時々、病院という場所に、行く機会が与えられます。
こどもの付き添いであったり、友人のお見舞いであったり、また時にはボランティアの端くれとして、
大きな病院のロビーで歌を歌わせてもらいにいったりすることも。
深まりゆく秋。大好きな季節。
一年前のことを思い出すと、今のこの幸いと平安の日々を、いったいどこから感謝したものかと、迷うほど。
今も、難しい病と毎日向き合う人がいる。
病院に行くときには、いつでもそのことを思い起こす機会としたい・・・と願います。
10年以上ぶりに、英語を話す人々の中に置かれている、今秋の私。
一週間前の木曜日に、彼らは感謝祭を祝っていました。
丸ごとのターキーを切り分ける・・・ノーマン・ロックウェルの絵にそのままなれそうな光景でした。
折りしも、アメリカからいらしたステキなお客様が、私に小さなボトルの、良い香りのボディローションを
残していってくださいました。
かつて米軍基地の中の黒人教会に通っていた頃、この時期によく、どなたかのお宅に招待されたものでした。
感謝祭やクリスマスのお祝いに招かれたお宅では、いつもこんな香りがしていたっけ・・・
恍惚としそうなほどの、アメリカ独特の香りです。
匂いには、一足飛びに時を辿って、そのときの記憶をフラッシュバックさせる力がある。
この香りで、ただいま15年前の恵みにタイムトリップ中です。
どんなに慌しい日々を送っていても、香りに気づいて立ち止まり、振り返り、恵みを数え、感謝する・・・
この先いくつになっても、そんな歩みでありたいものです。
3か月に一度、次男Rの採血に訪れる横浜Fが丘の病院に、新しくTally's Coffeeができていました。
開店日の日付を見れば、私たちの訪れた1週間前にオープンしたばかり。
薬の調剤を待っている間、ご褒美がてらに寄りました。
大きなキャラメルドーナッツを頬張るRを眺めつつ、窓の外の色づく秋を眺めつつ・・・
この病院の中に、今日もし恵みを数えることに困難を覚えておられる方がいれば
どうかそこに、希望の光が差しますように。
私にできることがあれば、どうかそれが示されますように。
1年前、4年前、5年前、8年前・・・当事者だったそのときを、私がどうか忘れませんように。
自分の恵みを数えることに熱心であると同時に、他人の必要に敏感な者であれますように。
神様・・・あなたからいただく、たくさんの恵みに、今年も感謝して。