常連、aquaちゃんはハンドメイドの達人。実は今彼女はとっても売れっ子で、夜寝る暇も惜しんでミシンを踏まなければオーダーをこなし切れないほど。彼女の作るお洋服たちをひとめ見れば、それもそのはずと納得です。

センス抜群のaquaちゃん。まず選布眼(というのかな?)がすばらしい。私などは布屋さんに行っても、並んだ中からどの布を買ってよいか分からなくなって、結局手ぶらで帰って来てしまいそうですが、彼女にはきっと出来上がりのイメージが、手に取った布の上に浮かび上がって見えるのでしょう。。。
そしてデザイン。この度TとおそろいでRにくださったパンツの、おしりの大きなポケットの可愛いこと。「縫い目がすこし曲がったり…」なんて本人は言っているけれど、いくらみても私には分からないのでした…(笑)
                    

一年以上前ですが、Rの出産祝いとして私たち親子におそろいのボーダー柄のカットソーを仕立ててくれたのが、彼女でした。それがあまりに素敵だった為、同じくカフェに来てくれるakiちゃんへの出産祝いを彼女に依頼した時も、素敵な布の選択肢をいくつも提供してくれ、とても素敵なプレゼントに仕立ててくれました。
それを受け取ったakiちゃんが、着ているこどもたちの写真を届けてくれたり、カフェのコメント欄でふたりが同席してくれたり…会うはずのなかった愛する人たちが、この小さなバーチャルカフェで交差して、不思議な形で繋がっていく。神様のご計画は、なんて不思議で粋なのでしょう。

   

彼女の作品をさらに魅力的にしているのが、アクセントのラベル。着る人のイニシャルが入っていたり可愛らしいレースがさりげなく使われていたり…そんなラベルに添えられている“CROSS”のロゴは、彼女のブランド。祈りつつ、作品制作を進める彼女の心が表れているようです。
“CROSS”の服を身にまとっていると、なんだか大きな力に守られているような気持ちになります。
出かける子供にも、“CROSS”の印がついた服を着せて送り出したい。今日一日、この子と共にいてお守りください。そんな祈りがカタチになるような気がするから。

            

…本当は着ている子供たちの後姿でもupしたいと思っていましたが…今年は夏から秋をかすめて、すぐに冬めいてしまったので、七分を着るのは残念ながら春までお預けに…。

          願わくば来年のイースター礼拝に、兄弟おニューのおそろいで…!






夏と秋の間で

2007年10月03日 | Cozy Booth

もう10月というのに、昼間はまだ汗ばむ陽気のここ九州。けれども朝夕の空気はめっきり冷え込むようになりました。もう本当に、夏が終焉を迎えます。

行く夏に別れを告げに、国東半島へ「ぜんご釣り」に行きました。「ぜんご」とは、南蛮漬けにするのに良さそうな小さなアジのこと。ぜんご釣りは夏のもので、本当は9月いっぱいしかダメだろうと聞いていましたが、今年はまだこんなに暑いから…と、最後のチャンスを掴もうと繰り出してみました。

先月行った場所にはもう一匹のぜんごも見られなかったので、場所を変えてみることに。漁船がいくつも並んで停泊している小さな入り江にたどり着きました。
入り江の先には寂れたフェリー乗り場があり、姫島への海路が開かれています。

途中、釣り道具屋さんに寄り、エサにオキアミを買いました。バケツいっぱいで500円。釣竿からたれる糸の先に小さなかごが付いていて、その中にオキアミを入れ、岸壁から海に入れます。糸の途中にはいくつもの小さなケバリが付いていて、オキアミにつられたぜんごが、エサと間違えて食いつくのを釣り上げます。

糸を垂らすそばからおもしろいように釣れるので、初心者や子供でも十分楽しめます。次から次へと釣り上げられる小魚を、Rは掴んでは放し掴んではまた放し、初めての感触に夢中です。

 

                        

しばらく釣って疲れたら、まだまだ暑い日差しを避けるために持ってきたパラソルの下で、缶ビールを開けて一休み。ラジオから流れるグレイトフル・デッドのシュガー・マグノリアがほろ酔いの耳に心地よく届きます。


…夏と秋の間にあった昼下がり。忘れ物を取りに戻ったような気持ちで見あげれば、空はもうすっかり次の季節を装っていました。


           





Secret Garden

2007年06月01日 | Cozy Booth

             6月。今、我が家の庭の中で一番輝いているのは、千鳥草。

花ひとつひとつの形が千鳥に似ていることからこの名がついたそうですが、可愛らしい名前のイメージとはうってかわって、その立ち姿はすらりと長身でスレンダー。風にたおやかに揺れる様は、同じ長身のルピナスやデルフィニウムにはない繊細な美しさを醸します。

この千鳥草をこころゆくまで堪能できる場所に、ガーデンテーブルを置きました。それまで雑草がボウボウだったスペースを開墾し、芝生のエリアが出来上がりました。座るとちょうど目線ぐらいになる千鳥草を、ゆったり座って愛でることができる。春を過ぎて豊かにしたたり始めた緑に、すっかりとり囲まれるような安心感のある秘密の場所です。
東向きなので午前中には朝日がふりそそぐし、昼間には木陰ができて、暑いくらいの日差しを和らげてくれる。

…物心ついた時から、居心地の良い空間というものへのこだわりが、いつもあった気がします。公園の遊具の中に気に入りの小さな空間を見つけて秘密の基地にしたり、宮殿の応接間にしたり。。。
大人になってからは、カフェやレストランでは無意識で座る場所にかなりこだわっている気がします。そんな私が昔からずっと欲しかったのが、こういう屋外のテーブルスペース。お茶を飲んだりランチしたりと、シナモンの木のふもと、気がつけばひがな一日、過ごしていたりします。

さて…これから夏に向け、ここにどんなお客様をお迎えできるかと、いまからわくわく楽しみな店主なのでした。

                   



ローダンセ

2007年04月30日 | Cozy Booth

   この、なんとも優しい質感のフレームを作ってくださったのは、カフェの常連shinobuさん。
素敵ですねぇ…。届いた時には、もう本当にびっくりでした。この“ローダンセ”の手がかりがなかったら、間違いなく売り物と勘違いしたところでした。


実は、このフレームが私のところに届くまでには、ちょっとしたストーリーが。


毎年私たちの町が行っている、グリーンツーリズムの農村体験。以前にもここで紹介したことがありましたが、その農村体験でたまたま(というより、今から考えてみれば運命的に)彼女の息子さんが我が家に泊まってくださったことから、私たちの交流ははじまりました。“息子がお世話になります”と、ご丁寧にメールをくださった彼女。はじめは、一父兄という立場から。けれども何度もメールを交わすうち、私たちは不思議な接点をいくつも発見し、急速に親しくなっていきました。

クリスマスには、彼女から思いがけないプレゼントが我が家の子供たちに贈られたり。オニイチャンたちのおさがりを受け継ぐまでになり、今では、なんだかもうずっと長く知っているような気がしてしまいます。


すっかり期を逸してしまったけれど、そのクリスマスのプレゼントのお礼として、先日こちらから手作りのマドレーヌをお送りした時に、そっと箱の一番上にのせておいたローダンセという名の花の、鮮やかなピンク色のドライフラワー。かいがら草の一種で、乾いても生花のときとほとんど色も風合いも変わらないので、ドライにするにはもってこい。栽培が難しいためか、巷ではほとんど見かけない花です。

私たちの知り合いが10年越しで栽培に成功し、この春初めて我が家でドライにしてみたのですから、これが美しいフレームになって我が家に戻ってきた時には、もちろん見まちがえるはずもありません。
そしてよく見れば、gabbie'sのロゴが額の中に…。その小粋な計らいに、ささやかな私の門出を、祝ってくださっている彼女の優しい心がほの見えるようでした。

                      
一期一会とはよく言ったものです。私たちが生きているこの地球上で、一生の間にいったい何人の人と親しく知り合うことができるでしょう。そう多くはないはずです。

この、偶然では語り切れない彼女との出会いを感謝する気持ちが、このフレームを見るたびに心をいっぱいにしてくれるのが、何よりうれしい店主です。

                  

                  shinobuさん、本当にありがとう…!
 





ホッ、と一息…

2007年04月21日 | Cozy Booth

最寄のスタバまでは、車で40分あまり。よほどの用事でもないかぎりなかなか出ていかないけれど、それでも近くまで行くと、ついつい寄ってしまいます。

ナントカのひとつ覚えのように、いつも注文してしまうキャラメルマキアート。ソファに寄りかかりながら、ホッ…と一息。半分ぐらいまで飲んだところで席を立ち、あとは帰りの車の中で、運転しながら飲むのがワタシ流。
別に急いでいるわけではなくても、全部飲み切らずに持って帰るのがすきなのです。だって座席で飲むのにもかかわらず、わざわざふたつきの紙コップに入れてくれるんですから。

スターバックスが日本に上陸したのがいつ頃だったかは忘れてしまいましたが、はじめてその存在を知ったのは、たしかロス帰りの友人の車の中。彼女がスタバのマークのついたプラスチック製のカップの中に、朝落としたコーヒーの残りを入れて運転しながら飲んでいたのが、強烈に印象的でした。

思えばそれ以来かもしれない。運転しながらスタバのカップで飲む…友人の思い出と相まって、私の心地よい時間です。ゴスペルミニストリーの最前線で活躍する彼女。いつも良き姉でいてくれる彼女にそっと敬意を表しつつ…今日もスタバで、ホッと一息。

                      





こだまでしょうか

2007年01月30日 | Cozy Booth

                         こだまでしょうか


                   「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。

                    「ばか」っていうと 「ばか」っていう。

               「もう遊ばない」っていうと 「もう遊ばない」っていう。


                    そうして、あとで  さみしくなって

                 「ごめんね」っていうと  「ごめんね」っていう。


                   こだまでしょうか、  いいえ、誰でも。



                           金子みすゞ



                      のりちゃんがおしえてくれた詩。
        自分がして欲しいと思うことを、他の人にもしなさいという声が、聞こえた。




とくべつなおくりもの

2007年01月10日 | Cozy Booth

お正月にうれしいことがありました。カフェの常連さんのKさんとそのご一家が、ご実家に帰省された折に、我が家にも泊まりに来てくださったのです。

“本店と、羽田店だけの限定です”という言葉に誘われて、ジャン・ミエのショコラフォンデュと桜の花ののったピンクのかわいらしい“豆乳カステラ”を手土産にやってきたKさん。
いつも主婦として大忙しのKさんには、お正月気分を満喫してもらいたいと特別なことは何も計画しませんでした。
お雑煮を食べて、ただただのんびり…。そして湯布院温泉にふらり。(ね?Kさん・笑)

Tに…とKさんが取り出したのは、“たいせつなきみ”シリーズの第6巻。自分が自分であることの大切さ、自分がありのままでどんなに愛されているかを教えてくれる絵本として、子供から大人まで楽しめる作品です。挿絵も、とてもきれい。
小学校で読み聞かせのボランティアをしているKさんに、Tはその晩さっそく読んでもらいました。さすがだなぁ…と、となりでRを寝かしつけながら、私もうっとり。

Rへのプレゼントは、なんと手作りのルームシューズ。オフホワイトのフェルトはコットン100%。ちいさくても裏側には一丁前に革が貼ってあったり、うしろの部分にそっと十字架の縫い取りがしてあったりと、それはそれは丁寧に作られています。きけばカフェの常連、aquaさんとさっぴんとの共作なのだということ!
本の中にも、縫い物が得意な子が出てきたけれど…こんなに素敵なハンドメイドを作り出す彼女たちこそ、持てる賜物で誰かを幸せにしている張本人なのだなぁ…と、感動してながめています。

美しいルームシューズ、Rが歩くまではもう少し間があるし、いい具合にすこし大きめだし…で、もうしばらくかざって眺めるとしましょうか。

                   

                      きみへのとくべつなおくりもの





Natural Healing

2007年01月10日 | Cozy Booth

そのKさんが少し前にプレゼントしてくれたのが、“手作り化粧水”のセット。
Kさんご自身が作ったどくだみのホワイトリカー漬けと精製水、そして植物性のエキス、アロエなどに由来するプラセンタと、大豆由来のコラーゲン。自分の肌に合わせて調合して使うことができます。

Rを出産してから、しばらく落ち着いていた持病のアトピー性皮膚炎がひどくなり、おもに顔や首の皮膚が炎症していました。ステロイドや副腎皮質ホルモン入りの薬を使わずに治したいとおもうと、どうしても長期戦が強いられます。

けれども、この手作り化粧水を使いはじめたら、なんだか調子がいいみたい。沁みたりもしないし、がさがさだった肌も不思議としっとりつるつるに…。正直、化粧水に治療効果は期待していなかったのですが、本当に不思議…これはどくたみの効果でしょうか?

どくだみって、むしってもむしっても庭にはびこって、さらに臭いも強烈で…昔はあまりいいイメージのなかった植物でした。けれども子育てを始めてから、このどくだみが自然療法にずいぶんと活躍しているのを知り、次第に見る目が変わったものです。一見地味なただの雑草に、こんなにいろいろな力が潜んでいたなんて…と。

どくだみは、小さな白い十字架のような花をつけますね。踏みつけられて、すりつぶされて、傷を癒す、不思議などくだみ…。

  …そういうことだったのか…なんだか腑に落ちながら、毎日感謝して使っています。


       Kさん、なかなかアップできなくて…こんなに遅くなってしまいました。