秋という季節が大好きです。
長くて暑かった夏の空気が、ある日ほっと和らいで、秋がやってくる。
風が金木犀色に香り、店先には収穫の季節の恵みが並ぶ。
りんごを買っていってパイを作ろうかな。それともスイートポテトにしようかな。ちょっと手間だけれど、栗をやわらかくゆでてクリームにしてモンブランもいいし、洋梨はシロップで煮てアイスと一緒に供してもいい・・・
秋はとにかく、パティシエたちを幸せにする季節・・・少なくとも私は、そう思っています。
友達と森の探検から帰ってきたTのポケットには、いっぱいのどんぐりが入っていました。受け取ったぴかぴかの細長い実を、久しぶりにゆっくり眺めました。
自分も子供のころは、宝物のように拾ったっけ。あまりに大事にしすぎて箱に入れてしまっておいたら、いつの間にかみんな丸い小さな穴があいて、中から虫が出てきちゃって、ちょっとがっかりしたりして。
“どんぐりは平和の象徴”だと、いつかどこかで読んだ覚えがあります。
そういえば、ナショナルトラストのマークもどんぐりでしたよね。
拾っても食べられない、あんまり役に立ってなさそうなどんぐりたち。どうしてそれが平和の象徴なのかは知らないけれど・・・
でも子供のポケットいっぱいのどんぐりは、あの有名な祈りをふと思い出させてくれました。