Gabbie's Cafe

 天使のカフェへようこそ

こだまでしょうか

2007年01月30日 | Cozy Booth

                         こだまでしょうか


                   「遊ぼう」っていうと 「遊ぼう」っていう。

                    「ばか」っていうと 「ばか」っていう。

               「もう遊ばない」っていうと 「もう遊ばない」っていう。


                    そうして、あとで  さみしくなって

                 「ごめんね」っていうと  「ごめんね」っていう。


                   こだまでしょうか、  いいえ、誰でも。



                           金子みすゞ



                      のりちゃんがおしえてくれた詩。
        自分がして欲しいと思うことを、他の人にもしなさいという声が、聞こえた。




a thousand winds

2007年01月25日 | BGM

                   誰かが亡くなると、決まって風が吹く…

いつからか、その事実に気づきました。母方の祖父が亡くなった日も、祖母の通夜の夜も、そして父方の祖母がなくなった日も、やはり風が、思わず顔をあげて窓の外を見てしまうような強い風が吹いていました。

この不可思議な法則は、自分の身内だけではなく、他の誰かが亡くなったときにも起こりました。抜けるような青空の下、しんと静まり返った大地の上を強い風が吹き抜けていく…

不思議なこともあるものだ…。
説明がつかないまま、それは私にとっての動かしがたい事実となっていきました。
そして数日前の大寒、同じ日に3つの訃報を耳にした日、やはり予期せぬ風が吹きました。


………………………………


みぞれ混じりの雨が降る12月の寒い日、礼拝から帰って、火の気のない寒い家に入れずに、ストーブだけつけて車に戻り、部屋が暖まるのを待っていたときのこと。
何気なくあわせたカーステレオから、この歌の朗読が聞こえてきました。


私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

あの大きな空を
吹きわたっています



妙に腑に落ちながら聞いていました。

亡くなった方の魂が風になって大空を吹きわっている…
私にはそういう風に聞こえたというより、むしろもっともっと、大きな摂理のような、大いなる存在のようなものを証する声として響いてきたのでした。


聖書の、ヨハネによる福音書の中に、弟を失って墓石の前で涙にくれている姉妹マリヤとマルタの話が出てきます。
イエスに弟ラザロの病を癒してもらうことを期待していた彼女らに、イエスは泣かないように、悲しまないようにと言うのです。ラザロは死んではいない、と。
人々はイエスをあざけって笑いますが、イエスが呼ぶと、死んだはずのラザロは生きて墓の中から出てくるのです。

この箇所のことを歌ったゴスペルの曲を、以前アレサ・フランクリンが歌うのを聞いたことがありましたが、その中で囁くように繰り返されるコーラスの声が、この"千の風になって"の詩とダブって響いてきました。
そして、この曲の入ったアルバムを私にプレゼントしてくれたのは、そういえば昨年の9月に天に召された友人Takeちゃんでした。

年末の紅白歌合戦でこの"千の風になって"を歌ったのは、テノール歌手の秋川雅史さん。この方は、愛媛出身のTakeちゃんの後輩に当たる方なのだそうです。


偶然では片付けられない繋がりが、大きな風の流れになって吹き渡るように感じました。そしてその流れは、たくさんの方々の思いを乗せ、"死んでなんかいません"という声とともに、大いなる存在の力によって、死すらもこえて私たちを永遠の希望へと導いてくれるのだと。



"a thousand winds"
author unknown

Do not stand at my grave and weep;
I am not there, I do not sleep.

I am a thousand winds that blow.
I am the diamond glints on snow.
I am the sunlight on ripened grain.
I am the gentle autumn's rain.

When you awaken in the morning's hush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet birds in circled flight.
I am the soft stars that shine at night.

Do not stand at my grave and cry;
I am not there, I did not die.





初雪

2007年01月15日 | Season's Special

 年明けに積もった初雪はとてもやさしくて、午後にはほとんど溶けてなくなってしまいました。

せっかくの雪をかき集めるように、Tは朝食をかきこんで外へ飛びだしていきました。

期待していた川へ降りる下り坂にはもう雪が残っていなかったので、家の裏のお寺の境内で、お日様に照らされて溶けるのと競争で、Tは残った雪の上をそりで跡をつけて歩きました。

“T、そうだ、参道のところなら、ほんの少しだけれど坂になってる。行ってみよう!”
二人で駆けつけると、そこは家の影になっていて、手付かずの雪がまだ残っていました。

小さなそりに二人乗りして、ほんの5メートルしかない雪の坂を滑り降りました。

“あれっ、もう終わっちゃった。”Tが声を立てて笑います。
“もう一回やろうか”“うん、もう一回やろう!”


参門のほうを振り返ると、私たちのに混じってだれかのあしあと。犬かな。それともたぬきかな。





muraプロジェクト、始動

2007年01月13日 | Blackboard
           http://gazoo.com/G-Blog/mura_ajimu005/index.aspx

以前、感動産業の時にもお話しましたが、我が家は「農泊」という、一風変わった宿をやっています。

そうなんです。うちは時々、お客さんをお泊めしています。でも俗に言う“民宿”というのとは、ちょっと違うんです。

ヨーロッパに旅行したことがある方は、B&Bっていうのを耳にしたことがあると思います。これは“ベッド&ブレックファースト”。つまり一泊朝食付きという意味です。
この看板が、むこうではふつうの家の玄関とかに当たり前みたいに出ていて、ふつうの家が当たり前みたいにお客さんを泊めています。
そういうことを、農家が副業としてやる。それが私たちが町ぐるみで推進している“グリーンツーリズムの農家民宿”です。

イタリアなどではアグロツーリズモ(農家民宿)なる名前で、こういうことがもうずいぶん昔からなされていたようですが、実は私たちの住む安心院(あじむ)は、この形態で宿業を始めた、日本で初めての町。現在、我が家を含む16軒の家(たいていは農家)が、常時お客さんを迎えています。


「グリーンツーリズムのメッカ」などと呼ばれるこの町の役場には、ちゃんと“グリーンツーリズム推進係”があるし、NPO法人としての事務局もあります。
全国各地から、自分の町でもやりたいといって、役場の方たちも視察にやってきます。TVや雑誌の取材も来るし、旅行のガイドブックなどにも載っていたりします。
なにぶん新しい試みなので、関係者をふくめ誰もが試行錯誤の連続ですが、それでもたくさんの方々のお力添えで、この町の“グリーンツーリズム”は、10年の間にめざましい成長を遂げてきました。


そしてさらなる飛躍を遂げるべく、この年末年始で、ひとつの大きなプロジェクトが始動しました。
トヨタさんのサイト“Gazoo”で安心院のブログスポットブログ7軒がオフィシャルブログとして定期的に情報を発信することになり、かくいう我が家もその一軒として参加することになりました。

“マチ”と“ムラ”をつなぎ、その交流をさらに深めてくれそうなmuraプロジェクト。それは田舎から“マチ”への情報発信というだけにとどまらず、私たち“ムラ”をも活性化してくれるような気がします。

その手はじめに…今までPCに触れたこともなかったような農家の方にもPCがレンタルされて、これから安心院にはITおじいちゃん&おばあちゃんが増えそうな予感…(笑)。





とくべつなおくりもの

2007年01月10日 | Cozy Booth

お正月にうれしいことがありました。カフェの常連さんのKさんとそのご一家が、ご実家に帰省された折に、我が家にも泊まりに来てくださったのです。

“本店と、羽田店だけの限定です”という言葉に誘われて、ジャン・ミエのショコラフォンデュと桜の花ののったピンクのかわいらしい“豆乳カステラ”を手土産にやってきたKさん。
いつも主婦として大忙しのKさんには、お正月気分を満喫してもらいたいと特別なことは何も計画しませんでした。
お雑煮を食べて、ただただのんびり…。そして湯布院温泉にふらり。(ね?Kさん・笑)

Tに…とKさんが取り出したのは、“たいせつなきみ”シリーズの第6巻。自分が自分であることの大切さ、自分がありのままでどんなに愛されているかを教えてくれる絵本として、子供から大人まで楽しめる作品です。挿絵も、とてもきれい。
小学校で読み聞かせのボランティアをしているKさんに、Tはその晩さっそく読んでもらいました。さすがだなぁ…と、となりでRを寝かしつけながら、私もうっとり。

Rへのプレゼントは、なんと手作りのルームシューズ。オフホワイトのフェルトはコットン100%。ちいさくても裏側には一丁前に革が貼ってあったり、うしろの部分にそっと十字架の縫い取りがしてあったりと、それはそれは丁寧に作られています。きけばカフェの常連、aquaさんとさっぴんとの共作なのだということ!
本の中にも、縫い物が得意な子が出てきたけれど…こんなに素敵なハンドメイドを作り出す彼女たちこそ、持てる賜物で誰かを幸せにしている張本人なのだなぁ…と、感動してながめています。

美しいルームシューズ、Rが歩くまではもう少し間があるし、いい具合にすこし大きめだし…で、もうしばらくかざって眺めるとしましょうか。

                   

                      きみへのとくべつなおくりもの





Natural Healing

2007年01月10日 | Cozy Booth

そのKさんが少し前にプレゼントしてくれたのが、“手作り化粧水”のセット。
Kさんご自身が作ったどくだみのホワイトリカー漬けと精製水、そして植物性のエキス、アロエなどに由来するプラセンタと、大豆由来のコラーゲン。自分の肌に合わせて調合して使うことができます。

Rを出産してから、しばらく落ち着いていた持病のアトピー性皮膚炎がひどくなり、おもに顔や首の皮膚が炎症していました。ステロイドや副腎皮質ホルモン入りの薬を使わずに治したいとおもうと、どうしても長期戦が強いられます。

けれども、この手作り化粧水を使いはじめたら、なんだか調子がいいみたい。沁みたりもしないし、がさがさだった肌も不思議としっとりつるつるに…。正直、化粧水に治療効果は期待していなかったのですが、本当に不思議…これはどくたみの効果でしょうか?

どくだみって、むしってもむしっても庭にはびこって、さらに臭いも強烈で…昔はあまりいいイメージのなかった植物でした。けれども子育てを始めてから、このどくだみが自然療法にずいぶんと活躍しているのを知り、次第に見る目が変わったものです。一見地味なただの雑草に、こんなにいろいろな力が潜んでいたなんて…と。

どくだみは、小さな白い十字架のような花をつけますね。踏みつけられて、すりつぶされて、傷を癒す、不思議などくだみ…。

  …そういうことだったのか…なんだか腑に落ちながら、毎日感謝して使っています。


       Kさん、なかなかアップできなくて…こんなに遅くなってしまいました。




2007

2007年01月01日 | Blackboard
               安心院の朝霧      photo by JUNKO UEDA

「見よ、新しいことをわたしは行う。今や、それは芽生えている。あなたたちはそれを悟らないのか。」
                                      イザヤ書43:19

                 新年あけましておめでとうございます!
           今年一年が、皆さんにとって素晴らしいものとなりますように…。

                   2007年元旦・Gabbie's Cafe 店主